難聴者の生活

難聴者の日々の生活から、人工内耳など難聴者のコミュニケーション、聴覚障害者の制度改革について語る。

難聴者支援のネットワークのモデル

2008年04月10日 13時02分55秒 | 生活

080402_1319~002.jpgフックさん、コメントありがとうございました。

私も、後3年で定年です。来年には定年を延長するかどうか決めなくてはならないです。同じくらいの世代ですね。

難聴者は、補聴器をつけるまでが大変です。補聴器を使うことが恥ずかしいと思ってしまうからです。恥ずかしいと思ってしまうのは社会の風潮が聞こえないことに理解がないからです。

どうにもならなくなって補聴器を使わなくてはと思い始めても、どこに相談に行けばよいのか、どういうのを選んだらよいのか分からないのです。
使い始めると、今までと違う聞こえですから、うるさく感じたり、聞こえるはずの言葉が聞こえなかったり戸惑ってしまいます。その時に、ちゃんと説明を受ければまた続けてみようと思いますが、そうでないとそこであきらめてしまいます。

日本の補聴器の普及が欧米よりも遅れているのは、補聴器を必要としている人にきちんとした支援がないからです。「見て分からない」障害ですし、本人にも自覚しにくいので、社会の理解が遅れています。

補聴器販売店だけ、当事者団体だけではなく、市町村の自治体、地域の自治体、耳鼻科医、社会福祉協議会、老人クラブ、介護支援事業者、学校など地域ぐるみで難聴と補聴器に対する理解を深める必要があります。
難聴者支援、エンパワメントの考えを普及しないといけないです。

その仕組みは、福岡県の大牟田市など認知症の高齢者を支援する地域のネットワークを作っているところが参考になると思います。
http://www.city.omuta.fukuoka.jp/hoken/kaigo/seido/f2_42c60322_818.html
http://www.yomiuri.co.jp/iryou/news/kaigo_news/20060327ik08.htm
http://www.city.omuta.fukuoka.jp/shinsei/kaig/kaig_1710.pdf
http://www.yuki-enishi.com/challenger-d/challenger-d12.html
http://www2f.biglobe.ne.jp/~boke/ohmuta.pdf


一人の難聴者が補聴器を使い始めるまで

2008年04月09日 12時35分52秒 | 生活

病院のチューリップ.jpg補聴器の装用は難聴者のエンパワメントに欠かせない。
しかし、難聴者が補聴器にきちんと向き合うためには、本人への支援が無さすぎるのではないだろうか。
補聴器を制度で給付すれば終わりではない。

まず難聴であることの正しい理解が必要だ。

「そう言えばタ行、サ行、ハ行の言葉が聞きにくいことが多いわ」
自分のオージオグラムはどういう難聴になるのか、聞えの特徴がどうなのかを理解していない人がほとんどだろう。
これは本人のせいではない。聴力検査を受けたり、オージオグラムの説明を受ける機会や聞く場ががなかったのだ。

「前に補聴器をした時は耳が痛くて使うのをやめてしまい、それ以来トラウマのように自分でも補聴器のことに触れないようにしていたの」
補聴器に対するきちんとしたイメージを持てないでいたのは残念だ。身近に相談出来る人がいなかっただろう。


道の花.jpg「補聴器でテレビのCMのやりとりが聞こえたので感激!」
「洗濯機の終わるピーッというのが聞こえたよ」
「この補聴器は付けてても聞えが余り変わらないように思う」
「補聴器はガチャガチャと裸耳では聞こえなかった音がうるさく聞こえるの。どう受けとめればよいのかしら」
「補聴器がキンキン聞こえてうるさくてしょうがない」
「この位で良いかなと思ってもすぐうるさく感じるのはなぜ?」
補聴器を使い始めるといろいろな音が聞こえてくるがメガネと同じようにすぐには使えないこと、その理由を説明し、補聴器に何を求めるのか聞き出しながら、聞こうとする意欲を持ってもらう必要がある。

「補聴器の助成の申請は病院に行けば良いのか、補聴器店かどっちかなあと思っていました」
難聴者としての自覚が生まれ、助成を受ける気になるまでには時間がかかる。
その意欲を引き出し、助成を申請につなげるのも自立へのエンパワメントだ。

