HIBARIピアノ教室レッスン日記♪

ピアノのレッスン日記、その他ヒバリ先生が見聞きした音楽関係・芸術関係etcの日記。

ポリフォニーは難しいけど魅力的♪

2017年03月14日 | レッスン日記(小中高生)
K子さん(大人):
「バロック名曲集」を次々と練習しています。
指や手のテクニックのため、「ハノン」を併用していますが、その効果が出てきているのか、最近以前よりもピアノの音がよく出るようになってきました。
音がよく出るのは、フォームが良くなったり、脱力が自然にできたりしてきている証拠です。
いいことだ。

さて、バロックの曲ですが、今日は前回と同じ「ベーム氏のメヌエット」です。
仕上げの段階なんですが、メロディーの節目、というか フレーズのつなぎ目、のところが、いまいちしっくりした感じになりません。
バッハの音楽がポリフォニー(多声部)音楽ということがネックなんですね。
たとえば、右手のフレーズが区切りにきた時に ちょっと「息継ぎ」をして次のフレーズに備えれば、余裕をもってメロディーを歌わせられるのですが、バッハの曲の場合 その時は左手がフレーズを歌わせている真っ最中、というケースがほとんどです。
右手と左手の「息つぎ」のタイミングが一緒じゃない。
なので、左手を一生懸命弾いていて右手のフレーズや「息つぎ」のタイミングを忘れていると、次のフレーズに入るときに間があいてしまったり、音が固く、ぎこちない響きになってしまったりするのです。

「ほら、右手はここで終わってるけど、左手はこういう風にフレーズが続いてる」とヒバリが楽譜を示すと、K子さんは
「あら、本当だ・・・左手のフレーズのこと、全然きがついてなかった!」と驚いた様子でした。
バロック曲は、右手と左手のタイミングが一緒じゃないことが多いから、よーく気をつけないとフレーズのタイミングを取れなくなるから気をつけて、とアドバイスすると、K子さんは言いました。
「私がバロック音楽が好き、っていうのも、そういう『掛け合い』の面白さが好きなんだと思うのに、自分で弾くと、すっかり忘れて楽譜に追われてしまってるのかも。・・・バロックは難しいです」
ホントに。
バロック、複音楽は難しい。
でも、だからこそ、K子さんも その音楽に惹かれているんでしょうね。
焦らず、ゆっくりと多声部音楽の魅力を味わっていきましょう。

Nちゃんいい「音楽人」になってきたね ♪

2017年03月11日 | コード奏法
Nちゃん ( 小6 ) :
「卒業」をキーワードにした選曲で、「思い出がいっぱい」と「夢で逢えたら」のアレンジ演奏をやっています。
コードもリズムも よくキャッチしてくれるので、先生もつい 「ここはブロックコードにして!」「ここからリズムをかえてみよう」など、次々とバージョンアップを要求してしまいます。
今日は 楽譜通りだと普通のDmコードのところ、7thを加えてDm7、そして更に9度の音が加わった「Dm9」まで使うように。
右手のブロックコードでメロディーを弾くので、コードのどの転回形で弾くのか、自分で転回を選んで使い分けていかなければなりません。
すごーくアタマを使いますが、Nちゃんは根気強く、1つ1つコードを考えて弾いていきます。
先週決めたアレンジも、細部まで高い完成度で弾き込んであり、Nちゃん本当によく弾いているなー、と感じます。
ママのお話では、最近 テレビやご飯もほっといてピアノ弾きに行っちゃうほど、本当にずーっと弾いてたりするそうで。
ギターも自分でやり始めて、本を見て一人で練習してるらしい… ママより押さえるの上手とか。
もうすぐ中学生になるNちゃん、こんなに音楽が好きになり、頼もしい「音楽人」に育ってきてくれてるなー、と嬉しく思っています。

金曜シスターズ復活!

