難聴者の生活

難聴者の日々の生活から、人工内耳など難聴者のコミュニケーション、聴覚障害者の制度改革について語る。

総合福祉法と難聴者施策

2010年12月26日 11時55分56秒 | 福祉サービス
NHKラジオ講座の「社会福祉セミナー」の「障害者福祉」で、総合福祉部会長の佐藤久夫日本社会事業大学教授がそのテキスト(8−11月号)で、総合福祉法の議論が行われた第3回推進会議の内容を主な改正のポイントを解説している。

第一に、障害の定義は「機能障害」を要件としつつも支援の必要性で定義する合意がほぼ得られたと。
機能障害を要件とすると医師の判断で利用者が決まる「医学モデル」になる懸念があったが、障害者福祉である以上一定の限定が必要という佐藤部会長の考えが示されている。

「障害児」はまず「子ども」であり、親が障害を認定・受容
してからでないとサービスが利用できない仕組みは良くないとのことから「児童福祉法」に戻すべきという意見が主流と紹介している。

第二に、地域社会で生活する権利とそのための支援請求権の明記が必要とされたとある。
入院施設、病院からの地域移行を進めることと24時間介護の保障などが必要としている。

第三に、サービス体系については、障害福祉サービスと地域生活支援事業の区分のあり方を含めて大幅な見直しをすべきとされたと紹介。
さらに、自立支援医療と自治体での医療費公費負担制度を含めて全体として見直すべきで、福祉制度の中で扱うべきではないのではないか、手話通訳などのコミュニケーション支援事業とテレビ、インターネット、政見放送などの情報保障は福祉法に置く時代ではないのではないか、就労の問題も雇用の枠組みに移し、必要な措置(賃金の補填など)によって労働法(最低賃金、労災など)の対象にすべきではないかなどと「障害者福祉の概念」の再検討も示唆されたとある。

第四に、サービスの支給決定に付いては、障害程度区分を廃止して、支援ニーズを専門的に評価する方式が支持されたとある。この過程にケアマネジメント、セルフマネジメント、権利擁護支援を組み込む必要性が合意されましたと紹介。
自立支援法に導入された障害程度区分は、政府担当者のその方式では公平性・客観性が保障されないという不安と介護保険制度への組み込みが狙われていた経緯があったと説明。

第5に、利用料負担の在り方については、応益負担反対で推進会議委員は一致しても、応能負担から無料まで意見は多様で、応能負担と言ってもそもそも負担能力とはなにかと吟味すべきことが多いと指摘されています。

障害福祉計画、自立支援協議会、ケアマネジメント、サービス提供職員の給料・労働条件をどうするかなどいろいろな課題があるとも。

長くテキストの内容を紹介したが、その理由は障害者総合福祉法の法案は23年の国会に提出するとされているので、来年の秋までにまとめないとならず実質的に後1年もない状況で、難聴者の障害者福祉の多くの課題をどこまで出していけるのかという懸念がある。


ラビット 記
※シナモントーストに載ったクリームが絶妙。

地域福祉と要約筆記事業

2010年12月25日 17時37分35秒 | 要約筆記事業
地域福祉の内容と施策を理解することで、新たに要約筆記者養成事業の始まる意味を理解したい。

「なぜ、住民が地域福祉に関わる必要があるのかについては、行政サービスの足りない部分を補うという意味もありますが、もっと積極的には地方自治体とともに自分たちの地域福祉システムを生み出す市民参加の意義もあります。」
(NHKテキスト社会福祉セミナー「地域福祉とは何か」P21、牧里毎治関西学院大学教授)

難聴になった住民が社会参加する一番の身近な場が地域社会だ。というより、地域住民が難聴になっても引き続き地域社会と関わることが必要だ。

権利擁護と通訳の専門性を身に付けた要約筆記者は、地域福祉のネットワークの中に入っていくことが出来る。
高齢者、児童、女性などの福祉が地域で統合的に再編されようとしているが、その共通のキーワードの一つが「権利擁護」だからだ。