補聴器と対話しながら、聞えの幅をの広げていくこと、さらに周囲の理解を得ることなどが行われなければならないが、これがシステム化されていない。

難聴者が自分の聞えに向き合い、一歩一歩、聞えに自信が持てるようにリードする役割を持つ人、ヒアリングサポーター、補聴支援者のような人が必要なのではないだろうか。
もちろん一定の講習を受けた人だ。日本ヒアリングインターナショナルの「認定ヒアリングアドバイザー」の考えに近い。
http://blogs.dion.ne.jp/rabit/archives/6229293.html

障害者自立支援法や高齢者補聴器給付制度で申請が少ないのは、決して難聴者のせいではない。


ラビット 記



補聴器購入助成制度の例

2008年04月08日 21時30分18秒 | 生活
080406_1449~001.jpg080406_1257~001.jpg各地の自治体に、高齢者対象の補聴器購入補助制度がある。
障害者自立支援法では、「聴覚障害者」対象に補聴交付制度があるが、いかんせん聴力レベルの基準が高いのと「聴覚障害者」になるためか、申請数は少ない。
戦後を生きてきた高齢者には「障害者」に心理的抵抗があるのだろう。
今後は権利意識と納税者意識の高いアクティブな団塊の高齢者になっていくので申請数は増えるかも知れない。

それには、社会に難聴問題の理解がもっと必要だ。これこそが鍵だ。


ラビット 記
………………………………
【福岡県粕屋町】
○粕屋町高齢者補聴器購入補助事業実施要綱
(平成17年6月9日要綱第25号)
改正
平成18年3月1日要綱第6号
(目的)
第1条 この事業は、加齢による難聴の高齢者等に対し、補聴器購入の補助をすることにより日常生活の質の向上を図るとともに、高齢者の自立を支援し、
もって福祉の増進に資することを目的とする。
http://reiki.town.kasuya.fukuoka.jp/reiki/act/frame/frame110000317.htm

【東京都葛飾区】
補聴器の購入費の補助
更新日:2007年10月10日
■サービス内容
 35,000円を限度に、補聴器購入費用を補助します。(1回限り)
 購入後1年以内に申請してください
■対象となる方
 住民税が非課税世帯に属する65歳以上の方で医師が必要と認めた方 
http://www.city.katsushika.lg.jp/kurashi/015/001533.html

【愛知県北名古屋市】
○北名古屋市難聴高齢者補聴器購入費補助金交付要綱
平成18年3月20日
告示第120号
(目的)
第1条 この要綱は、難聴により日常生活に不自由をきたしている高齢者が補聴器の購入に要する経費に対し補助金を交付することにより、高齢者福祉の向上
を図ることを目的とする。
http://www.city.kitanagoya.lg.jp/profile/reiki_int/reiki_honbun/
r3630355001.html

【千葉県浦安市】
 難聴のために補聴器が必要と医師に証明された方が、補聴器を購入した場合に購入費の一部を助成します。
対象者 65歳以上の方(聴覚障がいにより身体障害者手帳の交付を受けている方を除く)
助成額 3万5000円を限度に1回だけ助成
http://www.city.urayasu.chiba.jp/a003/b003/d02600014.html
ラビット 記




人工内耳装用して4ヶ月の状況

2008年04月08日 12時49分03秒 | 人工内耳

080411_0838~001.jpg12月4日に、人工内耳の装着、音入れをしてから、4ヶ月が経過した。

一ヶ月前からかなり聞こえるようになったと言うのははまだちょっとためらいがある。

【装用効果】
マップを1ヶ月以上変更していないが、左耳は、聞こえるようになっているのは確かだ。
人工内耳でテレビの声が分かる時がある。ドラマで字幕がついていると「聞こえる」時は増えた。
対面の会話は、読話と併用すれば少しは成り立つようになった。

【職場で】
しかし先週から右耳の補聴器を使えず、人工内耳だけでコミュニケーションを余儀なくされているが、いざ目の前の言葉をパッと聞こうとすると聞き取れない。

勤務中は補聴器が使えないので聞こえないと宣言したので電話を代わってもらいやすいが日曜の一人勤務の際は厳しい。

【電話】
試しに人工内耳をTモードにして電話をかけてみた。これは聞こえた!勤務先の電話の受話器はコイルのあるタイプどしかも増幅器を付けてある。
相手も長く担当して私の難聴であることを理解してくれているので話し方も分かりやすい。
人工内耳と補聴器ともTモードにして聞くことは多かったが、人工内耳だけで電話の会話が出来たのは初めてでないか。

