難聴者の生活

難聴者の日々の生活から、人工内耳など難聴者のコミュニケーション、聴覚障害者の制度改革について語る。

要約筆記者の派遣単価改訂。

2012年08月11日 23時14分50秒 | 要約筆記事業

要約筆記者養成カリキュラムが通知されて、要約筆記奉仕員養成事業を行わないことになった。
要約筆記指導者養成講座も厚生労働省の事業として開催され、地域では特別支援事業のステップアップ事業が行われ、奉仕員から要約筆記者の転換が進められている。
来年度あたりから、要約筆記者の派遣事業に要約筆記者養成講習会を経て登録試験に合格した要約筆記者が派遣されるようになる。

こうした時、自治体に要約筆記者派遣単価は手話通訳者のそれと同額に要求すべきだ。社会福祉法上も障害者総合支援法の意思疎通支援事業の位置づけも、要約筆記派遣事業と手話通訳者派遣事業は対等だからだ。

問題は、要約筆記事業を長い間要約筆記奉仕員が担ってきたことから、社会的にも手話通訳関係者からも見る目は厳しい。
手話通訳は言語間の通訳に対し要約筆記は、と専門性が劣るようなことをいう手話通訳者がまだいる。難聴者からもあれも書いていない、これも書いていないと言う声もある。
社会福祉事業としての要約筆記と情報保障のリアルタイム文字表記と同列に置く誤解まである。

要約筆記事業の真価が問われている。要約筆記事業関係者も難聴者も自分の言葉で説明出来ないといけない。

ラビット 記
※写真は新宿駅周辺を巡回する100円バス。周辺のデパートなどが協賛している。

聞こえない人の手話の多様性。

2012年08月11日 22時07分29秒 | 日記(つぶやき)

機能としての聴覚障害者をみると、聴力の有無が生来なのか最近か、残存聴力とその失聴時期のマトリックスで大まかに分類できる。
乳幼児から失聴していたからといって手話を身に付けているとは限らない。軽度難聴者でも手話を学習して身に付けている人も少なくない。
難聴者も聴力の程度はまちまちで、さらに感音性か伝音性か、難聴のタイプ別にそのコミュニケーション様式もまた多様だ。
同じように手話を言語とするろう者だから手話が一様かと言えばそうではない。国語力(日本語の理解の程度)もまちまちで手話表現もそれにあわせて多様だ。

こうしてみると、手話言語法制定運動が全日本ろうあ連盟の運動方針となったが、多様な手話の存在をどのように見ているのか。母語が手話というろう者の手話に「統一」してしまうのだろうか。手話帝国主義にならないのか。
どんな聴覚障害を持つ人でも自分にあったコミュニケーション方法を選択する権利があることは言うまでもない。

口型を付けた手話が理解しやすい聴覚障害者もいる。日本語対応手話(=日本語手話)が理解しやすい難聴者。中途失聴者もいる。
日本語手話を使う難聴者がろう者と話す時に手話通訳を求めても問題はない。

言語として、手話か音性日本語かの選択に、手話か日本語手話かも選択枝に含めるべきだろう。
そういう意味では、手話言語法制定運動にわくわくするものがある。

ラビット 記
※勤務先近くに止まっていた「タクシー」。