安全問題研究会(旧・人生チャレンジ20000km)~鉄道を中心とした公共交通を通じて社会を考える~

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こんなにおかしい!ニッポンの鉄道政策
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「ムーンライトながら」指定券でダフ屋行為の男を逮捕

2008-11-11 22:19:29 | 鉄道・公共交通/趣味の話題
人気の夜行列車指定席券でダフ屋行為(サンスポ)

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 東京駅と大垣駅(岐阜県)を結ぶJRの夜行快速列車「ムーンライトながら」の指定席券を転売目的で購入し続けたとして、警視庁は10日までに、東京都新宿区歌舞伎町の会社員、関根健真容疑者(37)を都迷惑防止条例違反(常習ダフ屋行為)で逮捕した。JRの指定券がダフ屋行為で摘発の対象となったのは初。5年間で約250万円を荒稼ぎしたとみられる。

 調べでは、8月に9月2日の指定席券1枚を310円、同7日の指定席券2枚を1020円で購入。インターネット・オークションに出品し2~9倍の値段で転売した疑い。2日の券は1人がけの広い身障者席券で、「汗臭い男性が隣にくることはない。女性にお勧め」などと紹介した。

 同列車は指定席券と1日乗り放題の「青春18きっぷ」の組み合わせで安く利用できるため人気で、発売後すぐに売り切れることも多い。関根容疑者は「5年前に家を飛び出したとき、青春18きっぷで電車に乗り、思いついた」と供述している。

 「券を買い占めて転売している人がいる」などの苦情を受けたJRが昨年7月頃、直接本人に注意したが、その後も辞めないため警視庁に相談。関根容疑者は今月8日に逮捕された。
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私も、ヤフオクで「ムーンライトながら」指定席券が3000円近い高値で出品されているのを見たことがある。法的に言えば、これらの行為は実行場所がネット上であるだけで、地方自治体の条例が禁止するダフ屋行為と同じであり、禁止されている。

最近、鉄道ブームのせいか、この手の不正行為が一般メディアを賑わすことが増えたような気がする。鉄道部品を盗んだり、禁止場所で撮影をして近隣に迷惑をかける等の行為は今に始まったことではないが、一般メディアで報道されることは実際にはあまりなかった。鉄道ファンは、今、自分たちの一挙一動が世間から興味、関心を持たれているということをぜひとも自覚してほしい。

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「ムーミン」ことEF55型、引退へ

2008-11-10 23:31:05 | 鉄道・公共交通/趣味の話題
「ムーミン機関車」引退へ JR東日本のEF55(朝日新聞)

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 アニメキャラクターと同じ「ムーミン」の愛称で親しまれてきた電気機関車「EF55」が、来年1月17日の運行(上野―横川)を最後に現役を引退する。JR東日本高崎支社は12月6日の上野―水上を手始めに計10本の「さよなら運行」を計画。全車指定席で6日から順次予約を受け付ける。

 同支社によると、EF55は1936年にデビューした。JR東日本が保有する電気機関車としては最も古く、特急「つばめ」や「富士」などを牽引(けんいん)した。しかし、方向転換するには転車台が必要になるなど使い勝手が悪かったため、わずか3両で製造が打ち切られた。

 60年代に東京都国分寺市に当時あった中央鉄道学園の教習用に1両を残して廃車となったが、親しみやすい形から主にイベントに使うため再整備され、86年に現役として復活した。現在は高崎支社で保有している。問い合わせは同支社(027・320・7111)へ。
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ここのところ長らく運転がなかったため、既にネットメディアの一部では引退扱いされている状況もあったEF55だが、ついに引退となるようだ。

電気機関車なのに転車台が必要というのも使い勝手が悪い。電気機関車であるが故に転車台に架線を引かなければならないということもあって、国鉄時代から既にお荷物扱いだったが、その愛らしいスタイリングのせいか、ファンにはとても人気があった。

1936年デビューというから今年で御年72歳。人間に例えるなら、あと3年で「後期高齢者」入りの御大だから仕方ないとはいえ、やはり寂しい。一鉄道ファンとしては、紅葉マークをつけてでも走らせてやってほしいと思っているのだが…

あー、最終運転の撮影行きたいなあ。

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「責任を明確に」JR西に遺族の会申し入れ

2008-11-08 23:18:59 | 鉄道・公共交通/安全問題
<福知山線脱線>「責任を明確に」JR西に遺族の会申し入れ
(毎日新聞)