【感度】
人工内耳の感度を12から19にあげてみるとやや聞こえるみたいだ。

【聞こえ方】
以前は、ピーピーキーキーだった音がキリキリというような音に聞こえる。つまり、少し低い音に聞こえる。前は自分の声が浴室のように反響して聞こえていたが、今は自分の声も相手の声も同じように聞こえる。

080406_1256~001.jpg【味覚】
まだ、舌の真ん中あたりが少し違和感がある。以前のような金属の味はしないが、飴を舐めた後のような甘い味がわずかにする。

【耳鳴り】
人工内耳をしている側も補聴器側も耳鳴りがする。両方ともシーンという耳鳴り。人工内耳を外しても同じように聞こえる。

【装用したままの就寝】
ちょっとハードな夜が続くと、人工内耳をつけたまま寝ている。ちょっと仮眠のつもりが。
テレビの音などを聞きながら、眠りに落ち、目覚めた時から音がする。これは補聴器の時と同じ。
睡眠学習に使えば目覚めたら天才になる!ならないか?


ラビット 記



中途失聴・難聴者の就労・雇用問題と合理的配慮

2008年04月08日 08時25分52秒 | 就労
080406_1450~001.jpg厚生労働省では、第一回「労働・雇用分野における障害者権利条約への在り方に関する研究会」を行った。
これには、聴覚障害者当事者団体は委員に入っていない。
日本の聴覚障害者運動の歴史の中で、知的障害者、精神障害者、視覚障害者団体などとの連携が薄かったか、労働・雇用問題がコミュニケーション支援、教育問題の相対的には後回しになったことが一因かも知れない。

それでも、障害者権利条約の合理的配慮の問題は、聴覚障害者にとっても避けて通れない問題だ。

アメリカでは、雇用・就労における聴覚障害者への合理的配慮について、マニュアルも出来ているが、これらを参照しつつ、日本における「合意」を得なければならない。

以下は、同研究会の資料の1ページ、2ページ、7ページをテキスト化したものだ。原本は以下の通り。

http://www.wam.go.jp/wamappl/bb15GS60.nsf/vAdmPBigcategory50/4623AE7880C0DE604925742100267526?OpenDocument


ラビット 記
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労働・雇用分野における障害者権利条約への対応の在り方に関する研究会(第1回)
議事次第
1 日時 平成20年4月2日(水)10:00~12:00
2 場所 厚生労働省(中央合同庁舎5号館)17階 専用第21会議室
3 議題
(1)労働・雇用分野における障害者権利条約への対応の在り方について
(2)その他
4 資料
資料1 労働・雇用分野における障害者権利条約への対応の在り方に関する研究会開催要綱
資料2 審議会等会合の公開に関する指針
資料3 障害者権利条約をめぐる状況等
資料4-1我が国における「合理的配慮」のあり方について(論点整理)
資料4-2 アメリカにおける「合理的配慮」について
資料4-3 フランスにおける「合理的配慮」について
資料4-4 ドイツにおける「合理的配慮」について
資料5 障害者の権利に関する条約(仮訳)


労働・雇用分野における障害者権利条約への対応の在り方に関する研究会開催委細(案)
1.趣 旨
平成18年1:三月に国連総会において採択された障害者権利条約については、我が国は昨年9月28日に署名したところであり、今後、早期の条約締結に向けた検討を進める必要がある。

労働・雇用分野に関しても、昨年12月19日付けの労働政策審議会意見書「今後の障害者雇用施策の充実強化について」において提言されているように、同条約には「職場における合理的配慮の提供」というこれまで我が国にない概念が盛り込まれていること等を踏まえた上で、障害者雇用促進法制においてどのような措置を講ずべきか
について、考え方の整理を早急に開始する必要がある。

このため、労使、障害者関係団体等の関係者から成る研究会を設け、障害者権利条約の締結に向けた環境整備を図るため、職場における合理的配慮その他の対応の在り方について検討を行うこととする。

2.研究会の運営
(1)研究会は、厚生労働省職業安定局高齢・障害者雇用対策部長が、学識経験者の参集を求め、開催する。
(2)研究会の座長は、参集者の互選により選出する。
(3)研究会の庶務は、厚生労働省職業安定局高齢・障害者雇用対策部障害者雇用対策課において行う。


