安全問題研究会(旧・人生チャレンジ20000km)~鉄道を中心とした公共交通を通じて社会を考える~

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ローカル鉄道に国・自治体・住民はどう向き合うべきか(月刊『住民と自治』 2022年8月号掲載)
核のない未来を願って 松井英介遺稿・追悼集(緑風出版)

●安全問題研究会が、JRグループ再国有化をめざし日本鉄道公団法案を決定!

●安全問題研究会政策ビラ・パンフレット
こんなにおかしい!ニッポンの鉄道政策
私たちは根室線をなくしてはならないと考えます
国は今こそ貨物列車迂回対策を!

【書評】高速ツアーバス乗務員は語る 家族は乗せたくない!~規制緩和と過酷な労働実態

2013-06-28 21:39:47 | 書評・本の紹介
本の紹介

高速バスで行われた破滅的な規制緩和の実態を告発した本として、ぜひ皆さんに読んでいただきたい1冊である。編者は自交総連大阪地連。運転手でつくる労働組合だ。

「現場からの告発」だけにその実態はすさまじい。特に、バス会社にとって「顧客」である旅行会社からの、違法行為なくしてはこなしきれないような無理な注文を受け、走らせられる運転手の労働実態を本書で見ると、格安ツアーバスには怖くて乗れなくなる。

運転手の仕事はただ運転することだけではない。最近は旅行者の添乗員がツアーに同行しないことも珍しくなく、出庫前点検から出庫、運転、入庫後の点検に加え、乗客への案内や観光地での雑用さえこなさなければならないという。運転士の睡眠時間は4~5時間ということも珍しくないそうだ。

昨年4月の関越道バス事故を受けて、国交省が設置し、規制強化への提言をとりまとめた「バス事業のあり方検討会」に対しても、自交総連は「安全に関することは何も審議されていない」と一刀両断だ。当ブログはそこまで主張するつもりはないが、先日のエントリで書いたとおり、2000年の極端な規制緩和に対し反省もせず、素知らぬ顔で政策を転換する国交省には率直に怒りを感じる。

いずれにせよ、関越道バス事故の背景に何があるのか、運転手たちが今、どれほど過酷な状況に置かれているのかを知る上で本書は欠かせない1冊である。当ブログ・安全問題研究会の「推薦図書」に指定するので、公共交通に興味のある方はぜひお手に取っていただきたいと思う。

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