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新幹線トラブル原因は「制御装置HD故障」

2008-09-30 22:22:12 | 鉄道・公共交通/安全問題
<新幹線トラブル>制御装置HDが故障 JR東日本調査(毎日新聞)

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 信号系統の故障で28日、東北新幹線などのダイヤが乱れたトラブルで、東京新幹線車両センター(東京都北区)に設置された「デジタルATC」(自動列車制御装置)のハードディスクの故障が原因だった可能性が高いことが、JR東日本の調査で分かった。

 JR東日本によると、デジタルATCは、列車同士の間隔や勾配(こうばい)、カーブなどの線路の状況を、デジタル信号で列車に伝え、各列車の速度を制御する装置。通信系統に故障が発生しても、予備系統が自動的にバックアップする仕組みになっているが、今回は機能しなかった。

 これまでの調査で、本系統のコンピューターソフトに異常がないことなどから、ハードディスク機器に異常があった可能性が高い。一方、予備系統が作動しなかったのは、予備系統のソフトにプログラムミスなどの異常があった可能性が高く、複合的にトラブルが起きたとみられる。

 デジタル方式の制御システムは新幹線全線のほか、山手線や京浜東北線など首都圏にも導入されている。【斎藤正利】
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私の職場でも、愛知・岡崎への出張に東北新幹線を使おうとして、このトラブルに巻き込まれた同僚がいた。彼は結局、在来線で東京まで行ったという。

デジタル式ATCについては、JR東日本のサイトに解説があるが、これまでのアナログATCが、減速→惰行→減速→惰行を階段状に繰り返しながらガクンガクンと停止していくため、乗り心地が悪かったのに対し、デジタルATCは滑らかに減速していくため乗り心地がよい。

新幹線に久しぶりに乗った方は、駅到着直前、列車が減速しているときに車内でよろける人が以前と比べて減ったことに気付くかもしれない。

デジタルATCはこのように優れた技術ではあるのだが、2003年から導入され始めた新しい技術で、まだ5年程度の経験しかない。鉄道のような安定が第一のシステムに、信頼性のおけない新技術を導入することは実際にはありえないであろうが、家庭用の電化製品にしても、デジタル技術をちりばめた最近の電子制御のものより、黒いレバーを動かしてスイッチを入れる方式だった昔のアナログな機械のほうが安定していて壊れにくかったと思っている中高年の方もいるかもしれない。

今度の大トラブルは、少なくない中高年の方がおそらくは感じているような、そうした「デジタル化によって逆に脆くなっていくシステム」を象徴するトラブルといえるかもしれない。

ただ、安全性を低下させることなく乗り心地を向上させたデジタルATCの優位性は揺るぎようがないといえる。せめてデジタルATCを擁する鉄道会社はトラブルの防止に努めるとともに、他社で起きたトラブル情報をも共有してシステムの安定性を向上させてほしい。

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