ラビット 記
※クリスマスイブはケーキ店の書き入れ時だ。閉店間際の客が行列。

通信教育最後のレポート終了! 放送視聴課題

2010年12月25日 17時37分08秒 | 難聴一般

学園からの通知を読むと未取得単位の「放送視聴課題」のレポートの締め切りが1月10日とある。

あわてて、レポート用紙を探し、15回分のレポートを書き始めた。地デジテレビは録画機能付きだから録画は出来るが見る時間がない。

NHK「社会福祉セミナー」はラジオ第二放送で土曜の朝6:30~6:55と日曜午後0:30~0:55放送されているが内容がテキストに詳しい。

11月は障害者の福祉で、日本社会事業大学の佐藤久夫教授の講義だった。
「障害とは?障害者とは?」、「障害者施策と障害者福祉」、「障害者福祉の現状」、「障害者福祉の近未来像」と4回にわたって講義が行われた。
障害者制度改革総合福祉部会部会長でもあり、国際生活機能分類ICFの専門家でもあるので、とても時宜にかなった内容だった。


ラビット 記

聞こえのバリアフリー:人工内耳装用者による体験的聴能論

2010年12月25日 12時07分51秒 | 人工内耳

人工内耳が医療モデルの視点から話されていたことに対する別のアプローチを試みようとする。


ラビット 記
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東大先端研・バリアフリー・シンポジウムのご案内(第1報)
聞こえのバリアフリー:人工内耳装用者による体験的聴能論

◯主催:東京大学 先端科学技術研究センター バリアフリープロジェクト

◯共催:日本教育オーディオロジー研究会 関東教育オーディオロジー研究協議会 聴覚障害児と共に歩む会トライアングル

◯開催日時:2011 年 2 月6 日(日)午後 1:00– 5:00

◯会場:東京大学 先端科学技術研究センター 4号館2階講堂

◯会場案内:〒153-8904 東京都目黒区駒場4-6-1

http://www.rcast.u-tokyo.ac.jp/ja/maps/index.html

参加者:聴覚障害教育の教師、聴覚障害児を持つ親、耳鼻科医師、 言語聴覚士、人工内耳・補聴器供給者、情報保障支援者、研究者など自由参加(参加費無料)

参加申し込み:氏名、所属(あるいは、親、聴覚障害当事者など)を記入し下記宛てに1月23日までにメールでお知らせください。
●E-mail: onuma_naoki@bfp.rcast.u-tokyo.ac.jp
(onuma_naoki の_はアンダーバーです)

【企画趣旨】:
人工内耳手術後の聞こえの改善効果は、手術やリハビリに関わった医療サイドの医師や言語聴覚士による一定の既定の検査(人工内耳装用時の聴力閾値、語音聴取検査、読話併用効果)など、主に定量的な結果をもとに評価される。

一方、人工内耳装用者は手術後の日常生活の中で聴能の変化や発達について様々な経験を重ねているが、その定性的な様相については関係者に余り把握されてこなかった。

そこで、聴覚障害に関わる研究や社会活動等でも活躍されながら、補聴器から人工内耳の装用に移行した4名の人工内耳装者から、自らの聞こえの分析やエピソードを供覧いただく。

このような当事者による体験的聴能論を踏まえ、人工内耳の効果を左右するものは何か、成人と幼児の違いは何かについて討論する。人工内耳を選択すべきかどうか迷っている親や関係者の判断の一助となることを期待したい。

プログラム:
1:00 p.m. – 1:10 p.m.  主催者挨拶

1:10 p.m. – 1:25 p.m.  企画趣旨説明、演者紹介

1:30 p.m. – 4:20 p.m. パネルディスカッション:
「私の人工内耳と聴能」 司会:大沼直紀(先端研・客員教授)
1)鈴木克美(東海大学・名誉教授)
2)高岡正(全日本難聴者中途失聴者団体連合会・理事長)
3)佐藤紀代子(関東労災病院・言語聴覚士)
4)神田幸彦(萌悠会耳鼻咽喉科 神田E・N・T医院・理事長)