2017年03月10日 | レッスン日記(小中高生)
暮れから数ヶ月の間 お休みしていたMちゃん ( 小6 ) が、今日から復帰。
毎年 発表会で連弾コンビを組み、レッスンでもいつも一緒だったSちゃん ( 中1 ) と、久しぶりに顔を合わせました。
お互いの顔を見たとたん、二人とも嬉しさ爆発!みたいに声を出して笑いました。
前にSちゃんが「私たちって、木曜日だけの姉妹みたい! ( その頃は木曜日に来ていたので ) 木曜シスターズ!」と言っていた、そのシスターズ復活です。木曜あらため金曜シスターズ。
先に来ていたMちゃんがレッスンを終わり、Sちゃんのレッスンが始まりましたが、Mちゃんは帰ろうとしません。
本棚から本を出して読んだり、Sちゃんの弾いてるピアノや楽譜をのぞきこんだりしながら、久しぶりの教室時間を楽しんでるといった様子です。
Mちゃん、レッスンを休んでいる間もピアノを忘れてなく、2週間後の卒業式では 卒業生全員の合唱「青い龍」の伴奏をするんだそうで、今日はそのレッスンをしました。
一人でよくしっかり練習できたな、さすがだなーと思います。
レッスンを交代したSちゃんも、「期末試験の間、ずーっとピアノに没頭してました(笑)」という通り、「タランテラ」先週とは天地の差ほどの大迫力で完成されていました。
いつの間にかヒバリ教室の最上級生たちとなっている二人。
少しレッスンを離れたり、忙しくて練習時間が少なかったりしても、やっぱり流石に実力もやる気もあるんだなー、と改めて感じました。
ふと、ピアノの上にあった「バーナムミニブック」を見つけた二人、
「いいなー、私たちの時には紫色のなんかなかったよ」
「うわー、簡単だ。いいなー」
と盛り上がっています。
そう、SちゃんMちゃんの時は、この次のオレンジ色からしかやらなかったからね…
二人が「ルーレットの代わりにこれ弾きたい〜」と言うので、
「いいよ。その代わり簡単なんだから全曲弾くんだよ。それもできるだけ速く、間違えずに!」
こうやってすぐ遊んでしまう先生なので、いそいそストップウォッチを用意しました。
すったもんだの末、Mちゃんから先に弾くことになりました。
「いい?いくよ。せーの〜…せっ」
でスタート!
「バーナム」は グループ1からグループ5まで、それぞれに12曲ずつ入っているので、全曲では12×5=60曲です。
簡単な曲とはいえ初見で弾くので、思わずミスタッチしたり読み違えたり、右手と左手を間違えたりの珍プレー続出。
しかも、お互いになるべく速く弾いて 相手よりタイムを縮めようと焦るので、ますますゲームは白熱し、まるでバラエティ番組の罰ゲームみたいな騒ぎです。
測定の結果… Mちゃん7分13秒、Sちゃん5分59秒で60曲を弾き終わり、Sちゃんがかろうじて 年上の面目を保ちました。
「\(^o^)/やったー やったー」と喜ぶSちゃん。
「だって後から弾いたんだから得じゃん」とクレームをつけるMちゃん。
そうこうしながら、仲良く二人一緒に帰っていきました。多分50メートルぐらい一緒に行ったんだろう…
なんだかんだで、良きライバル。いいことだ。


Lちゃんバーナムデビュー

2017年03月09日 | レッスン日記(小中高生)
Lちゃん ( 小1 ) :
先週、新しくバーナムの「ミニブック」をもらいました。
「新しい『バーナム』、さっそくやってみようね。」
先週、簡単にやった 1番「あるこう」と2番「ホッピングしよう」の復習をしてみます。
それぞれの曲についている挿し絵は、どれも「棒人形」で 丸い頭に棒のような手足、三角の胴体がついているだけです。
合格になった曲のお人形は、お顔描いてあげたり、お洋服に色を塗ってあげたりしていいよ、と言っておいたので、今日のLちゃんの本は、1番と2番のお人形、洋服に可愛く色が塗ってありました。
顔も描いてあって、「あるこう」の子はニコニコ笑顔、「ホッピングしよう」の子は とってもがんばってる顔です。
今日は その2曲を復習して、次の3. 右手でまりをつこう、 4. 左手でまりをつこう、5. ころがろう、6.両腕の運動、まで4曲も先へ進めました。
来週、またお人形たちが可愛くなっているかなあ。

曲集の方はどう、と言ったら、先週 難しいけどがんばって弾いた「うれしいひなまつり」を、Lちゃんはもっともっとがんばって練習していて、すごく早く滑らかに弾いてくれて、こんなに難しいのに上手に弾けていて びっくりしました。
あんまりきれいに弾けているので、先生も一緒に弾きたくなり「録音しよう」と言って 連弾を録音してしまいました。
そのほかに何かは?と聞くと「これなら弾ける」とLちゃんが開いたのは「おめでとうクリスマス」、そして「あわてんぼうのサンタクロース」です。
季節が合ってないけど 別にいいよね? !と言って 伴奏をつけながら一緒に弾いてみたら、なんかクリスマスの頃を思い出して、けっこういいよね、というイメージになりました、
もう1曲「10人のインディアン」、これはヘ長調なのですが、右手・左手 それぞれやってみて、次は両手で、ということに。
毎週少しずつ難しい課題が出て来ていますが、着実に学習していけているLちゃんです。
楽しい曲のレパートリーを増やしながら、テクニックもつけていきたいとおもっています。、

