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酔い日は佳い日

日々の食卓、晩酌事情。by こたりん

さらば六条軒

2013-09-28 | 旨かった話
いったい何という9月だ。

長年世話になったラーメン屋「六条軒」が今月末をもって閉店する。店主夫婦は隠居するそうだ。

ピークの頃はしょっちゅう、その後は10日は空けずに通った六条軒。ご近所なのでよく顔を合わせ挨拶を交わした六条軒。5条通にあるのに六条軒。

食べ納めという言葉は切ないが、スープが切れたら閉めるかもとオヤジさんが言っていたので今日顔を出した。ちなみに今日は既に味噌が切れ味噌ラーメンはオーダーストップとなっていた。

やはり最期は、たぶん最も多く食べたであろう醤油野菜。


熱々のラーメン。冬でも夏でも美味しかった。


ちょっと柔めでもちもちな細麺。そして味はあっさりとしていて、それらが飽きのこない理由だったも知れない。当ブログでも何度となく紹介したが、毎日でも食べられるラーメンだった。


先週は味噌野菜。

味噌ラーメンは独特の甘さが病みつきで、そうだな、自分は醤油3回に対し味噌3回という感じで食べていたように思う。
味噌調合の、特に甘味の出し方は秘密だよとオヤジさんは言っていたが、時々○○が納品されるのを多くの人が目撃しており、いわば公然の秘密レシピであった。

ラーメンが旨いのはそれだけじゃない。
電話では愛想が悪いが(笑)いつも腰の低いオヤジさん。いつも小奇麗にしていて、会えば「わさびちゃんは元気か」と声をかけてくれる優しい女将さん、そして控えめだがいつも朗らかな娘さん。そんな家族の空気が温かかった。

そうそう、中華飯やカツカレーも人気だった。
女将さんは、男はたくさん食べるものと完全に思い込んでいるようで、ご飯少なめにしてねといってもいつも多めだった。野菜麺じゃなく普通のラーメンにすると、それじゃ足りないでしょとライスをサービスしてくれた。というか、食欲がないから普通のラーメンにしているのに、強制的にライスが出てきてちょっと困った(笑)。でもご飯と合うラーメンだったので、どちらも残したことは一度もない。

良い店というのはそういうものだ。
自分が世話になって二十余年。きっと忘れないと思う。

川わき、そして六条軒。我がホームグランドの相次ぐ閉店で、さすがに凹む。
両店が提供してくれたのは酒にあらず、ラーメンにあらず。それは心の栄養だった。これからはどこで補給すればよいのだ。


とにかく、あとはご一家のご健康を祈るのみ。



ありがとう「川わき」

2013-09-28 | 酒風景
呑み喰い処「川わき」が、にわかに閉店を決定。今月今夜をもって営業を終えることとなった。

マスターには会話にも付き合ってもらい、料理のコツなども色々と教わっており、これからもお世話になろうと思っていたのだが、まことに残念。
何より、美味しい居酒屋ランチ、夜にふらりと寄れる居酒屋が一軒なくなってしまうのは寂しい限りである。

昨夜、挨拶がてら呑みに行く。

川わきの思い出の味。考えたら冬の湯豆腐(牡蠣やタチが入った物)やキンキ鍋などだが、今は時期はずれ。
なのでこよなく愛した鶏唐揚げげを。


ちょっとしょっぱいのが川わき流。大きいが中までほっこりと熱く美味しい。


天然の舞茸があるからと揚げてくれた天ぷら。

経験豊富なマスターの天ぷらは絶品。時々はカウンターに居座ってお好み天ぷらを楽しませてもらった。


密かにファンが多いマスターの炒飯。自分は米で酒が呑めるので、しばしばこれを宛にしたものだ。

ううむ、食べたりない。
どうせ閉めるなら、できれば一冬越してからにして欲しいが、そうもいかない。
ここは、お世話になりました。今まで楽しかったよと、マスターの引き際を飾ってあげるのみである。


切ない秋の夜。夕べは家に帰ってからはため息しか出なかった。