4:20 p.m. – 5:00 p.m.  総括と講演:
「人工内耳の効果を左右するものは何か -成人と幼児の違い-」
加我君孝(東京医療センター・臨床研究 (感覚器)センター・名誉センター長)



東京都23区および26市における聴覚障害のある職員の雇用等に関するアンケート調査(結果)

2010年12月25日 11時50分52秒 | 就労
このアンケート項目に「3.障害者対象採用試験における受験資格としての介護者(介助者)要件の有無」がある。
※「介護者要件」とは、試験を受けるための受験資格の要件の一つで「介護(介助)者なしで職務を遂行できるものに受験資格を与える」というものである。この介護者には手話通訳者なども含まれるとされる場合がある。

手話通訳が介護者とされると、聴覚障害者は雇用されないことになる。
これは、差別条項だ。

ラビット 記
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東京都23区および26市における聴覚障害のある職員の雇用等に関するアンケート調査(結果)
【目 的】                    
近年、聴覚障害者をとりまく雇用環境について様々な問題や悩みが当連盟・当協会に寄せられている。就業したものの、手話通訳・要約筆記などの情 報保障がつかないことで、仕事を覚えたり、スムーズに仕事を進めることが困難であったり、職場内でのコミュニケーションに苦労している聴覚障害者が多い。 この問題は会社員、公務員等に関係なく就業中の多くの会員が抱えていると予想される。特に公務部門の職場環境は民間企業の模範となるべきであり、就業後に 情報保障等の問題があることは大きな課題ととらえている。
(以下、省略)
http://www.deaf.to/activity/ko2.php

聴覚障害者公務員の雇用等に関する実態調査の公表について

2010年12月25日 11時50分37秒 | 就労
今年3月31日に、聴覚障害者の公務員の採用に関して、実態調査を行った。平成19年度の調査だが、内容は現在も変わっていないと思われる。

23区、26市の名称付きで結果の報告がある。
障害者制度改革推進会議の議論に反映して欲しい。


ラビット 記
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聴覚障害者公務員の雇用等に関する実態調査の公表について
平成20年3月31日

社団法人東京都聴覚障害者連盟
理事長 宮本 一郎
特定非営利活動法人東京都中途失聴・難聴者協会
理事長 高岡  正

平成19年に聴覚障害のある職員の雇用等に関するアンケート調査を、社団法人東京都聴覚障害者連盟及び特定非営利活動法人東京都中途失聴・難聴者 協会合同で都内23区26市を対象に実施いたしました。集計結果に遺漏がないよう再度の問い合わせを行ったことや、集計に思いの外時間がかかったこと、公 開範囲を慎重に審議したことなどで公表が遅くなりましたが、ようやく集計結果と分析がまとまりましたので、ここに公表いたします。
(以下、省略)
http://www.deaf.to/activity/ko1.php


シネコンでバリアフリー映画上映会

2010年12月25日 11時34分19秒 | バリアフリー
メリークリスマス。
web-shake字幕をつけ隊から、バリアフリー上映会の案内をもらった。


ラビット 記

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○1. 日本初! 新作一挙バリアフリー上映会○
「映画に行こう!」開催のお知らせ

このたび埼玉県主催の埼玉県障害者アートフェスティバルの一環として、「映画に行こう!」と題したバリアフリー上映会を、わたしどもメディア・アクセス・サポートセンターの運営にて開催いたします。
複数のロードショー邦画作品を一挙同時に字幕・音声ガイドつき、かつ通常スクリーンにて多数回上映いたします。今回のこのような試みは、日本国内では初めて実施されるものです。
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○○○第2回○○○
【日時】2001年1月8日(土)、9日(日)
※上映時間は1月5日(水)に決定いたします。