<今後の障害者雇用施策の充実強化について一障害者の雇用機会の拡大に向けて...
(平成19年12月19日労働政策審議会意見書)>
(6)障害者権利条約の締結に向けた検討
本年9月28日に、「障害者の権利に関する条約」について我が国は署名したところであり、今後、条約の締結に向けて、国内法制の整備等が求められている。

この条約は、障害者の権利及び尊厳を保護・促進するための包括的・総合的な国際条約であり、障害者の自立、非差別、社会への参加等の一般原則のほか、教育、労働等様々な分野において、障害者の権利を保護・促進する規定を設けている。
雇用・労働分野については、公共・民間部門での障害者雇用の促進等のほか、
1
あらゆる形態の雇用に係るすべての事項(募集、採用及び雇用の条件、雇用の継続、昇進並びに安全・健康的な作業条件を含む。)に関する差別の禁止、
2 職場において合理的配慮が提供されることの確保
等のための適当な措置をとることにより障害者の権利の実現を保障・促進することとされている。

これらについて、障害者雇用促進法制においてどのような措置を講ずべきかについては、特に、2の職場における合理的配慮の提供というこれまで我が国にはない概念が盛り込まれており、十分な議論が必要であることから、労使、障害者団体等を含めて、考え方の整理を早急に開始し、必要な環境整備等を図って行くことが適当で
ある。





母親の幸せ 難聴の私 二人の人生は?

2008年04月07日 22時30分05秒 | 生活
080405_1749~001.jpg080211_1121~001.jpg一番館の母を訪ねた。2ヶ月振りだ。

フロアーに着くと同居の人たちとヘルパーさんたちとボール遊びをしていた。
母は満面の笑みでボール遊びに興じていた。しばらく声をかけずに見ていたくらい、こんなに楽しそうな顔を見るのは初めてだった。

認知症の進行は止まらないが毎日を濃密なコミュニケーションがある生活は広い家で一人暮らしをするよりははるかに良いと思う。
幸い父の残した年金で十分暮らせる。子供の金銭的負担はない。これは今の社会では幸せと言えるだろう。

新聞も雑誌も読まず、毎月届く難聴者協会の会報を毎日を端から端まで繰り返し読んで過ごす。
巻頭言を読んでも息子のことを意識しないだろう。

今年カナダのバンクーバーで国際難聴者会議だと言うと、前に行ったことがあると言うのには驚いた。私と会ったことを数時間で忘れるのに。
オーストラリア、オーストリアは覚えているらしい。今度写真を持って行こう。

ラビット 記
人生の最後に子供たちと同居は叶わなかったが




浜崎あゆみさん、ツアースタートおめでとうございます。難聴者としてもスタートを。

2008年04月07日 08時40分40秒 | 生活

sakurayuka.jpg浜崎あゆみさん、アジアツアー初日のコンサート成功おめでとうございます。

あゆみさんの左耳の失聴を聞いたファンはその不安やそれを乗り越えようとする貴女の勇気に胸を打たれ、自分の今を重ねあわせて、多くの励ましを与えてきました。
それはまた自分へのエールにもなっていたのです。

あゆみさんのコンサートに関する報道で気になる部分があります。
貴女の失聴にめげない姿、声援を送るファンとそれに答える貴女。それはそれで良いのですが、左のイヤモニ(イヤーモニター)を付けて声援を聞くそぶりをされたとのこと、聞こえるようになった印象を持たれかねないことです。

もちろん、何らかの治療の結果、補聴機器の装用で聞こえるようになればファンにも発表されていらっしゃるでしょう。
声援を続けてきた1万2千人のファンの前でも、まだ聞こえないことを言えないというのは、「難聴」という障害の深刻な重さを表しています。
聞こえないことを受け入れるのは並大抵のことではありません。しかし、受け入れることで新しい価値感が生まれます。
あゆみさんの歌のように。



ラビット 記
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あゆ号泣「本当にありがとう」 カミングアウト以来初ライブで

サンケイスポーツ(04月06日08時00分)
 1月に自身の会員制サイトで左耳の聴力をほぼ失ったことを告白した歌手、浜崎あゆみ(29)が5日、東京・代々木第一体育館で、デビュー10周年記念のアジアツアーをスタート。衝撃告白後、初のコンサートを行った。約1万2000人の大歓声に迎えられ、ラストは感激のあまり涙で歌えなくなる一幕も。左耳の話題には触
れなかったが、左耳のイヤーモニターを何度もつけ直してみるなどファンに“大丈夫”とアピールした。
http://news.biglobe.ne.jp/entertainment/ssp_080406_8015931250.html