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 JR福知山線脱線事故(05年4月)の遺族でつくる「JR福知山線事故賠償交渉の会」は8日、JR西日本の山崎正夫社長に対し、事故の責任の所在を明確に示すよう申し入れたことを明らかにした。進まない交渉に弾みをつける狙い。11月中に説明会を開くよう求めている。

 10月29日に申し入れ書を提出した。「真相究明への努力を放棄している」とJR西の姿勢を批判し、度を越した効率化・合理化▽疑問を口に出せない企業体質▽ATS(自動列車停止装置)未設置など危険要因の複合化--の結果、事故が起きたと指摘。同会の見解に対する説明を求めた。

 同会は今年5月に設立され、JR西との集団交渉を目指しているが、実現していない。妻と妹を亡くした浅野弥三一さん(66)=兵庫県宝塚市=は「責任が運転士個人にあるのか、組織本体にあるのかすら説明を受けていない。責任の所在が分からない限り交渉が前へ進まない」と話した。【山田奈緒】
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当ブログではもう言い尽くしているので今さらの感もあるのだが、「真相究明への努力を放棄」「度を越した効率化・合理化」「疑問を口に出せない企業体質」「ATS(自動列車停止装置)未設置」…どれもその通りであり、私たちが疑問を呈してきた内容が盛り込まれている。「JR福知山線事故賠償交渉の会」は、よく頑張っていると思う。

遺族をひとつにまとめる上で、淺野さんが果たしている役割は大きい。

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米大統領選、民主党オバマ氏が当選

2008-11-05 21:12:24 | その他社会・時事
オバマ氏当選、米国初の黒人大統領(ロイター)

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[ワシントン 4日 ロイター]米メディアによると、4日投票が行われた2008年の米大統領選挙は、民主党候補のオバマ上院議員(47)が共和党候補のマケイン上院議員(72)に勝利し、米国初の黒人大統領が誕生することになった。

 オバマ氏は来年1月20日に第44代大統領に就任する。

 次期大統領は今後4年間、経済危機やイラク問題、医療制度改革などのさまざまな課題と取り組むことになる。

 マケイン氏は前回04年の大統領選で勝敗を決した場所となったオハイオ州を落としたほか、1964年以降共和党の牙城だったバージニア州を切り崩されるなど、一連の激戦州での敗北が響き、勝利に届かなかった。

 大統領選と同時に実施された連邦議会選挙では、改選前に上下両院で過半数を占めていた民主党がさらに議席を上積みし、地滑り的勝利を収めた。過去8年にわたるブッシュ政権が明確に否定される結果となった。

 キング牧師が人種差別の撤廃を目指す公民権運動を展開して45年後にケニア出身の黒人を父に持つオバマ氏の大統領就任が決まったことは、米国の歴史にとっても重要な意味を持つ。

 選挙戦の終盤になって、金融危機に対するオバマ氏のリーダーシップや提案が有権者から評価され、支持率が上昇した。出口調査では、有権者の6割が最優先課題として経済問題を挙げた。
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いろいろあってちょっとここ最近の私は鉄道ネタ以外、ブログ更新どころではないのだが、歴史的なことなのでやはりこのことには触れておこうと思う。

当ブログ管理人は、何はともあれ、ネオコン(新保守主義者)が実権を握っていたブッシュ政権の「暗黒の8年間」がようやく終わると思うとホッとする。ブッシュ政権の8年間、米国がやってきたことは戦争と破壊だけだと言っても過言ではない。

多くの人が、米国初の黒人大統領となるオバマ氏を祝福し、歓迎した。それはそうだろう。奴隷として米大陸にやってきた黒人が、差別と偏見を打破して米国の頂点に立ったのだ。建国以来、驚天動地の出来事には違いない。

しかし私は驚かなかった。既に1990年代(だったと思うが)新聞で見かけたあるニュースがずっと記憶に残っていたからである。
そのニュースとは、全米で行われた世論調査で、「21世紀の早い時期に米国に黒人大統領が誕生すると思いますか」「21世紀の早い時期に米国に女性大統領が誕生すると思いますか」の2つの質問に対し、半数以上の有権者がイエスと答えていたというものである。