【場所】ユナイテッド・シネマ浦和

【上映作品】相棒 劇場版Ⅱ(字幕・音声ガイドつき)
Space Battleship ヤマト(字幕・音声ガイドつき)
最後の忠臣蔵(字幕・音声ガイドつき)
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字幕はすべてフィルムに焼き付けとなります(端末配信はございません)。
解説音声はFM送信いたします。
通常のシネコン上映と同じスタイルですので、劇場のチケット窓口でご覧にな
りたいお好きな映画のチケットをお買い求めになり、ご入場ください。

わたしどもは、だれもが分け隔てなく映画を楽しめるような社会を実現する
ための仕組み作りを提案し活動しています。このような催しを大々的に行うこ
とで、映像文化のバリアフリー化の必要性を業界・行政各関係者に理解いただ
くことがもっとも効果的と考え、今回の企画をその仕組み作りへのマイルスト
ーンとして位置づけております。また、すでにマスコミをはじめ多くの人々の
注目が集まっています。現状を前に進めるためにも、ご賛同いただける方は、
ぜひ会場映画館にお越しください。そしてよろしければ、会場でのアンケート
にもご協力くださいませ。

詳細とお申し込みは、以下URLをご確認ください。
「障害者アートフェスティバル」
 http://www.pref.saitama.lg.jp/site/festival/

「映画へ行こう」
 http://npo-masc.org/pg115.html

皆さまのご参加をお待ちしております。

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☆☆☆web-shake字幕をつけ隊! 字幕配信新作案内 2010年12月号☆☆☆
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http://web-shake.jp/01/

字幕をつけ隊!ユーザーの皆さま、こんにちは。
このメールでは、web-shake字幕をつけ隊!にご登録いただいた方全員に、字幕配信活動状況等のご案内をお送りしております。
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ユナイテッドシネマ浦和で終日字幕付き映画上映。

2010年12月24日 02時24分29秒 | バリアフリー
メディア・アクセス・サポート・センターから、日本語字幕付き映画上映会の広報の依頼があった。

歩道の点字ブロックのように、日本語映画に字幕があっても違和感を感じないでみてもらえるように社会の理解を進める必要がある。
障害者制度改革推進会議の障害者基本法改正に対する第二次意見が公表されている。
情報アクセス、文化・スポーツの面でも、国民の理解でもこうした取り組みが必要になる。積極的に継続して欲しい。

本来は、日本語字幕付き映画の上映は情報アクセスの保障としても、国民への啓発としても、映画業界の自主事業として進めなければならない。
なぜか、字幕制作を補助金にするとどの映画に字幕を付けるのか付けないのかと介入が起こらないか懸念する。漫画アニメの表現に東京都が介入しているように。
これは杞憂ではない。実際に日本映画の字幕普及初期に、東映の任侠映画、日活ロマンポルノに字幕を付けることの是非が議論されたのだ。

東京都中途失聴・難聴者協会の「第25回東京都中途失聴・難聴者の集い」が1月16日に、葛飾区のリリオホールで開催される。
字幕付き映画上映会のスケジュールをこの参加者に案内を配布してもらうように実行委員長に依頼してはどうだろう。


ラビット 記
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初めまして。
突然の連絡を失礼いたします。

NPO法人メディア・アクセス・サポートセンターのYと申します。
ツイッターでもフォローさせていただいていています。

また、こちらのブログは気になってたびたび目を通させていただいています。
かねてより視覚障害者の方々とのご縁はあったのですが、難聴者や聾者の方々との直接のご縁はあまりありません。

ところで、このたびはお願いがあってご連絡を差し上げています。
すでにご存じと思いますが、12月と1月にユナイテッド・シネマ浦和にて日本語字幕・音声ガイド付きイベントを実施しています。字幕の焼きついたフィムルムでの上映を行っています。

