白砂青松の浜に、ほっかほかの湯あり「白良湯」白浜温泉
~以前、温泉博士に掲載された私の記事より~
年に二回は訪れる和歌山県の白浜温泉。
白良浜に面した「白良湯」は、周囲を松の木が囲む趣きある木造建築の共同湯だ。
浴室は二階にある。浴室からは、まばゆばかりに真っ白な白良浜が一望できる。真っ青な太平洋や青空とのコントラストは、息を飲むほど美しい。
駐車場は小さくて、平日の昼間以外は、なかなか空いてない。白良湯の隣りには、ファミリーマートがある。
玄関入ってすぐの一階は、待合い所を兼ねた休憩室で、クエ(和歌山特産の魚)の大きな魚拓が天井から掛けてある。
入浴の受付は、階段を昇った二階突き当りにある。
源泉は高温なので加水されているが、浴槽から溢れた湯はザアザアと洗い場に掛け流されている。かすかに白灰色に濁った強塩泉で、二酸化炭素を含むため、ライオンの口をした湯口の近くに浸かると、肌にぷちぷちと気泡が弾け、爽快感のある湯ざわりだ。味はしょっぱいが、よく温まり夜はぐっすりと眠れる。
夕方の時間帯に行くと、地元の人が多い。
2歳~3歳くらいの幼児が洗い場で、母親に体を洗ってもらっていた。母親は幼児の好きな歌を次々と歌い、気をそらせながら髪の毛を洗ってやっていた。幼児は、好きな歌に乗せられて超ご機嫌。歓声を上げ笑顔もかわいい。それが、いざ入浴になると、母親が、浴槽から手招きして呼んでも「にゃんにゃん」と面白い声と動作をし浴槽周りを、にこにこ歩きまわるだけで、いっこうに入浴しない。熱めの湯が苦手なのか?猫を真似たような愛嬌のある動作と声で、母親の気を引き、入浴をはぐらかしている。なかなかの知能犯だ。その後も洗い場で続く幼児の「にゃんにゃん」踊り。
急に、地元の老婆が「それ、それ」と浴槽の湯を洗面器ですくい、踊っている幼児の後ろから「ちょろちょろ」と小さなおしりに湯をかけはじめた。このふいの襲撃に、幼児は驚き、あっと言う間に浴槽の近くまで追い込まれた。なおも続く執拗な老婆の「後ろからお湯ちょろちょろ攻勢」をかわすため、思わず湯船にドボンと入った。
そして、湯船の入り口の階段に腰を下ろして、静かに静かに湯に浸かってる。一瞬にして引っ込んだ幼児の「にゃんにゃん」。この入浴劇に、浴槽のみんなは思わず笑った。
そして、男湯から出てきた夫が「女湯で、ずっと「にゃんにゃん」言っとたろう」と話しかけてきた。これには、再び可笑しさがこみあげてきた。幼児の「にゃんにゃん」は、隣りの男湯にも聞こえていたようだ。
・・・・・2010年の入湯・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
★「白良湯」 白浜温泉 共同浴場 温泉データー★
(住所) 和歌山県西牟婁郡白浜町白良浜
(tel)0739-43-2614(白良湯)
0739-43-5511(白浜温泉観光協会)
(入浴時間) 午前7時~午後11時
(休館日) 無休(火曜は12:00より)
(入浴料) 大人300円中人130円小人70円
(泉質) Na-塩化物泉
(源泉の温度) 67.3℃、PH6.73
(効能)リウマチ、創傷 神経痛、胃腸病
(駐車場) 5台~7台程度
円月島(白浜)・・共同湯「松の湯」の近くからよく見える。夕日の時刻には絶景ポイント。
長らく行っていない白浜・・懐かしい共同湯たち・・
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