私は、このニュースを見かけたとき、「黒人大統領も女性大統領も、誕生するなら民主党からで、共和党からというのは考えられないな」と思っていた。多くの日本人にとって、当時も今も「保守派の利害=共和党」「マイノリティやリベラル派の利害=民主党」というのが一般的な理解だろうと思う。

なによりも、共和党内で最近発言力を増している宗教右派(ネオコンとかなりの部分、重なり合う)が支配している地域では、学校で堂々と「進化論」否定の授業が行われているところもあるようなのだ。「人間は神がお造り給うた。アダムとイブがこの世の最初の人間だ」という、科学否定のトチ狂った教育が、本当に行われているようなのである。こんな連中が発言力を増している共和党から、黒人や女性の大統領候補が生まれるということは、ちょっと考えにくいと思う。

いずれにせよ、今回の大統領選挙は、米国史上最も興味深い選挙戦だったと私は思っている。民主党にとって不幸だったのは、マイノリティの象徴的存在だった黒人候補(オバマ氏)と女性候補(ヒラリー・クリントン氏)が同じ年の選挙で指名を競わなければならなかったことだろう。政治の世界はタイミングが重要であり、また政治家には「旬」もあるから仕方のないことではあるが、もしこの2人が別々の年に立候補していたら、そのどちらもが大統領候補の指名を受け、「初の黒人」「初の女性」の栄冠を手にしていたような気がするのだ。

もうひとつ。今回の選挙結果が私にとって嬉しかったのは、「米国民が定期的に政権を交代させる」文化を守ったことだ。実は、米国では第2次大戦後に限っていえば、同じ党が大統領を3期続けたことはない。すべて2期までで政権交代しているのである。
9.11テロ後の米国はそれまでと別の国になってしまったかのような雰囲気が漂っていたから、私は米国の戦後のこの伝統が破られることになるのではないかと心配していた。しかし、「定期的に政権を交代させ、政治の大掃除をする」という伝統は今回も守られた。このことは、米国の民主主義にとってものすごく重要なことだと思う。何があっても自民党政権から他の政権へ交代させることができない日本とは根本的に違っている。米国がうらやましいと、ふと私は思った。

ただ、オバマ大統領誕生を手放しで喜んでいいかというと、必ずしもそうではないだろう。オバマは本当にハト派なのかという論考も発表されている。やはり相手は世界の超大国なのだ。

世界初の黒人大統領が米国に、そして世界の前にどんな政策を打ち出すのか。当ブログは今、不安と期待が相半ばする気持ちで海の向こうを見つめている。

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25メートル超の突風11回 羽越線特急転覆事故

2008-11-03 22:26:21 | 鉄道・公共交通/安全問題
25メートル超の突風11回 羽越線特急転覆事故(河北新報)

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 山形県庄内町で2005年12月に起きたJR羽越線の特急転覆事故を受け、脱線の主因とされる突風発生のメカニズムを解析するため昨年から庄内地方で調査している気象庁気象研究所(茨城県つくば市)は29日、強い突風を11回にわたり観測することに成功したと明らかにした。11月19日から仙台市青葉区の仙台国際センターで開かれる日本気象学会で発表する。

 気象研は昨年9月、庄内平野の約20キロ四方に風速、風向などを測る地上気象観測装置を26基設置。積乱雲を高精度で観測できるドップラーレーダーも庄内空港ビル(酒田市)屋上とJR余目駅(庄内町)に取り付け、大規模な観測調査をスタートさせた。

 調査結果によると、昨年10月から今年1月までの4カ月間に、家屋に被害をもたらす可能性がある25メートル以上の突風を11回観測。ドップラーレーダーで詳しく解析したところ、うち10回は竜巻である可能性もあることが分かった。

 従来は観測体制が整わなかったため、突風は被害が出た場合などにしか数えられず、約100キロ四方の範囲で起きる国内平均は1年間に約0.4回だった。気象研の楠研一主任研究官は「交通機関に影響を及ぼす可能性がある突風が想定を超える頻度で発生していた」と語った。

 いったん撤去されていた庄内空港ビルのドップラーレーダーは29日に再び設置され、30日から来年3月中旬まで2年目の観測が行われる。12月には酒田港付近の陸上から上空30キロまで達する観測気球を60個上げ、突風が起こりやすい大気の状態を調べるという。

