10月1日付けの Daily NK ジャパン 誌の報道を偶然4日朝読みました。
何と「韓国の国内で“独島”が韓国の領土であるとの証拠は何もない」と書いてある本が(韓国で)目下ベストセラーだとの報道です!!
参考記事をもう少し細かく読みますと『反日種族主義』と題する本の一部は、「独島問題」について、韓国における定説を覆す主張を展開しているとの事。
この本は別途「植民地時代に土地やコメの収奪はない」「従軍慰安婦として強制連行はなかった」等も主張し韓国一般市民を驚愕させている様ですが、その2つは議論が広範に渡りますので「独島“日本で問題にするには竹島”」についてのみ感じた事を書いてみます。
独島/竹島はこんなところにあります。(首相官邸HPのコピペです)
そして竹島の様子です。日比谷公園ほどの広さとか。(これはネットから)
さて本題に戻り「親日或いは知日韓国人は社会的に抹殺される」という現在の韓国の中で良くこの著者とされる李栄薫(イ・ヨンフン)元ソウル大学教授ら6人の勇気に感動しました。
少なくとも韓国市民が知らない「日本政府の主張を韓国内で取り上げ公表したのですから」しかもズーとはとも角、週間?或いは月刊ベストセラーの中に入ったとは「知りたくないけどとか怖い物見たさ」の瞬間的な人気かもしれません。それでも大変な勇気だともう一度感心しておきます。
さて文政権の対日政策に反発していろいろ論争が起きています。
特に7月以降の韓国の「ホワイト国除外」からは顕著です。
偶然ですが先月図書館から「竹島」をキーワードにして読んでいる本の中に
保坂祐二著「独島・竹島の日韓史」が有りました
同氏は日本人だったようですが2003年に韓国に帰化しています。日系韓国人という訳ですね。結構長い事韓国の大学他で勉強されて2013年には韓国政府から紅條勤政勲章を授与されています。
さて中身を読み進めていくうちに彼の「主張」は韓国政府の独島・竹島に関する主張と同一なのに気づきました。
日本はなんと心広やかな国で「反対国の主張」を立派な著書にして世に出すのを認めたものだ!と感心しました(2016年7月初版です)。
同時にこれだけの事をするには彼個人では出版費を考えても大変な事で多分韓国のしっかり踏まえて組織が後援したのだろうと思った次第。汗 >
話は「反日種族主義」に戻って「竹島は日本領」との主張が日本国のそれと変わらないとすれば「韓国でよくも本にして市民に知らしめてくれた」点で大いに感謝しますが、さてそれで「日韓の溝」は埋まるでしょうか? まあ「他の領土紛争は解決してもこの解決策は最後までない」と著者も見通ししています。
この点は立派なものです!
図書館からは次に池内 敏氏著{2016年1月発行)「竹島ーもうひとつの日韓関係史」を読みました。現在名古屋大学大学院文化研究科教授で専攻は近世日韓史他 これは保坂祐二氏の立場とは異なり「日韓の竹島・独島に関する政府の主張を史料に基づいてのみ厳格に有効か無効かを判断してゆきます」
従って、日韓の主張で重なり合う部分もあり異なる部分もあるわけです。もし日韓両国が「政治的見解を排して考えれば少なくとも問題点は何か」が1-2点に絞られる様です。しかしそれは賢者の多くが指摘している様に韓国は「歴史的問題」と捉え日本は「領土問題」と捉えているから相互了解が難しいのです。
よくよく読むと大変興味深い事実が「史料に基づき指摘されています」
浜爺の目下の判断は「1905年国際法上の領有宣言をして認められたという事実」で日本は勝ち、韓国は「戦後のドサクサに紛れ実効支配しているという事実」で勝ち 1勝1敗 で戦後の長い日韓交渉の過程でも「問題は解決していない」との点で「了解し合った」のに近時やたらと韓国側の主張が目立ちます。
熾火の状態で「将来の英知に解決をゆだねよう」とこれも一つの策だったかと思いますが「火に油を注いでいる」のは韓国かなーと思う次第。
もう一つ思うのは日本は「国際司法裁判所(ICJ)」に訴えてこの問題を解決する気の様ですが「日韓人以外の判事?」が英語でこの問題を論じるときどう判断するか? 場合によっては「韓国の勝ち」とでも出た時に「記者が白い紙か布に“不当判決!”と書いて走り出てくるのか?」「静かにICJの判決がそうなら従う!」とにっこり笑って積年の問題の解決を喜ぶか微妙です。
微妙な問題には「真実が解決されていない恐れがあります」
最後に韓国の6名の学者さんが「迫害を受け無い様、秘かに気遣い申し上げます」
時に応じて議論を見守りたいと思います。
写真:小生ハングルが読めませんが 1 と書いた棚の本だと思います
Daily NK ジャパン:
韓国外務省のイ・サンリョル・アジア太平洋局長代理は9月27日、日本政府が同日の閣議で了承した2019年版の防衛白書は日本の周辺国の軍事動向を説明する部分で、前年版と同じく「わが国固有の領土である北方領土や竹島の領土問題が依然として未解決のまま存在する」と記したことを受け、在韓日本大使館の実生泰介公使(総括公使代理)を呼び抗議した。
「不快でも仕方ない」
また、韓国国防省も同様に、在韓日本大使館の武官を呼んで抗議している。
韓国において「独島(竹島)問題」は、他の歴史問題と同じく非常に敏感なイシューだ。他の歴史問題については「もう過去のことだから」という見方も出来るが、領土問題は現在進行形であるだけに、いっそう難しいとも言える。
もっとも、韓国は島を実効支配しているのだから、日本からの抗議に「聞こえないふり」を決め込む方が得策ではないかとも思えるが、韓国国民としては、「また日本に国を取られる」との恐怖感があるのかもしれない。
そんな敏感な問題にもかかわらず、韓国のベストセラー書籍『反日種族主義』は、「独島問題」について、韓国における定説を覆す主張を展開している。
李栄薫(イ・ヨンフン)元ソウル大学教授ら6人の研究者が執筆した同書は植民地統治下の朝鮮半島で「日本による土地やコメの収奪はなかった」「従軍慰安婦の強制連行はなかった」などと主張し、韓国で物議を醸している。
同書に書かれている「独島問題」に対する見解の詳細は、おそらく日本では数多く論じられてきた内容であると思われるため省略するが、李栄薫氏の次の記述は韓国国民にとっては衝撃的だろう。
「今日、韓国政府が独島問題を国際司法裁判所に持ち込もうという日本政府の主張を受け入れられない境遇にあることは、皆がよく知る事実です。率直に言って、韓国政府が、独島が歴史的にその固有の領土であることを証明するために、国際社会に提示できる証拠はひとつも存在しないのが実情です。読者の皆さんは不快に思うかも知れませんが、国際司法裁判所の公平な法官たちは、そのように判断するはずです。私はひとりの知識人として、その点を指摘せずにはいられません」
もちろん、同書に対しては韓国国内で様々な反論が出ており、これがかならずしも日韓の歴史の「決定版」とは言えない。ただ、「独島問題」が同国内で論争になったこと自体、これが初めてだろう。
しかしだからと言って、韓国世論がこの問題で日本の見方に歩み寄ることはないだろう。今後、ほかの歴史問題が解決することがあるのかないのかもわからないが、仮に解決していくにしても、「独島問題」は最後の最後まで残り続けるように思える。(引用終わり)