Aちゃん「ビリーブ」録音しました ♪

2017年03月09日 | レッスン日記(小中高生)
Aちゃん ( 小3 ) :
ピンポ〜ン ♪ とチャイムが鳴ったのに、ドアを開けたら 立っているのはAちゃんのママだけです。
「あれ?Aちゃーん、いないよ〜?」
どこかに隠れてるな?と思ってぐるっと見渡したら、いましたいました。
玄関ポーチを上がって来てるのはママだけ。Aちゃんはまだポーチの下にいて、体は段々の向こうにすっかり隠れ、わずかに頭と顔の上半分だけがのぞいています。
「難しくて弾けなかったから入りたくないと言って…」とママが説明してくれました。
「なーんだ。じゃ一緒にやろ!どうせそんな上手だと期待してないから大丈夫だよ!」と言って、なんとかAちゃんを誘いこみ、ママは「じゃ、後でね!」と帰って行きました。
レッスン室に入って「何がそんなに弾けないの?先週、『ビリーブ』上手に弾いてたじゃない」と聞くと「バーナムが…」と言います。
「なーんだ、バーナムか」
「『ビリーブ』は練習したんだけど…」
「それそれ。ビリーブやろう、ビリーブ!」
Aちゃんの気持ちが引き立ってくるのを確かめながら、一緒に「ビリーブ」を弾きました。
Aちゃんがメロディー、先生が伴奏です。
譜面台に広げた楽譜のページが元に戻ってふさがってしまわないよう、Aちゃんは 手でしっかり折りグセをつけました。
「私、ここふさがらないように、何回もギューッてやってた!」
「そうなんだ。いっぱい練習したんだね」
指番号もちゃんと気をつけ、きれいに弾けたので録音してみました。
再生して聴いてみます。
「なんか音がつながってない」
Aちゃんは言うのです。
「そう?きれいに弾けてるよ?」
「でも、録音すると緊張しちゃうから、音が切れちゃう」
これはAちゃん独自の表現で、緊張してタッチが浅くなって音の響きが充分でない、ということを「切れちゃう」という言葉で表現してるようです。
「そんなに『上手に弾こう』と緊張しなくていいよ。いつもと同じに、うるさく弾いていいよ」
Aちゃんは「あははー」と笑って、少しずつ緊張がほぐれて来ているようです。
「じゃ、もう一度録音してみようか。さっきのと、どっちがいいか」
「あ〜、緊張する〜」と言いながら弾き始めたAちゃんですが、1節、2節と弾き進めるにつれて 表情が変わっていきました。
何もかも忘れて 曲に引き込まれていく様子が伝わって来ます。
最後まで弾き終わって、「うまく弾けたね!」と言うと「今のが一番うまく弾けた」とホッとした様子です。
「今日は、この『ビリーブ』だけでおしまいだ。…ところでバーナムって、何が難しかったの?」
さりげなく聞いてみると、「これ…」とオズオズ指差したのは「なわとび」という課題です。
6度の重音による連続打鍵で、慣れれば結構みんなが好きな課題なのです。
「なーんだ、こんなのかー。簡単だよ。これはね…」と、ちょっとしたコツを教え 2〜3回やってみると、もうすっかり覚えて弾けるように。
「ねっ、簡単でしょ。お家でもやってみてね」
「はーい!あっ、ここ、『アヒルのように歩こう』だって」
すっかり元気になったAちゃんは、次のページの おもしろい挿し絵を指差して言いました。
「そうだ、いいこと考えた。ここに羽根を描けば…ほらっ、ほんとにアヒルみたいになるよ」
そうして、挿し絵の棒人形に羽根を描き加えました。
「ほんとだ!じゃあ…ほらっ、どう?」
先生も一緒になって、くちばしを描き、ついでに色エンピツで黄色に塗ります。
「あっ、オレンジ、オレンジ!」
Aちゃんは 棒人形の足と手をオレンジ色に。
「うわー、アヒルだね〜♪\(^o^)/」
二人で大喜び。
完成の絵がコレです。