イベント中、鑑賞後の方々にシールアンケートを行っています。
鑑賞者の多くは、この日が特別なイベントを実施している人は意識せずに鑑賞に来ています。

邦画の日本語字幕に関する出口アンケートによれば、424名の回答中 「あると良い」50.5%、「どちらでも良い」25.9%、「ないほうが良い」23.6%。
という結果です。
お客様の多くが聴者であったにも関わらず、このような結果となったことをうれしく思っておりますが、もっと多くの結果を出し、ニーズを業界各方面に伝えていきたいと思っています。

1月8日(土)、9日(日)にもアンケートを実施します。
多くの方にユナイテッドシネマ浦和での字幕付き上映をお知らせいただきたく、ご協力をお願いします。
上映作品は「SPACE BATTLESHIP ヤマト」「最後の忠臣蔵」「相棒-劇場版?-」終日字幕付きで上映します。
http://goo.gl/L7tr7

よろしくお願い申し上げます。

天皇の難聴 補聴器の装用を!

2010年12月23日 23時17分10秒 | 補聴器
今朝の朝日新聞に、喜寿を迎えた天皇が「耳がやや遠くなり、周囲の人には、私に話をするときには少し大きな声で話してくれるように頼んでいます」と語ったとある。

喜寿なら難聴であっても不思議ではないが、自ら難聴という障害を公表したことの影響は小さくない。
難聴という機能障害が誰にも起こることを示している他天皇が加齢とともに起こること、自ら周囲に対応を求めること、対応を具体的に求めていることが分かる。
難聴者の鏡だ。

まだ補聴器の装用をしていないようだが、ここは早期に補聴器を装用することを勧めたい。
国外の賓客と謁見、パーティの出席、関係者との接見も多いので医師の診察を受けて適切な補聴器の装用が負担を軽減する。

天皇の主治医や周囲のものはなぜ補聴器の装用を勧めないのだろうか。

天皇が補聴器を装用することで国民一般に難聴と補聴器に対する理解が進むことは、クリントン元大統領やレーガン元大統領が補聴器を使っていることが公表されて一気に普及したことからも分かる。


ラビット 記

藤井克徳さんの本、すごい頭脳明晰な人。

2010年12月23日 14時59分43秒 | 日記(つぶやき)
めざす会のニュースに紹介されていた。

藤井克徳さんという人はただ者ではない。
障害者自立支援法廃止の大フォーラムで、政権交代を果たして長妻厚生労働大臣が廃止を言明したときでも、藤井氏はその大フォーラムの各党議員によるシンポジウムで、民主党障害者プロジェクトチームの議員たちの介護保険法への組み込みのあいまいな姿勢に、「私は民主党を信用していない」と叫んでいたのを鮮明に記憶しているが、1年で実際にそのとおりになった。

年末で書店取り寄せは難しい。Amazonでは取り扱っていない。
どこで購入しようかと思ったら、下記のURLは[東京都] きょうされん書店だった。
これはクリックするしかない。


ラビット 記
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◆3◆ BOOK紹介 年末年始のお供に(^_-)

○藤井克徳(きょうされん常務理事)
『見えないけれど観えるもの』 やどかり出版
http://www.tomoichiba.jp/s_tomobook_1450.html

「困難が大きければ大きいほど運動は深く根を下ろす。深い根っこには美しい花が咲く。つながりをさらに強め、各地で多くの人たちと、しっかり腹を据えてがんばろう」。

自立支援法「改正」法案が可決・成立した日、国会前での筆者の訴えです。
雪国の盲学校を卒業した青年は、教師から、きょうされん、日本障害者協議会(JD)、日本障害フォーラム、そして障害者施策の方向を決する「制度改革推進会議」の大きな牽引者です。

