安全問題研究会(旧・人生チャレンジ20000km)~鉄道を中心とした公共交通を通じて社会を考える~

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【日本航空整理解雇問題】CCU、土壇場でスト回避へ

2010-12-23 23:46:49 | 鉄道・公共交通/交通政策
24日予定のストを中止=解雇不当、訴訟などで主張へ―日航の一部労組(時事通信)

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 会社更生手続き中の日本航空の一部客室乗務員で構成する労働組合「日本航空キャビンクルーユニオン」(組合員約650人)は23日、同労組の組合員を含む202人を対象とする整理解雇の撤回を求めて24、25の両日に計画していたストライキの中止を決めた。

 ストを決行しても事態の打開につながらないと判断したもよう。会社側は、スト突入でも航空機の運航に支障をきたさないと判断し、整理解雇実施の方針を維持していた。

 同労組は、24日から48時間のストを構え、会社側と交渉していた。日航の航空機は両日とも平常通り運航する。
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日本航空キャビンクルーユニオン(CCU)が計画していたストが、直前で中止となった。詳細は不明だが、CCUは今後、裁判で整理解雇の不当性を訴えていく模様で、別に怖じ気づいたわけではないようだ(怖じ気づくくらいなら、スト通告など最初からしないだろう)。

ストは憲法で認められた権利で、それを行使するかどうかは労働組合と組合員の判断によるが、少数派組合のストであり、実効性があるかどうかは微妙なところだと思う。裁判闘争のほうが、場合によっては有効な手段かもしれない。

今回の整理解雇は「整理解雇の4要件」をひとつも満たしておらず違法無効といえる。不当労働行為の典型中の典型のような事例であり、純粋な法理論だけ見れば労働組合側は100%完勝できるだろう(これで労働組合側が敗訴するなら、どんな事例が違法解雇になるのかというほど典型的な違法解雇事例である)。

ただ、裁判というのは「正しければ勝つ」といえるほど簡単なものではない。それは、国鉄分割民営化当時の国労組合員らの解雇をめぐる訴訟(JR不採用訴訟)で、その当たり前のことを(しかも、ほんの一部でさえ)認めさせるのに23年間かかったという事実に現れている。したがって、裁判闘争となった場合の見通しについて、当ブログは今のところ何ともいえない。

日本航空の場合、おそらく事態はもっと厳しいだろう。日航が策定した会社更生計画はようやくのところで裁判所に認められたものの、この更生計画が実施できるかどうかわからないし、実施できたとしても再建になるかどうかはもっとわからないからだ。「飛行機さえ飛べばいいのだから、もはや日本航空でなくてもいい」という声が強まれば、会社が整理される可能性もあり得る。

なお、この日本航空の整理解雇問題については、現在、問題の論点を整理した拙稿を月刊誌に寄稿している。早ければ年内にも「原稿アーカイブ」にアップする予定なので、この問題に関心のある方はぜひお読みいただきたい。

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