来た時とは打って変わって、すっかり元気になってニコニコしながら、Aちゃんはお迎えに来たママと帰って行きました。
まだ9歳のAちゃんだけど、心の中は 見かけよりも大人っぽく 高い理想や自分との葛藤などの豊かな感情を持っているのだと感じます。
彼女が成長するにつれ、この資質がきっと良いものとして花開いていくのだろうな、と楽しみに思っています。

Cちゃん「いとまきまき」8分音符

2017年03月07日 | レッスン日記(幼児)
Cちゃん(年中)
「よいこのピアノ3」で、8分音符の読み・弾きが課題となっています。
先週 カスタネットでリズムの読みとリズム打ちをした「10人のインディアン」、今日はピアノで弾きました。
ひーとり、ふーたり、さんにん、いるよ、という歌に合わせ、ドードド、ドードド、ミーソソ、ミミド、と 正確に8分音符を混ぜながら弾いていきます。
知っている歌なので、ヤマカンでも弾けちゃうかなと思ったのですが、Cちゃんは真剣に楽譜を見ながら打鍵していて、ちゃんと8分音符を読み、理解できていることが確認できます。
「インディアン」ができて、つぎは「くつやのこびと」です。
これも8分音符の練習課題です。
いーとー、まきまき の部分が8分音符になっているので、ピアノで弾くのも指のコントロールが必要となりますが、歌いながらカスタネットでたたくのも、なかなかスリリングで面白いです。
「でーきた、できた、こびとさんのおくつ!」と大きな声で歌ったあとに、Cちゃんが言いました。
「これ、2番もあるんだよ。『こびとさんのマフラー』っていうんだよ」
「へー、そうなんだ?」
「3番もあるんだよ。『こびとさんの...』そのあとはなんだ?」
いきなりのクイズです。
「うーん・・・『てぶくろ』!」
「あたり!」
ひょー、まさか当たってたとは。
じゃ、それを全部続けて歌おうよ、ということになり、先生は歌、Cちゃんはそれに加えてカスタネットの「まきまき」連打も兼任で 大盛り上がりです。
Cちゃん 手も指も、ずいぶん強く、そして器用に操れるようになったなーと思います。
もうすぐ、力強い年長組さん!

緑のバーナム弾いてみた♪

2017年03月07日 | レッスン日記(小中高生)
Hちゃん(小3):
先週、新しい緑のバーナムをもらって、今日は「グループ1」からスタートです。
1番「目がさめた のびをしよう」では、目覚まし時計の音を16分音符で、そのあとの「のび」のところは8分音符の音階スケールで表現しています。
Hちゃん、16分音符のトリルをやってみたら意外と上手にできて、自分でも気に入ったようです。
8分音符のスケールの方がゆっくりなんですから弾きやすいはずですが、それよりもスリルのあるトリルの方がお気に入りらしい。
そこで、8分音符音階も含め、できるだけ早いテンポで弾けるように練習してきてみてごらん、という宿題にしました。
また、その次の「歯をみがこう」も16分音符トリルの連続、しかも両手です。
両手ユニゾン(そろえて同じに弾くこと)は、左右の手が お互いにつられてしまったり、転んでしまったりと 正確に弾くのはかなり難しいし、なにしろ16分音符なので譜面の見た目も「真っ黒」という印象。
ひと目見て「うわー」と思いがちですが、Hちゃんは「ちょっとやってみる!」と言って弾いてみています。
たいていの子なら「宿題にする」と言って とりあえずその場をやり過ごす、という反応が普通かも、と思うんですが、Hちゃんは前向きに取り組む精神があって、エライなーと思いました。

緑のバーナムが済んで、つぎはルーレットで弾く曲を決める「ランダム弾き」です。
今まではピンクのバーナムがメインで オレンジを「ランダム」のために使っていたけど、今日からはメインが緑へと進んだので、今までメインだったピンクのバーナムが「ランダム弾き」になるのです。
ルーレットで番号を選んだら、8番。
グループ1の8、グループ2の8、と弾いていくと、前にこのピンクのバーナムをメインとして弾いていたころには 指が届かなくて到底弾けなかった「オクターブの音を押さえながら保持する」みたいな課題が、今日弾いてみたらギリギリ届くようになってる!
すごい!さすがもうすぐ4年生だ。
これから、指も大きく広がるようになり、力もついてくると思うと楽しみです。

