ひげ爺の独り言

髪が薄くなり髭はごま塩の「ひげ爺」、旅行会社を定年退職して16年。 高齢となって転居した大宮での隠居ぐらしを投稿します。

渡良瀬遊水地のヨシ焼き

2013-03-19 07:33:22 | 食楽・年金ライフ 
国指定鳥獣保護区渡良瀬遊水地は、昨年7月ラムサール条約に登録された。
足尾銅山からの鉱毒に苦しんだ所で「日本における公害の原点」と云われる。
大規模洪水に見舞われてきた土地で、洪水調整を目的に遊水地化された所。
その広大なヨシ原では、例年3月にヨシ焼きと呼ぶ焼却作業を行ってきた。
しかしこの2年間は、東北大震災と福島の原発事故が原因で行われなかった。
天候にも恵まれた3月17日、3年ぶりに遊水地での「ヨシ焼き」が行われた。
朝の8時半に、遊水地の数か所に火がつけられ約3時間にわたり燃え続けた。

乾燥が続いていたヨシ原は、弱い東風にふかれて勢いよく炎を上げて燃えた。
その煙は空を曇らすほどで、遊水地内のヨシ原の8割ほどを焼き尽くした。
ヨシ焼きの目的は、枯れ枝や枯れ葉を焼却して地面に陽当たりを良くし、害虫
を駆除して良質なヨシの生育を助け、雑木や蔓草など湿地になじまない植物を
除去し、自然環境を保全し結果的に貴重な動植物の生息を助けることと云う。
素人考えでは、ヨシ焼きによって昆虫や小動物が焼死し野鳥も逃げ出すなど自
然の生態系を壊すのではないか・・・と。しかしそんな心配は無用のことらしい。

ヨシ焼きをしないと、太い良質なヨシが育ちにくく 枯れ枝や枯れ葉に覆われると
貴重植物に悪影響があり、つる草が繁茂してヨシ原が減退してしまうと云う。
また、ネズミ等の小動物が減少して それを食にする猛禽類が減ってゆくと云う。
遊水地の自然を守るためには、人間による保全活動が必要ということになる。
幸いラムサール条約の精神にも、地域による「賢明な利用」が提唱されている。
「ヨシ焼きできて、4月のクリーン作戦でゴミが拾いやすい」と、ひげ爺の独り言。
春植物の発芽が促進されるように、賢明な「利用の芽が出る」ことも望んでいる。
コメント (3)
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