 楠主任研究官は「突風をあらかじめ探知するシステムの開発が目標。観測調査は今回で終了する予定だが、今後も続けられるよう地元行政に協力をお願いしたい」と話している。

2008年10月30日木曜日
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1年で0.4回しか観測できなかった突風が4ヶ月間で11回。なるほど、観測精度は劇的に向上している。

しかし、である。2005年12月に羽越線列車転覆事故が起こった際、JR東日本は記者会見し、「運転規則に基づいた強風での列車抑止が、事故以前の3年間だけで98回に達した」事実をみずから公表している。このことは、JR東日本が現地の強風について承知していながら十分な観測体制をとらず、また強風が観測されてもそれを生かすような安全対策がとられなかったことを意味しているのだ。

今回の強風観測実験の成果は多とすべきであり、気象研究所の関係者には頭が下がる思いだが、強風は、ただ観測するだけでは意味がない。観測結果を生かした安全対策がとられるよう、JR東日本の企業体質を変えさせることこそが真の安全対策であると当ブログは考える。

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草津線~信楽高原鐵道乗り潰し

2008-11-02 23:55:00 | 鉄道・公共交通/安全問題
大阪滞在2日目。今日の予定を、未乗車になっていた信楽高原鐵道乗り潰しと定め、同時にJR草津線にも乗ろうと決める。草津線は、以前1度乗っていると思ったが、不覚にも乗車記録の整理を忘れ、乗っていながらどうしても乗ったとの確信が持てないJRで唯一の線だ。この際、もう1度乗って乗車を確実なものにしておきたかった。

朝、宿泊していたホテルを出て、まずは西九条から未乗車区間の阪神西大阪線に乗る。尼崎から再び西大阪線で西九条に戻り、環状線で天王寺へ。天王寺から関西本線で木津へ行き、再び天王寺へ戻る。環状線で大阪に出たところで、ちょうど長旅を終えてきた日本海(写真)に出会った。

草津から草津線に入ると、東海道線では全く感じなかったゴツンゴツンという振動を感じる。保線が行き届いていないのか、それとも車両に問題があるのか?

草津線貴生川行きに乗り、貴生川から乗り継いで柘植まで乗り通す。乗ったかどうかあやふやだった草津線。これで乗車したと胸を張って言えるようになった。今度こそ乗車記録をきちんとつけておこう。

柘植駅は亀山鉄道部の管轄だから、icocaエリア外なのではないかと思い、貴生川では改札を出て切符を買っておいたが、正解だった。やはり柘植には自動改札がなく、手持ちのsuicaでは危うく出られなくなるところだった。柘植駅には自動券売機さえなく、窓口で貴生川までの切符を買い、折り返す。

貴生川駅は、草津線のほか近江鉄道(写真)、信楽高原鐵道(写真)が交わる要衝だ。駅のホームには安全の碑が建っており、「S53.7.1 天鉄局長 渡辺勇作」という文字も刻まれていた。鉄道安全を願って、国鉄マンが建てた碑である。

だが、この安全の碑が建つ駅を起点とする信楽高原鐵道で、JR西日本は1991年5月14日、42名が死亡する正面衝突事故を起こしてしまった。この事故の詳細は、京都新聞の特集記事「赤信号で走った列車」が上手くまとめているのでここでは触れないが、全線1閉塞だったこの鉄道が、JRからの直通臨時列車をさばくため、輸送量を増やそうとして小野谷信号場を設置した際、信号に異常があったものとされている。ちなみに、事故の原因を作った小野谷信号場は、今では廃止され、信楽高原鐵道は再び全線1閉塞運転の静かな鉄道に戻っている。(信号場跡の写真

信楽駅には、この事故を契機に発足した鉄道安全推進会議(TASK)の活動を伝えるパネル(写真)も掲示されていた。

JR西日本が、この事故の時に真摯に反省し、安全対策に全力を挙げていたら、2005年の尼崎事故は起こらなかったに違いない。107名を死亡させたJR史上最悪の事故は、この時の無反省がもたらしたのだ。JR西日本は、30年前、貴生川駅に安全の碑を建てた渡辺天鉄局長の声が聞こえなかったのだろうか? そもそもJR西日本の幹部は、ここに安全の碑が建っていることを知っているのだろうか?