新しいお友だちS子ちゃん♪

2017年03月07日 | レッスン日記(小中高生)
今日から、S子ちゃん(小3)が 新しくヒバリ教室の仲間になりました!
先月、Hちゃんのレッスンを見学しに来て、3月からレッスンに来ることに決めました。
S子ちゃんは 前にもピアノを習っていたので、持っている「ぴあのどりーむ5の中から「ようせいのワルツ」を弾いて聞かせてくれました。
初めてのレッスンで少し緊張したかもしれないけど、きれいな柔らかい音で弾いてくれたし、
ところどころ伴奏があいまい(?)になりそうでも、自分で補って合いそうなコードで弾いちゃってるところもあったりで、なかなかいいなあと思いました。
「ぴあのどりーむ」があと1曲だけで終わるので、来週、それを仕上げようということにしました。
それと、ヒバリ教室のみんなが使っている「バーナム」も並行してやっていこうと思い、オレンジのバーナムをあげました。
S子ちゃんには簡単だと思うオレンジだけど、これからいろんな使い方ができるので、ぜひやってみてね。

今日は ヒバリ教室初めてのレッスンなので、簡単に演奏を聴かせてもらったり、連弾遊びをしたりして終わりました。
先月 見学に来た時にちょっと顔を合わせたCちゃん(5才)が、付せんに「Sこちゃん」と書き、カレンダーの今日のところに貼って大歓迎でお迎えしたS子ちゃんの入会でした。
これから、教室のみんなとも顔を合わせたり、一緒に演奏したりする機会もあると思います。
楽しく、仲良くピアノやっていきましょう。

16分音符・32分音符の譜割りに苦労

2017年03月07日 | 音符・楽譜・テクニック
Hさん(大人):
バッハの平均律、2番のプレリュードが ついに最後まで到達しました。
絶え間なく上昇する音列を経てクライマックスのプレスト、そして風格を示すかのような堂々としたアダージォ、最後はアレグロで 充分音を響かせて終わる、これぞバッハ!というすばらしい曲です。
最後まで音が確認できたので、あとはゆっくりと弾き込んでまとめに入ります。

さて、バッハはめどがつきましたが、もう1曲やっているベートーヴェンの「選帝侯ソナタ」。
これの第二楽章、こちらも最後まで到達したのですが。
第二楽章の典型である「緩徐(かんじょ)楽章」で テンポはゆったりなのですが、譜割りが細かいのが苦労のタネです。
「わたくしリズムがダメですから」とHさんが公言しているように、部分部分はなんとか弾けるのですが、曲全体を通したときにテンポが一定しないのが困りもの。
すごく早い四分音符があったり、小節が何倍にも広がってしまうようなゆっくりした16分音符があったり、というのは日常茶飯事のHさん・・・
今回のこの曲は、四分音符・8分音符はもちろんのこと、16分音符のパッセージ・32分音符のパッセージまでいっぱい出てきて、しかもそれぞれが延々と続いてる。
これらの音符のバランスをどう取るか。
8分音符は4分音符の2倍の速さ。
16分音符はその2倍の速さ。
32分音符は さらにその2倍の速さ。
頭では分かっています。分かっていますとも。
ただ、それを正しく弾けるか、というのは、また別問題なのでね・・・(;^_^A

チェルニーで 複数パートを弾き分ける。

2017年03月05日 | 音符・楽譜・テクニック
Tさん(大人):
テクニック練習のため「チェルニー30番」をやっていて、本日は7番です。
右手は弾むようなスタッカートのメロディ、そして左手は いわゆる「アルベルディ・バス(ドソミソ ドソミソという音型)」の速いテンポで 同時に「フィンガーペダル」併用、というスタイルの伴奏です。
「フィンガーペダル」は、ドソミソの最初の音を保持する弾き方ですが、このことによってバスの音に旋律が生まれ、結果 1.右手のメロディー 2.左手上部の小刻みな伴奏3.左手低音によるバス の3つのパートが成立します。
この3つのパートをそれぞれ独立したものとして聞き分け かつ弾き分けると、曲が奥行のあるものになります。

Tさんは熱心によく練習していて、右手・左手それぞれの役割や音量の配分、タッチなども理解しているのですが、右手と左手を別々に弾くとできることでも、両手を合わせると難しくなってしまいます。
Tさんによると「右手と左手が真逆のことをやらないといけないので、全部のパートに気を配って弾くのが困難です。右手と左手を別々に操れない」ということのようです。