本書は、1990年代半ばから自立支援法と対峙する2000年代半ば、社会保障施策をめぐってわが国が、世界が大きくゆれ動いた時期、きょうされんの月刊「TOMO」や新聞各紙掲載のコラムやエッセイを
つぎの8ブロックでまとめたものです。「わが国に生まれた不幸」「小規模作業所は小さな巨人」「障害者を締め出す社会はもろくて弱い」「対角線モデルの牽引者に」「非力な政治のひ弱な福祉」「自立と運動を考える」「交流で見えてくる日本」「背中を押してくれたあの人、あの時」。

そこからは、①当事者ニーズを基本に据え、②自由に主張し、③信頼性・存在感を高めるという藤井運動論がよく学べます。
また、秋元波留夫、調一興、丸山一郎、小倉昌男さんやたくさんの障害者との出会いが「エネルギー不滅の法則」とも。
(「みんなのねがい」より)

○「賃金と社会保障 1527号(2010年12月上旬号) 特集 第二次鈴木訴訟」
一冊丸々第二次鈴木訴訟の特集です。
判決文全文と行政法学者の評釈と裁判で証拠とした行政法学者の意見書、弁護団声明などが掲載されています。
判決文は、かなり難解で、一般向けとは言い難い面はありますし、不満な判示もありますが、支給量訴訟の障害者勝訴確定判決として、全国で是非、ご活用いただければと思います。(藤岡毅さんメールより) 


▽▲▽編集後記
今年最後のめざす会ニュースです(そのハズです)。
この1年、正月から始まり、いやはやジェットコースターのような情勢でした。
新法を実現させるまで、みなさんとしっかり手をつないでがんばりましょう。
では、メリークリスマス! よいお年を(に)!

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障害者自立支援法訴訟の基本合意の完全実現をめざす会メールニュースです。
事務局には syouri_mezasukai@nginet.or.jp  にメールください。

推進会議第二次意見書と今後

2010年12月23日 13時13分24秒 | 障がい者制度改革
障害者推進会議の障害者基本法改正の「第二次意見」は
29回にわたる1年間の議論の到達点だ。

今年6月の閣議決定された「障害者制度改革推進の基本的な方向について」でしめされたスケジュールに沿って検討してきたものだ。

障害者基本法は、障害者差別禁止法、総合福祉法と並んで、障害者権利条約の批准のための法整備の基本になるものだ。

情報アクセス問題に著作権に関する記述がないなど障害者施策の全てを網羅しているとは言えないが、それでも制度改革の重要なポイントだ。

今後の障害者側の取り組みをどうすべきか、JDのセミナーが開かれた。


ラビット 記
※Yパンのチョコレートデコレーションケーキ。生クリームを使っていないバタークリームのケーキ。今年はなぜか人気で販売中止も。
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━━━MEZASU━━━━━━━━━━━
◆障害者自立支援法訴訟の基本合意の完全実現をめざす会◆
ニュース 2010.12.23 第89号(通巻197)http://www.normanet.ne.jp/~ictjd/suit/
━━━━━━━━━━━MEZASU━━━

◆1◆ 障害者制度改革のための第二次意見(最終確定版)が公開されました 。

制度改革推進会議は、12月22日(水)、第二次意見の最終確定版をホームページで公開しました。
障害者基本法改正にむけての重要なまとめとなります。

■障害者制度改革のための第二次意見 [PDF:475KB]
http://www8.cao.go.jp/shougai/suishin/kaikaku/pdf/iken2-1.pdf

■第一次意見など
http://www8.cao.go.jp/shougai/suishin/kaikaku/kaikaku.html#kaigi28


◆2◆ JD緊急政策フォーラム 80名がエネルギッシュに情勢学習

12月22日(水)、日本青年館でJD(日本障害者協議会)政策委員会主催の緊急政策フォーラムが開催され、「第二次意見」の学習と意見交換を行いました。

○「第二次意見を読み解く」として、障がい者制度改革推進会議議長代理の藤井克徳JD常務理事は、
・6月7日にとりまとめた「第一次意見」は総理大臣へ手交され、ロードマップを示す閣議が決定された。障害者基本法は、来年の国会上程、総合福祉法は、12年上程、差別禁止法は13年上程めざすとなった。