信楽訪問を終えた私は、大阪に戻り、10月に開業したばかりの京阪中之島線に乗ってみた。

「なんじゃこりゃ?」が正直な感想である。路線延長自体、極めて中途半端だし、既存路線(天満橋~淀屋橋)とほぼ並行している。開業から半月しか経っておらず、ご祝儀の初乗り組が多数来ているかと思ったら、乗客もまばらだった。案の定、利便性向上に寄与しない開発優先の鉄道(JANJAN)などと批判されている。関西大手私鉄5社の中では最も経営が厳しいといわれる京阪が、こんな路線を押しつけられて、将来の重荷にならなければいいのだが…

【完乗達成】阪神西大阪線、信楽高原鐵道、京阪中之島線(新規開業線)
※草津線は、記憶が曖昧ながらも、乗車済みとして記録が整理されているので、ここで完乗達成路線には掲げない。

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今度は大阪

2008-11-01 21:46:13 | 鉄道・公共交通/趣味の話題
所要で大阪に行かねばならなかったので、ついでに乗り潰しを組み込んだ。実は、紀勢西線(新宮~和歌山)と阪和線が未乗車なのだ。

名古屋で新幹線を降り、既に乗車済みの紀勢東線(ワイドビュー南紀3号)に乗る。92年にキハ82系「南紀」の引退運転、そしてキハ85系置き換え後の「南紀」に乗りに行って以来だから、16年ぶりの紀勢東線だ。このときはまだ、九州ブルトレに食堂車があった。「南紀」乗車後、名古屋から「はやぶさ」で九州に戻る途中、食堂車で朝食を摂った思い出がある。

キハ85系になってから「南紀」は速くなった。新宮を過ぎ、未乗車区間に入った後、紀伊勝浦から「くろしお26号」に乗る。かなりくたびれているが、これも懐かしい381系だ。381系乗車も2001年の「しなの」以来7年ぶりになる。

紀勢本線は、非電化の東線はほとんど海が見えないが(見えるのは新鹿付近や新宮周辺くらい)、電化された西線区間のほうはよく海が見える。海にへばりついて走るため足は遅い。

紀伊田辺を過ぎると足が速くなる。「くろしお26号」は予定通り17:30、天王寺に着く。列車はこの先、新大阪まで走るが、私はここで下車する。そして、既乗車区間の和歌山~和歌山市間を含め、紀勢本線・阪和線の完乗を達成した(和歌山市駅は、私の記憶に間違いがなければ、確か南海電鉄に所属し、JRの駅という位置づけにはなっていなかったように思う)。

【完乗達成】阪和線、紀勢本線

さあ、これでJR西日本の未乗車路線は、越美北線だけになった。JR西日本、いよいよ王手である。完乗達成すれば、JRでは東海に続き2社目となる。

越美北線は、本来なら名古屋で5年半生活している間に、とっくに完乗を達成しているはずの路線だった。しかし、越美北線は水害のため、2004年7月から3年近くも不通が続き、その間私は名古屋から転勤で離れることになってしまった。JR西日本でここが最後まで残ることになるかもしれないという予感は、その時からあった。

全線完乗を進める鉄道ファンにとって、終盤まで未乗車で残る路線にはいくつかの特徴がある。

1.盲腸線である。
2.列車本数が極端に少ない(2~3時間に1本以下)。
3.大都市圏から遠く、アクセスが容易でない。
4.自然条件が厳しく、災害でしばしば止まる。

越美北線は、この4条件すべてに当てはまる。典型的な「乗り潰し困難路線」である。この他、2~4の3条件に当てはまる路線として、とにかく苦労させられたのが大糸線と只見線である。只見線に至っては、2度も現地まで足を運びながら2度とも現地で災害不通となり、引き返しに至っている。これまでの乗り潰し人生で最も厳しかった路線である。

今後は、越美北線の他、九州南部、四国2線、そして東日本管内の盲腸線と北海道が残ることになる。ほんとうの乗り潰し困難路線ばかりである。登山家の間では、登山は8合目が最も厳しいとされ、「胸突き八丁」と呼ばれることもある。JR線の乗車達成率が86%となった今が、最も苦しいときである。

今後は1日で1線しか進まないことも多くなると思う。しかし、学問に王道がないのと同じように、鉄道全線完乗にも、一足飛びに完乗を終えられる王道は存在しない。1線1線、地道な積み重ね以外に完乗達成の道はない。

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