あゆOK 長丁場障害なし…「左耳聞こえない」告白後初ツアー
 アンコールのトーク中に、あゆの左耳が大型モニターに映し出された。自分の声や演奏音を聴くためにつけるイヤーモニターは、この日両耳に装着していたが、左耳のモニターが外れたからだ。

 「いま、一生懸命イヤモニつけてる。イヤモニの(コードの)長さが合わない…。今つきました」。銀色のアクセサリー風モニターを耳にぐいっと再装着すると、何ともなかったかのようにライブを再開。聞こえないという左耳に左手をあて、ファンの声援を求めるポーズまで出した。
http://news.biglobe.ne.jp/entertainment/sph_080406_8472863628.html
ラビット 記




重度難聴者の補聴器免許交付条件の運転マーク案が公表

2008年04月06日 19時34分19秒 | 生活

聴覚障害メ運転マーク案.jpg補聴器等でもクラクションの音が聞こえない聴覚障害者に対して、運転免許が交付されるが、条件として、聴覚障害者が運転していることを表示する標識と、ワイドミラーの装着、講習会の受講が義務付けられた。
このマークの案が警察庁から発表された。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080403-OYT1T00372.htm

このマークに対するパブリックコメントが実施されているが、全難聴も含めて、関係団体のアンケートの意向が反映されたものだ。

ただ、このマークはあくまでも道路交通法における、補聴器でクラクションの音が聞こえない聴覚障害者が車を運転する際に掲げる標識であって、聴覚障害者全体を意味するマークではない。


ラビット 記
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第1回聴覚障害者マークに関する懇談会議事次第(平成19年9月13日(木))資料より。
http://www.npa.go.jp/koutsuu/menkyo17/02_shiryou.pdf

1 現状
10メートルの距離で90デシベルの警音器の音がきこえない
聴覚障害者は、運転免許を受けることができない(第一種免許は補聴器使用可)

2 改正のポイント
(1) ワイドミラーの使用を条件として普通免許を付与できるよう
適性試験の聴力に関する合格基準を見直す予定(道路交通法施行規則第23条の改正)

(2) 聴覚障害者標識を表示した普通自動車に対する幅寄せ等の禁止
(改正後の道路交通法第71条第5号の4関係)
→聴覚障害者標識の表示の義務付け(改正後の道路交通法第71条の6関係)
→聴覚障害者標識の様式を道路交通法施行規則で定める予定

(3) 聴覚障害者に対する普通車講習の充実(道路交通法施行規則第38条)

(4) 平成20年6月19日までに施行

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運転免許に関する国会質疑の傍聴
全難聴から、参議院の内閣委員会で、聴覚障害者の運転免許条件の緩和について、質疑があるので傍聴の呼び掛けがあった。
http://blogs.dion.ne.jp/rabit/archives/5391092.html

聴覚障害者の運転とワイドミラー
道路交通法の改正法案に付いて、参考人の意見を聞く参議院の内閣委員会の審議は委員の質問レベルは非常に低かった。
http://blogs.dion.ne.jp/rabit/archives/5536926.html




難聴者一人の日曜受注当番

2008年04月06日 15時26分46秒 | 就労
080406_1451~001.jpg日曜は受注当番を一人で担当するが、4月から異動の配置により当番が増えた。

今は、本当は補聴器が使えないがイヤモールドを腫れて膨らんだ耳穴に押し込んだ。音が漏れてピーピー言うがしょうがない。

電話が鳴る。
「今日はデータの修正がありますのでよろしくお願いします」。
いつもはないのに困った。何件ありますかと聞くとたくさんあると言う。電話では聞き間違えるので、一応毎回ファックスで変更するデータを送ってもらっているが。
昨夜から受信したファックスを見ていると大変だ、今日は日曜なので普通の配送ルートがないのに引き取りに行かなくてはならない。急きょ携帯メールで物流会社に引き取りを打診し上司にも報告する。
すぐ物流会社からはいつの納品か、通常日曜はないはずだと怒られる。受注した支店も異動のため分かる人がいないらしい。
物流会社の担当がたまたま携帯メールをしてくれる人だから良いが、通常は特に急用は電話の世界だ。