・29回会議で、「第二次意見」をまとめたが、順調とはけしていえない。
関係省庁の抵抗はすさまじいものがあった。

・現状と実態をみる視点が違い、権利条約の解釈の違いがある。

・つぎの「ものさし」でみてはどうか
①基本法改正で日本の問題現象は解決するか、
②権利条約の水準なのか
③現行基本法との比較
④総合福祉法、差別禁止法の礎になっているか

・しかし、日本障害フォーラム(JDF)の存在やJDなどの運動の力は大きい。
この問題の全国化、社会化を広く肩を組んでやっていこう!

○「“権利主体”の法体系とは」として、総合福祉部会部会長で日本社会事業大学の佐藤久夫JD政策委員会副委員長は、 
・第二次意見まとめは、「推進会議の認識」と「政府に求める事項」との距離は非常に大きなもので、第一次意見書のそれよりもはるかに大きなもの。

総合福祉部会と厚労省との関わりにも大きく影響する
としながら、現在部会の作業チームで検討している
①法の理念・目的、②障害の範囲、③選択と決定・相談支援プロセス(程度区分、④支援体系:訪問系、⑤日中活動とGH、CH、住まい方 を紹介、

・「ペイアズユーゴー(おまえ行きたきゃ金払え?)」原則と言われるが、財政論を基本とした考え方は部会はとらない。

その後、 「二次意見とりまとめに至る議論で見えたもの」として、推進会議や各部会構成員のJD理事でディスカッションされました。
出席=藤井克徳、佐藤久夫、増田一世(やどかりの里)、
福井典子(てんかん協会)、東川悦子(脳外傷)

(3は次ページに)
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障害者自立支援法訴訟の基本合意の完全実現をめざす会メールニュースです。
事務局には syouri_mezasukai@nginet.or.jp  にメールください。

「障害者制度改革の推進のための第二次意見」が公表

2010年12月22日 20時59分37秒 | 障がい者制度改革

障害者制度改革推進本部が、「障害者制度改革の推進のための第二次意見」を公表した。

■障害者制度改革のための第二次意見 [PDF:475KB]
http://www8.cao.go.jp/shougai/suishin/kaikaku/pdf/iken2-1.pdf
http://www8.cao.go.jp/shougai/suishin/kaikaku/kaikaku.html#kaigi

これは、障害者基本法の改正にあたって、推進会議の問題認識と政府に求める事項に関する意見からなる。

戦後の障害者施策の変遷が記述され、心身障害者対策基本法(1970年)が「国連・障害者の十年」の取り組みを経て、「障害者基本法」と改称され、内容も大幅に改定されたこと、その後の国際的障害者運動の発展を受けて、と障害者の権利条約の採択と日本政府の署名により日本の障害者制度をどう発展させるかが大きな課題になっていることが端的に示されている。

改正障害者基本法の目的、障害の定義、基本的理念が示され、総則、個別施策と問題認識と意見が続いている。

難聴者等から見ると大きな意義が幾つももある。
1.「社会モデル」に基づく障害の定義の転換を打ち出したこと。
谷間の障害者である難聴者の救済に繋がる。

2。情報アクセスとコミュニケーションの保障がクローズアップされたこと。
情報アクセスとコミュニケーションの保障問題が視聴覚障害者だけの問題ではなく、全ての障害者の問題であることが説明され、取り組みの重要性を打ち出した。

3.情報アクセスの問題で国と地方公共団体の責務のあること、その内容を示したこと。
国と地方公共団体はその情報提供のアクセシビリティの確保は当然だが、情報アクセスに関わる事業者にも責任を果たすよう措置することが示されている。

4.手話が言語の中に含まれることを音声言語と非音声言語、コミュニケーションの様々な手段との関係を整理して示したこと。
これは、手話を特別な位置づけとせずに、音声言語と同じ
位置づけにしたもので画期的であり、国民の理解も得やすいだろう。

