王様の耳はロバの耳

横浜在住の偏屈爺が世の出来事、時折の事件、日々の話、読書や映画等に感想をもらし心の憂さを晴らす場所です

畠山鈴香 無期懲役

2008-03-20 07:58:16 | 社会
土下座し「お子さん奪った」=畠山被告、判決に表情変えず-顔覆う遺族・秋田地裁(時事通信) - goo ニュース

昨日19日 秋田地裁で連続児童殺害事件の犯人「畠山鈴香」に無期懲役の判決が下りました。
2006年春には大騒ぎしていたわけですから割と早い審判でしたね。
鈴香は豪憲君の両親に土下座して謝罪したそうですが、何とも虚しいですね。
爺は市井の人間ですから「無期懲役」との判決と若干の解説を聞いて関係者が「鈴香が心神耗弱とか人格乖離」と言うような「精神の内面」の話に持ち込まず問題を処理したのは良かったのではないかと思いました。
この感想が浮かんだのは今審判中の「渋谷セレブ妻の夫バラバラ殺人」の事があり、「精神鑑定をめぐって」なんて素人には判りかねる展開にならなくて済んだからだと思いますよ。

次に「なんで死刑でなく無期懲役なのか?」との思いでした。
爺も沢山書きました「鈴香による娘彩香ちゃんの養育ネグレクト」に纏わる可哀想な話。「近隣の米山剛憲君との交流と殺害」被害者一家の感情を考えると何ともやりきれない思いが又こみ上げてきます。

これまでも光市母子殺人事件の時も問題になっていますが日本の「無期懲役は実際には有期懲役であり真面目に勤め上げれば20年?ほどで社会復帰ができる」辺りに一般人が違和感を覚える所でないかと思うのです。

せめて「終身刑(一生刑務所から出られない)」「懲役30年、40年(その間刑務所から出られない)」等、戦後司法行政に任されていた犯罪と刑罰の相場(死刑の相場)、宣告と収監の相場(例えば懲役10年は真面目にやれば5-6年で出所可能)の乖離を是正しなければいけません。
これからは一般人も裁判に参加するそうですから迷いの幅を狭めるのは司法の側の仕事でしよう。控訴審に注目ですね。

さて「渋谷セレブ妻バラバラ殺人」の様に「犯人に心神耗弱や精神に異常がある場合、その罪を問えないのか?どうか?」
又ロサンゼルス銃撃殺人事件で日本で無罪の確定した三浦氏にアメリカの刑事訴追が成り立つのか? 
明治以降日本で有効な「欧米ではとか先進国では」とかではなく、日本の、日本人による倫理とそれに基づく法体系を再度構築しなければならない。
「お定め書100か条」と「ドイツ刑法典」のコラボでは解決できない問題が多発している。
片手で抱えるほどの六法全書と山の様な判例集を積み上げても犯罪は防げない。
これを糾すのも本来は政治の仕事である。


時事通信:
「被告人を無期懲役に処する」。秋田地裁で開かれた連続児童殺害事件の判決公判。畠山鈴香被告(35)は、藤井俊郎裁判長の主文言い渡しの言葉にも表情を変えることはなかったが、閉廷直前、法廷で土下座し遺族に謝罪した。死刑判決を求めてきた米山豪憲君=当時(7)=の父は険しい表情のまま。母は涙をこらえていた。

 午前10時すぎ。法廷に現れた畠山被告は、これまでの公判と同じ白のブラウスに黒のジャケット、同色のズボン姿。背中まで伸びた髪を無造作に束ね、表情は青白い。「畠山鈴香です」。弱々しく立ち上がると、裁判長の人定質問に消え入るような声で答え、主文言い渡しにも表情を変えることはなかった。

 初公判から傍聴を続けてきた豪憲君の父勝弘さん(41)と母真智子さん(41)は、この日も遺影を手に特別傍聴席に。2人は主文言い渡しに一瞬表情をこわばらせ、その後、真智子さんはハンカチで顔を覆い、勝弘さんはぼうぜんとした表情で裁判長を見詰めた。

 「一言いいですか。米山さんにお伝えしたい」。裁判長が閉廷間際に再度主文を告げると、立っていた畠山被告は傍聴席を振り向き、勝弘さんらを見詰めた。静かに履いていたサンダルを脱ぎ、ひざを床に突くと、「大事なお子さんを奪ってしまい、申し訳ありませんでした」と泣きながら謝罪した。勝弘さんは表情を変えることなく、真智子さんは目を閉じて涙をこらえていた。(引用終わり) 
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日銀総裁 空白 白川氏が総裁代行

