酔い日は佳い日

日々の食卓、晩酌事情。by こたりん

旬のお裾分け

2013-12-16 | 旨かった話
お世話になっている旭笑長屋の大家さんから、聖護院大根のお漬物を頂いた。
ご自宅で奥方様が丹精のお品。たしか前にも一度いただいたことがあるのだが、大家さんの交友関係では毎年この時期の恒例とのこと。

漬物は酒肴に持って来いには違いないが、そうして食べてしまうと美味しいものだがあっ!という間になくなってしまうので、ここはひとつ漬物に敬意を表して締めの白いご飯とともに味わうこととする。


ううむ、あっという間になくなってしまうのは酒の時もご飯も一緒か。
白飯あれば漬物が旨い。漬物旨ければ飯なおはかどる、のだった。

聖護院大根は言わずと知れた京野菜。京都で採れたもの以外は京野菜とは呼べぬが、品種としても聖護院と呼ぶので、どこで取れても聖護院大根は聖護院大根なんだとか。
と、聖護院を連呼してみたが、普段から食べ慣れている食材でないので、漢字の苦手な自分は頭の中で文字が勝手に入れ替わり、ふと護聖院(ごしょいん)と口走ったりするマヌケぶり。

京野菜というと、NHKなどが季節の風物詩を伝える映像に観る、小さなおばあちゃんが大きな籠を背負って振り売り(訪問販売みたいなもの)をしている姿が印象的。
そうした光景はこちらでもあったが、今では農家さんの産直店舗や道の駅にこちらから買いに行く時代に取って代わった。「買わされる」のを嫌がり「自由に選びたい」のが現代の購買意識だろうが、京都の振り売りは違う。買い物は知った人から、決めた人から、という京都ならではの人情とかこだわりの現れと思う。

少し前にも書いたが、食べ物が美味しい理由は様々。「ウ~ンさすが何々産」とか「無添加だから」とかグルメさんや安全信仰はあえて否定しないが、いつものおばあちゃんが持ってくる大根だから美味しい、あの人が作ったから美味しい。そんなのがあってもいい。これを本当の「人情味」という。

聖護院の漬物は旭川に限る。

(目黒のサンマか?)