克服する方法としては、まずはそれぞれのパートを別々に、ゆっくりのテンポで納得いくまで練習します。
そして、自分で「これなら」というぐらいに弾けている それぞれのパートを録音して聞いてみましょう。
次には、2つまたは3つ(全部ですね)のパートを組み合わせて同時に弾いてみます。
これも録音してみましょう。
1パートごとに単独で弾いたときと、同じに弾けているでしょうか?
どこかのパートだけ、音が必要以上に強く出ているかもしれません。
どこかのパートのフレージングや アタック・リリースが 単独で弾いた時のようにできずおざなりになっているかもしれません。
目の前の楽譜を間違えないように弾くことに夢中になってしまうと、自分の弾いている音が聞こえなくなってしまうものですが、今は 簡単に録音や録画する方法があるのですから、それらをうまく利用しましょう。
また、曲の全部 あるいは半分まで とか弾くのは大変なら、1フレーズずつ、丁寧に練習してみましょう。
そして、出来たフレーズ、出来たフレーズをひとつひとつ、つないでいくのです。
いろんな工夫、いろんな方法を組み合わせて、納得のいく音が弾けるように練習しましょう。

Tさんのお好みは、オーケストラ音楽のようなスケールの大きい、奥行きのあるハーモニーを持った曲だそうです。時代で言えば ロマン派とか近代音楽でしょうか。
そういう音楽を弾くためには、2本の手・10本の指だけで複数のパートを弾き分けるテクニックが必須です。
オーケストラなんて20パートとかあるんだから、まずはチェルニーの3パート、なんとかマスターしようよね!

題名のない音楽会・「楽譜にあるものだけを演奏しないでください」

2017年03月05日 | TV・映画・ステージなど
上記タイトルは、実は番組の最後に表示された「今日の格言」なんです。
本日の番組タイトルは「歴代の指揮者を語る音楽家たち」で、今、日本で活躍中の三人の指揮者の方の出演により、指揮者としての苦労や 歴代の有名指揮者について語ってもらうという内容でした。
いろいろ興味深いお話を聞けましたが、その中で私が特に興味を引かれたのは、本題ではなくほぼ雑談と言える中での一コマでした。
出演者の一人・指揮者の藤岡幸夫さんがたまたま言っていたこと・・・
それはベートーヴェンの「第九」の楽譜のことです。
「第九」のオーケストラスコア(オーケストラ全体の楽譜)、第1楽章の中で、どうしても腑に落ちない部分がある、というのです。
トランペットとティンパニのリズムが揃っていない。
前後の他の小節は、すべてトランペットとティンパニが同じリズムで演奏するようになっているのに、この1小節だけが違う。どうにも納得がいかないので、楽譜を無視してティンパニにそろえて演奏しているが、たまにトランペットのリズムを楽譜通りに演奏しているのも聴いたりするので、どうするのが正しいのか・・・といったようなお話です。
私はさっそく、手持ちの「第九」スコアを出して来て、問題の箇所を見てみました。
ココです。

なるほど、トランペット(上段)とティンパニ(下段)のリズムが違っています。

ベートーヴェンの「第九」スコアに関しては、以前に岩城宏之氏(日本の指揮者・1932~2006)の著書でも同じような「?」の指摘があったのを思い出し、同じ箇所のことだったかな!と思って 岩城氏の著書「楽譜の風景」を調べてみました。
すると、同じ「第九」ですが、岩城氏の指摘箇所は別のところでした。
「第4楽章の330小節、オーケストラ全員がフォルティシモで盛り上げているときに、ティンパニだけがディミニュエンド→ ピアノになっている謎」。
スコアを見てみると、確かに。

岩城氏の著書では、どうにも腑に落ちないので東ベルリンの国立図書館に行き、ベートーヴェンの手書き原稿の写真版を出してもらい、よーく調べたところ、問題の箇所にディミニュエンドやピアノは書き込まれていなかった。次に、初めて発行された楽譜を見たところ、そこにはディミニュエンド・ピアノが印刷されていた、というのです。
岩城氏の推察では、写真で見てもベートーヴェンの手書き原稿は記号などがなかなか判読できないくらい乱暴なナグり書きなので、最初に楽譜を発行した出版社が間違って写譜し印刷したのだろう、そしてそれが200年以上たった現代でもそのまま引き継がれているのだろう、ということでした。
岩城氏は、それ以前にもシューベルトの「未完成交響曲」のスコアで アクセント記号>とディミニュエンド記号の写譜間違いを解明しています。

