難聴者の生活

難聴者の日々の生活から、人工内耳など難聴者のコミュニケーション、聴覚障害者の制度改革について語る。

バイオニクス社の人工内耳に何があったのか?

2010年12月11日 13時04分14秒 | 人工内耳

日本バイオニクス社からの連絡によると、90Kインプラントの自主回収をするとある。
90Kインプラントとは、ハイレゾ(高解像度)の聞こえが得られるとする同社の最新のバイオニックイヤーシステムの同社の最新の人工内耳だ。
http://www.bionicear.jp/clarion/04.html

しかし、この連絡では、90Kインプラントとは何か、どういう事態が発生しているのか、その原因、自主回収というのは装用者から外すのかなど肝心なことがわからない。
同社のHPにもなく、アメリカ本社のHPをみると

Advanced Bionics Announces Voluntary Recall of the HiRes 90K Cochlear Implant

があった。

これの詳細な情報が、薬品医療機器総合機構PMDAにある。
同社の回収情報だが、一般の人に目にふれるようなサイトではない。
http://www.info.pmda.go.jp/rgo/MainServlet?recallno=2-4176

アメリカ本社からの指示という曖昧なことではなく、日本で販売する会社として詳細な内容を明確にして欲しい。

PMDAの同社の情報には、日本の患者にはこの事故は起こっていないと言うが、それは本当にたまたまであり、同じロットで製造された以上、事故のリスクはどこの国でも同じことは自明だろう。
むしろ、そういう情報により日本は安全だ、関係ないという誤った認識を与えることこそが問題とならないか。

2004年の事故の時にはコクレア社とコクレアアメリカ社が緊急の安全宣言を出している。
http://www.cochlear.com/jp/corporate/cochlear-americas-statement

これは、社会に人工内耳そのものが非常に危険な物というイメージを与えかねない内容だ。
実際に他社の人工内耳装用者にとっても不安を与えるものだ。


ラビット 記

! ! 「自主回収」の「回収」というのは何を回収するのだろう。 90Kインプラントというのは体内に埋め込んだ電極を回収、つまり取り出すのだろうか。 取り出せば聞こえなくなるが、安全性の確認された別の電極を埋め込むのか。 詳細な情報が不足している。 これはバイオニクス社だけでなく、人工内耳全体、聴覚医療そのものの信頼性を揺るがしかねない。 !