その他にも意義と課題があるが今度示したい。


ラビット 記
※推進会議第二次意見とイトヨーのラーメン。


情報アクセスにおける「手話」と「手話通訳」【試論】(4)

2010年12月20日 23時41分26秒 | バリアフリー
【結論】
通信と放送の情報アクセスの問題に取り組む際には、情報とコミュニケーションの関係を整理することが必要だ。

その際にろう者がコミュニケーションに手話を用いることと手話が言語であることの問題は分ける必要があると思う。

情報アクセスの問題では、手話が言語であることよりも情報のアクセスに手話が最適と言えばよいのではないか。

ろう者の情報アクセス問題は、ろう者にとっての情報の利用しやすさをもっと研究する必要がある。
例えば、ニュースで音声を別画面で手話通訳が表示したとして、ニュース画面と手話通訳画面を同じ時間で表示することでよいのか。ニュース画面をストップあるいはゆっくり再生する必要はないのか。

本を読む場合、手話で読めるようにすることもアクセシビリティではないのか。


ラビット 記

自宅の映像をネット経由でipadで見る時代に。

2010年12月20日 23時14分24秒 | バリアフリー
なるほど。
自宅で見られるものは家にいなくてもネットに繋がりさえすればどこでも見られるということらしい。
ちゃんとしたアンテナが必要なデジタル放送が見られる。
災害時は自宅のTVのニュースを携帯で見られるということか。

何かアクセシビリティ向上に役立つ使い方は出来ないか。CS通信の「目で聴くテレビ」も、自宅で再生したDVDに同期させたMASCのオンデマンド字幕も見られるのかな。


しかし、携帯端末の電池容量が問題だ。何とか飛躍的に増大させる方法はないか。ポケットカイロの熱は結構持続するがこれを利用できないか。

ラビット 記

=== 「デジタル放送」の Google ニュース アラート ===

イーフロンティア、ネット経由で自宅のテレビが楽しめる! 「Slingbox PRO-HD」
朝日新聞
「SlingboxPRO-HD」は、地上・BS・CSデジタル放送やケーブルテレビ、BDやDVD、HDDレコーダーなど、
自宅で視聴できる映像を、インターネットを通じてPC、iPhone、iPad、Android搭載の携帯電話などで、いつでもどこでも楽しむことができる機器。
例えば、海外で日本の番組を ...
http://www.asahi.com/digital/bcnnews/BCN201012200011.html

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C3シリーズ」も11位にランクインしている。
そのほか、AppleTVについてのコラム「AVTrends」が4位に、iTunesのアップデートやtorneのアップデート、イー ...
http://av.watch.impress.co.jp/docs/rank/best/20101220_415945.html


おっ、松森果林さんの本だ。

2010年12月20日 03時06分03秒 | 日記(つぶやき)

もう寝ようと閉じた朝日新聞の書評欄下に、松森果林さんの名前が見えた。
「誰でも手話リンガル」の広告だった。

聞こえる人も聞こえない人も使えば楽しくなる!
〈雑食系〉手話の本というのがいいね。

この間も、勤務先で委託先の女性が身震いする様をしていたので、それは「寒い」という手話だよって教えてあげたら面白がってやってたし・・・。

WeLOVEパンフと情報・コミュニケーション法の署名の街頭宣伝していた時、協力してくれた小学生に「ありがとう」、「おいしい」という手話を教えてあげた。

手話を教えることがコミュニケーションのきっかけにもなり、聞こえない人に対する関心を持ってもらうきっかけにもなる。

上司は・・・、絶対使わないだろうなあ。


ラビット 記


松本さんは間違いでした。
松森果林さんです。
お詫びして訂正します。すみませんでした。

見出しのタイトル修正はパソコンが直ってからになります。
今修理中で近くの公民館で待機中。

修理完了。MacOSも10.6にアップグレードした。
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