先のデータの修正を急いで行う。確認に手間取って締め切り14時ぎりぎりだ。終わった。

また電話が。さっきのデータ修正の派遣会社の人かと思ったら受注元からだ。しめた。今日の引き取りは難しい、明日にして欲しいと必死で頼み込む。
了解をとって、物流会社にメールすると、もう引き取りを指示してあると間に合えば持ち込みますと返事がきた。「!」が文末にちりばめられている。怒っているのだろうか。お詫びをして製造工場に連絡する。
電話の主は知ってる人か誰か分からないが聞き返せない。聞いて分かれば良いが、聞き取れないと恥をかくだけだ。丁寧に話すしかない。
データは明日引き取りになっていると言っているらしい。もう修正されているのだ。
事情を説明して、とにかく出荷を依頼する。


やっと昼食にする。また急な追加受注のファックスだ。また物流会社にも連絡しないと。
請求書の入力の仕事も17時までに出来るところまで仕上げよう。

もう電話がないだろうと補聴器を外した。夕方になって、物流会社担当からのメールに気がついた。引き取り数量が異常に多いのは何かと。携帯を見ていると本人から電話だ。人工内耳ではよく聞き取れない。要領を得ないでいると切れて、拡声装置の付いた電話にかけ直して来た。あわてて、補聴器を付ける。
当社が運ぶのかと言う。データを確認することにしていったん切ったが、手間取っているうちにまた電話だ。


難聴者には拡声装置付きの電話は不可欠だが、重度難聴者にも聞こえる音量が出る電話機は今はない。難聴者向け機器の通販会社から増幅器を自費で購入して取り付けてある。

合理的配慮。電話リレーサービス。周囲への啓発。うーむ。


ラビット 記
勤務先に咲くチューリップ



保育福祉関係労組新聞に要約筆記問題が

2008年04月04日 23時00分59秒 | 要約筆記事業
080404_2135~001.jpg080404_2156~001.jpg東京都は平成19年度から手話通訳派遣事業から撤退し、全て区市に移行させた。
要約筆記者派遣事業も一部のみ「グループ派遣」の形で都の事業が継続したが、区市に移行された。グループ派遣は、団体を対象にした派遣とは言えない矛盾の多い派遣だ。

その結果、区市の派遣状況が、派遣の対象から内容、通訳レベルが区市ごとにまちまちになり、大きな格差が生じてしまった。

このため、都の通訳派遣事業の復活が重要な課題だと、保育福祉労組関係の新聞の1面トップで取り上げられた。
派遣センターの職員、契約職員は労組に加入をしている。
しかし、派遣される要約筆記者は登録要約筆記者団体はあっても労働条件を守る組織はない。
派遣される要約筆記者は区市の契約事業か有料派遣で派遣されるにせよ、派遣センターに雇用される労働者でもある。

派遣センターの運営委員会では手話通訳も要約筆記の事業もカンカンガクガクの議論をしている。私たちもこの時は、運動体感覚ではなく、法人事業の経営感覚が求められる。


聴覚障害者の権利を守る事業を行う社会福祉法人に働く労働者は、自分たちの権利を守ることと利用者である聴覚障害者の権利を守ることを高いレベルで統一させるため、現場と研修による絶えまない学習が必要だ。要約筆記者が自覚的学習をするようになって行く。


ラビット 記



障害者権利条約の批准国が20カ国に!

2008年04月04日 13時16分20秒 | 権利
080402_1319~002.jpg障害者権利条約の批准国が20カ国になったのではないかという情報を国連のサイトで確認しました。
4月3日のエクアドルで20カ国に到達しています。
この20カ国が批准した30日後に、権利条約が発効することになります。
議定書は10カ国を越えているので、発効していることになっています。

126 signatories to the convention 条約の署名国数
71 signatories to the Optional Protocol 議定書の署名国数
20 ratifications of the Convention 条約の批准国数
13 ratifications of the Protocol 議定書の批准国数
http://www.un.org/disabilities/countries.asp?navid=17&pid=166
  