岩城氏の指摘、私も多分そうに違いないと思うのです。
昔は、楽譜の伝達はすべて写譜屋による手書きがすべてだったので、見間違いや写し間違いが、そのまま伝えられていったというのは大いにあり得ることです。
それに何しろ、ベートーヴェンの手書きがキタナいというのは定評のあることです。
有名な「エリーゼのために」のエリーゼだって、ベートーヴェンのキタナい文字から判読して「多分こうだろう」と思われてるだけで、実はエリーゼじゃなくテレーゼだった、とか、エリザベートというソプラノ歌手だった、とかいろんな説があるんですから。
「エリーゼ」も「第九」も、ベートーヴェンさんさえきちんときれいに書いておいてくれたら、今になって私たちが混乱しないですんだのに。

だから、本日の日記のタイトルは、本日番組の「タイトル」じゃなく「格言」の「楽譜にあるものだけを演奏しないでください」としました。
前出の岩城氏も 著書の中でこう言っています。
「将来自分が大作曲家になるという確信を持つ人は、後世の人間を悩ませないために、誤解のないよう、きちっときれいに書いて欲しいものだ」って。

3月のアレンジは「思い出がいっぱい」

2017年03月04日 | レッスン日記(小中高生)
Nちゃん ( 小6 ) :
コードネーム付きの1段譜 ( 伴奏パートがなくメロディーのみの楽譜 ) 曲集を使って、自分で伴奏やアレンジをして弾く練習をしています。
実はNちゃん、「おばあちゃんの影響」とのことで、昭和ポップスが大好きなんです。
だから使っている曲集も、昭和時代のJポップやフォークソングを集めたものです。
小学校の卒業式が間近に迫った今月・三月は、曲集の中から卒業に関連した2曲を選びました。
「思い出がいっぱい」、そして「夢で逢えたら」です。
先週この2曲を選び、今日はNちゃん 自分でひと通り伴奏も付けて弾いてきています。
どちらの曲も、メロディーはいい感じのノリで弾けていますし、「思い出がいっぱい」の方など 譜面に書いていないコードも自分で加えて 滑らかな流れを出していたり、サビに入る部分ではリズムを変化させたりと、ごく自然にポピュラーっぽいアレンジが出来ているので、感心しました。
いつの間にか、自分の力だけでこれだけのアレンジができるようになっていたんだ…
Nちゃん、たいしたもんだね。
一方、「夢で逢えたら」の方は、冒頭からサビで始まる変則的な構成になっています。
この サビの部分が、この曲のメインといった大事な部分で、オリジナルではコーラスで歌われています。
そこで、右手はいきなりブロックコードで始めることにしました。全体のリズムはボサノヴァ的な軽いタッチにして、A-B-C などの区切りごとにリズムも決めました。
これで仕上げてみて、ということでレッスンを終わりましたが、小学生が終わろうとしている今、Nちゃんがなかなかのポピュラーピアニストになってくれて、コードやアレンジの用語などもサッ!と受け止めてくれるまでに成長してくれたことを嬉しく思っています。

Lちゃん「ひなまつり」とバーナム

2017年03月02日 | レッスン日記(小中高生)
Lちゃん ( 小1 ) :
先週ひと通り音取りをした「てをたたきましょう」を仕上げてくる宿題でした。
Lちゃんはしっかりした子なので、譜読みも指使いも きちんと飲み込んでくれていて危なげがありません。
小1なのに。
だけど、メロディーの音域が広いため 何度かポジション移動をする必要があり、うっかりしていると移動のタイミングを逃してミスタッチになってしまいます。
「ほら、ここと、ここと、ここで、手の場所が変わるでしょ。その前にあるお休み ( 四分休符 ) が大事。そのお休みの所できちんと手を上げて、その時に場所を変えるの」と説明しました。
両手合わせて弾いてみましたが、Lちゃんは今聞いた「休符のタイミング」を一生懸命とらえて ポジション移動を間違えないようにがんばりました。よしっ。
他にも歌を弾いたあと、本をパラパラ見ていたら「うれしいひなまつり」の曲がありました。
そういえば、明日は3月3日のひなまつり。
「せっかくだからこれ弾こうよ」と提案し、すごく難しいけど 楽譜や先生の手本を見ながら、とってもがんばって ひなまつりの歌を最後まで弾きました。
無理させちゃったけど、Lちゃんならできると思ってさ…
明日のひなまつりの日に 弾けるといいな。
おうちでも弾いてみてね。

今日はLちゃん、新しい本ももらいましたよ。
「バーナム・ミニブック」。
小学生の先輩たちがみんな使っててだいすきな「バーナム」シリーズの一番初めの本です。
Lちゃんの好きな、むらさき色の表紙。
きっとおもしろいよ。
がんばろうね。