2008-03-20 06:30:45 | 政治

いやはや民主党がマジで与党の日銀総裁案を蹴ってしまいましたね。
19日の参議院で与党が2度目の総裁候補として提示した田波氏は否決、副総裁候補の西村氏は同意となりました。(衆院は勿論与党案可決)
その後の持ち回り閣議で白川、西村氏の副総裁就任を20日付で決め、日銀は白川氏を総裁代行に決めたそうです。
昨日夜のTVニュースで「午後7時頃退任の会見をする福井総裁」の映像を見ました。
日銀の様な極上官庁であれば3時頃には引継ぎを済ませ3時半頃には花束贈呈をされて引き上げるのがお決まりと思ったのですが、残業されたようですね。
さて参議院で野党が過半数を握っている現実が有るのに武藤氏に続き大蔵次官経験者の田波氏を総裁候補として挙げてきた事には政府・与党にどんな思惑があったのでしょうね?
爺が思うのは福田総理は結果はどうあれ財務官僚団の強い圧力に抗し切れず「財務官なら即否決でない、経済学者、財界人など」の選択肢も有ったであろうにそれを選ばなかったか選べなかったのでしょう。
昭和20年日本が米英中ソ相手の戦争に敗れ、天皇は政治の場から身を引かれ、軍部と財閥は解体。ところで天皇の股肱(手足)であった官僚機構は米軍の占領政策に有効な事がわかり温存されました。忠誠を誓う対象が無くなり組織の存続だけが目的の官僚機構の撒き散らす腐敗の臭いが「社保庁の年金管理、厚労省の薬害問題、揮発油税の無駄遣い、護衛艦の暴走等など」枚挙に暇がありません。
日銀総裁選びにも昔陸軍、今大蔵(財務)で日本の政治を壟断しているそのひとコマが見えます。
日銀総裁がそんなに大事なら(まあ爺だって大事とは思いますが)ノーパンしゃぶしゃぶで名を挙げた福井や武藤でなく、或いは財務次官経験者の上がりポストにしないで最低10才、出来れば15歳位は若い人材を抜擢して初めて「サブプライム等難問が山積する」難局に対処できる頭脳と体力の均衡が取れた人物といえます。
田波、武藤氏が65歳±とすればせめて50歳代前半の日銀総裁を選出しなければ話になりません。
帝国陸海軍が英米に宣戦布告した際、将官の人事は平時のまま卒業年次と在学中の成績順のままでした。二日連続の会議に知力は当然ですが体力さえ続かず居眠りする大将がいました。米軍は戦争に備えロートルは予備役入り、若い将官にActing(代行)の肩書きを付け大いに腕を奮わせその結果で信賞必罰の人事を行いました。日米軍事力の差は単に物量の差では有りませんでした。
福田内閣と与党そして財務官僚団は帝国陸海軍の悪しき年功序列、成績順の発想を超える事が出来ません。
参議院野党が財務官僚の解体まで視野に入れて反対をしているなら、当面「日銀総裁は代行で十分」ですよ。
総裁なら「サブプライムに端を発した米国経済の混乱を回避出来て」代行では「回避できない」という問題ではありません。
肩書きに関係なく来月のG7に呼ばれて「日本の金利引下げ」とか「ドル防衛のための協調介入(円売り)」なんて馬鹿な話は受けないで帰ってきてくれれば十分です。
引き続き注目しましょう。

時事通信:
19日に任期が切れた福井俊彦日銀総裁の後任が決まらず、トップが空席となる戦後初の異常事態が現実となった。参院は同日の本会議で、田波耕治国際協力銀行総裁を福井氏の後任に起用する政府案を民主党などの反対多数で否決。副総裁候補の西村清彦日銀審議委員は衆参両院の同意を得た。政府は、既に同意を得た元日銀理事の白川方明京大教授と西村氏の2人を、20日付で副総裁に任命することを閣議決定。これを受けて日銀は白川氏を当面の総裁代行とすることを決めた。

 低所得者向け高金利型(サブプライム)住宅ローン問題の深刻化による米経済の悪化など、日銀の新体制の前には難題が山積。福井総裁は19日夜の退任記者会見で、後継総裁の不在について「歴史的にも極めて異例で残念だ」と強調した。
(引用終わり) 
コメント (2)
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