   批准国     批准日
* Bangladesh - 30 November 2007
* Croatia - 15 August 2007
* Cuba - 6 September 2007
* Ecuador - 3 April 2008
* El Salvador - 14 December 2007
* Gabon - 1 October 2007
* Guinea - 8 February 2008
* Hungary - 20 July 2007
* India - 1 October 2007
* Jamaica - 30 March 2007
* Jordan - 31 March 2008
* Mexico - 17 December 2007
* Namibia - 4 December 2007
* Nicaragua - 7 December 2007
* Panama - 7 August 2007
* Peru - 30 January 2008
* San Marino - 22 February 2008
* South Africa - 30 November 2007
* Spain - 3 December 2007
* Tunisia - 2 April 2008
http://www.un.org/disabilities/default.asp?navid=18&pid=257


ラビット 記




「耳マーク」がマンション販売の受付に。

2008年04月04日 00時29分28秒 | 生活

ィマークプレート.jpg
マンション受付.jpgハーマイオニーさんからのレポートです。

「耳マーク」の使用届はしてあるのかな。


ラビット 記
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ラビット君へ
たまたま立ち寄ったマンションの「モデルルームの受付」です。

受付カウンター正面に、「サービスプレート」が並べて置いてあり、そこに、耳マークの「筆談します」もありました。

もともとは聴覚障害者自身が、「聞こえない・聞こえにくい」ということを周りの人に理解してもらうためのマークでしたが、今では、周りの人間(サービス提供者)が「筆談します」という意味でごく普通に広く使って下さっていることを、とてもうれしく感じました。

(オマケ)
マンション購入の予定はありません。(^_^;)



難聴者~飲むコミュニケーション

2008年04月03日 22時12分29秒 | 生活
080403_1939~001.jpgめったに誘われないが、会社の部長に誘われた課長からメールで呼ばれた。1時間も遅れて行ったのでかなり出来上がっていた。

今右の補聴器は炎症のため付けられない。どうしようとおもったが補聴器のイヤモールドを良く消毒して付けてみた。耳が腫れているから良くはまらない。痛む耳を押さえながら行く。


まあいろいろな話が出る。半分も分からないが終わった後課長が道路で1時間もあれこれ話してくれたので内容がわかった。
他人の評価がもろに出るし、人なりや家族構成、人生観もわかる。

難聴者がコミュニケーションする時、対等に向き合ってくれることが大事だ。コミュニケーション方法はその後の問題だと思う。
相手の部長は実は左側が難聴気味だ。私と話をする時、右耳を傾けてくる。自分でも自覚しているから私に大変興味があるらしい。だから、ニューヨークの話を聞きたいという。「入浴」かと聞くとそうではなく、社内報に載っていた国連の障害者権利条約のロビー活動について知りたがっていたのだ。どういう人がどの位集まって会議をしているのか、私は何をしたのか聞いて来た。


飲む場のコミュニケーションは重要だ。要約筆記は会社負担で派遣されるべきだろう。聴覚障害を持つ人々が「権利」を主張しなくても、普通の理解があって、要約筆記者が普通に同席している飲み会が開かれるようになって欲しい。

言ってはいけないが飲み会の費用は一人あたり派遣単価の数倍だ。

酔った上司が店外の路上で1時間以上も仕事の責任問題を話し続けた。中間管理職の悲哀か。
アルコールは薬の効果を減退させるのか、耳が「痛い」。


ラビット 記




補聴器が使えない! 職場にメール「御礼と御願い」

2008年04月03日 22時07分27秒 | 生活
080403_0810~001.jpg補聴器が使えないとコミュニケーションは確かに不自由している。人工内耳は使い始めて4ヶ月になるが、まだ十分に聞こえない。しかし、職場のみなメールをしようとしてくれたり、口を大きく開けて話してくれたりしている。

聞こえない時はこうしたらどうかということを考えてやってくれるのが嬉しい。


ラビット 記
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おはようございます。
昨日は急な発熱のため早退させて頂きましたが、ご迷惑をおかけしました。

右耳穴の中が化膿して、ばい菌がリンパ腺に入り、全身に回って発熱したということです。抗生物質の投薬を受けていますので今は落ち着きました。

ただそのため右耳に補聴器が付けられず、聞こえるのは左の人工内耳だけです。
人工内耳はまだリハビリ中なので聞こえが完全ではありません。
風呂場の中で聞くようにワァンワァンと反響して聞こえます。

話が通じにくいかもしれませんが、身振りや資料などを指し示して頂くと分かりやすいです。今朝ののキャンセルも予定表を指して
頂いたので分かりました。

日曜日は予定通り出勤します。この日に運賃請求の処理もします。

今日は、時間を見て新人の研修の続きをします。セキュリティ関係。

よろしく御願いします。