王様の耳はロバの耳

横浜在住の偏屈爺が世の出来事、時折の事件、日々の話、読書や映画等に感想をもらし心の憂さを晴らす場所です

新銀行東京 追加出資決定

2008-03-29 08:41:54 | 政治
新銀行東京への出資、正式決定=記名投票で採決-都議会(時事通信) - goo ニュース

経営悪化が明るみに出た新銀行東京に東京都が400億円の追加融資をするのかどうか、都議会で議論されてきましたが28日の本会議で追加融資がきまりました。

浜っ子の爺は東京都の懐に余り関心がありません。しかしかなり内容の悪い企業に追加融資をするのかしないのか地方議会の知能レベルを知るには良い例だと思って見ていました。
当初は与党の中にも融資反対の議員がいたようですね。26日には予算委員会で付帯決議が付けられ(その事を以って与党の)反対議員を説得したようです。
本会議での採決は記名式で 賛成67票 反対55票 で賛成多数で融資は承認されました。

さて付帯決議とは何であったのでしょう?
その1:2度と追加出資をしない。
まあこの文言は判ります。今回限り、次のおねだりはありませんよ---との意でしょう。

でも今400億円の融資前でさえ新銀行東京を清算すると1000億円ほど金が掛かると都側は説明しています。今後時間が経過して整理にもっと金が掛かるとしたらどう言い訳するのでしょう?
石原都知事(新知事かも知れませんが)曰く:あの時はあの時の状況で判断した。
今3度目の融資を絶ったら2000億円の清算費用が掛かる---なんて釈明しそうな気がします。

東京都は大株主と言うか事実上のオーナーですから400億円で立ち直らなければ
新銀行東京は清算する旨の文言でないと付帯決議の意味はありません。

さて決議その2は:400億円を棄損しない----だそうです。この棄損なる単語は新語でしょうかね? 名誉毀損の毀損は辞書にありますが棄損はありません。ここ10数年金融機関の放漫経営の解説の中で使われ出した経済用語でしょうか?
字面から判断すると「盗人に追い銭しない」とか「どぶに金を捨てるような事はしない」なーんて思うのです。
でも経営の実務は新銀行東京が行うのですから「そんな事を決議して何になるのでしょう?」経営陣から「個人保証を取る」とか賛成した議員は(今回は記名投票だそうです)「破綻した場合は給与の10分の1を5年間返納」とか「都の幹部は退職金返納」とか内容のあるものでないと意味がありません。

さてその3です:同行への支援・監視組織を設置する---そうです。してもしなくても累損のでた根っ子と関係の無い枝葉の話です。

要するに意味のある決議はその1だけですが、3度目の融資に応じなければ「今清算するより多額の清算費用が掛かる」道理ですから「その際は清算を断行する」と決議するのが意味ある決議です。

それが出来ないのは「決議その1」は付帯やら条件ではなくて新銀行東京の債権問題の「本質」だからです。
この程度の付帯決議で目を眩まされる与党議員の知的レベルが案じられます。
もっとも党議に反すれば公認をもらえない縛りがあるのでしょう。地方議会でも
政党が個々の議員の自由な投票行為を拘束しています。まあここに民意と議会の意見の乖離がでる仕掛けが存在しているのは国政と同じです。
話は戻って、今結論の出せる問題の本質(銀行の清算)に触れず、条件に見せたのは問題の先送りに過ぎません。 まさに官僚的発想です。

もう1年経つと新銀行東京の経営状況が明らかになります。
その時都議会の与党の主張が正しいか? 爺の指摘が的を射たかわかると思います。
浜っ子はもうしばらく静観ですね。


時事通信:
東京都議会は28日の本会議で、経営難に陥っている新銀行東京に対する400億円の追加出資を盛りこんだ都の2008年度補正予算案を自民、公明両党の賛成多数で可決した。これにより、根強い批判を残したまま巨額の税金投入が正式に決まった。追加出資で同行が再生できるのか、今後の焦点は再建策の実行に移る。

 採決は、議長提案により記名投票で行われた。出席議員は122人で、賛成67、反対55だった。自民、公明から反対は出なかったが、自民の2議員が「体調不良」を理由に本会議を欠席した。

 与党の自民は「否決した場合の影響が大きい」と判断。当初、事業清算の道を探った公明も、都民負担を最小限に抑えるには「追加出資しかない」として、賛成に回った。 (引用終わり)
コメント (4)
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