おもちゃのチャチャチャとビリーブ

2017年03月02日 | レッスン日記(小中高生)
Aちゃん ( 小3 ) :
インフルエンザが治ってやっと学校やピアノに復帰したと思ったら、またもや流行の胃腸炎に罹って、お休みしてしまいました。
今日ピアノに来て、本当に久しぶりに顔を見た感じです。
「『おもちゃのチャチャチャ』やってきたけど、あんまり自信ない」と言いながら弾いた右手は、とっても歯切れよく、指番号やポジションにも気をつけて弾けています。
さっそく先生も一緒に即興の連弾で加わり、2人で4番まで続けざまに弾きました。
…といっても、メロディーは4回とも同じだけどね。
4コーラスひいて、フィニッシュは最後の部分をくり返し、「チャッ、チャッ、チャ〜 ♪」と華々しく盛り上げて終わりです。
「やったね〜」と先生。
「右手疲れた〜」とAちゃん。
左手は 前回にも完璧に弾けていたので、両手合わせてAちゃんだけで弾いて出来上がりです。
「もうマルだよ。でも、もし、来週もーっとうまく弾いてみよう、と思うんなら練習してきてみて。もっとすごくうまくなってたら、この二重マルを花マルにしてあげるから」と提案してみました。
「うん!」と言ったAちゃん、さて来週どうするかな。

今日はもう1つの課題、「ビリーブ」の右手も弾きました。
へ長調なので、シ♭の音が度々出てくるのですが、その時他の指との段差が大きくなり、手がねじれたようになって弾きにくいのです。
「シ♭を使うときは、最初からその位置に手を用意しておくといいよ。白い鍵盤から黒鍵に上るんじゃなく、初めから黒鍵を基準にして、奥の方に手を置いておくと簡単に弾けるから」とアドバイスし、すんなり黒鍵混じりのメロディーが弾けるようになりました。
「ビリーブ」は右手だけで完了にする約束だったので、先生が連弾で合わせてみたら、なかなか素敵にできたので「来週、録音してみようか」ということにしました。
「えーっ、それじゃ間違えないように練習してこなきゃ!」
「そうだよ。間違ったら ヘンな音が入っちゃうし、『あっ、間違えた!』とかの声も入っちゃうよ」
「あははー」
ということで、本日は終わりです。
さて、来週どうなるか。

Hさん 「わたくしの練習時間は」

2017年03月01日 | レッスン日記(小中高生)
Hさん(大人):
先週「1段だけ先に進めましょう。その次の段の『プレスト(急速なテンポで)』にはまだ入らないし、ドラマチックに盛り上がりますから」と進めていた「バッハ・平均律クラヴィーア曲集」2番のプレリュード。
今日は、なんとこの曲の一番の難所、先週の続きの「プレスト」の部分までやってありました!!!
すごい、すごいです!
もうここまで来たら、あともう少しだから弾いてしまいましょうよ、と誘って、「え~っ、ムリですよ~」と言いながらも、Hさんは曲の最後、堂々としたパイプオルガン風のエンディングまで弾き切りました。
いけますねー!
でも、まあいきなり半ページ分も新しい部分を練習してくるのは大変でしょうから、来週までの宿題は「プレスト」まででいいですよ、ということに。

Hさんのピアノの音色が、以前に比べるとよく響くようになり、タッチもよくなっていると思ったのでそうお伝えすると、
「でもわたくし、いつも弱音ペダルをセットしたままなんです」というお返事です。
「あら、せっかくきれいな音が出てるのに、もったいない」
「いえいえ。そうじゃないとご近所に聞こえちゃうでしょ、つっかえつっかえのピアノが」
「上手になったときだけ、弱音なしで弾けば?!」
「ダメですよ~」
と 絶対シャイなHさんなんです。
「わたくしの練習時間はね」
とHさんは教えてくれました。
「ご近所の皆さんがお仕事に出かけてたり、いろいろ忙しくしてそうな 午前中9時から11時くらいの間ね。」
「なるほど」
「それと、夜は9時から10時くらいの間。」
「その時間なら皆さんテレビをつけてるだろうから、ピアノの音が目立たないだろうってことで?」
「そうですそうです。でも、『相棒』と『カラオケバトル』と『〇〇〇〇』←(聞いたけど何だか忘れてしまいました)の時間以外でね!」
「その時間は自分もTV見てるから、ピアノは弾けないと。」
「そ~うです」
「なかなか、練習時間にも策略をこらしてますねえ」
そして二人で「アハハハ」と笑ったのでした。