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◆認知的不協和」心理学基本用語

2021-05-18 | 心理学辞典

◆認知的不協和(cognitive dissonance)〔心理学〕
例えば、高価な買い物をした人は、その買い物の価値を高めるような情報は無批判的に受け入れるが、価値をおとしめるような情報は受け入れない。認知的な不協和(判断の一貫性への脅威)の発生による不快をさけたいからである。認知システムは、そのときどきで、全体としての一貫性を志向する方向に変化する。

●特典除去法(low-ball technique)」心理学基本用語

2021-05-16 | 心理学辞典

●特典除去法(low-ball     technique)
最初に割引きなど客にとって優利な条件を提示して受け入れ購入を決めさせてから、都合で割引き率を下げざるをえないと伝えて強引に購入させてしまう。
逆に、購入を迷っている人に特典を提示して購入を決断させてしまう特典付加法(thats not    all technique)もある。


●同調と逸脱」心理学基本用語

2021-05-14 | 心理学辞典

●同調と逸脱(conformity and
deviant )
集団の雰囲気や集団規範に従うことを当然とする圧力に従って振るまったり考えたりすることを同調行動、それに反するのが逸脱行動である。
問題は、集団の雰囲気や規範には正当性がないため、他の集団や世間一般からみると不当ではあっても、当該集団のメンバーにはそのことの認識がしにくいことである。そこに、組織ぐるみの事故や違反が発生してしまう素地がある。


不安」心理学基本用語

2021-05-13 | 心理学辞典
不安(anxiety)

現実のなかに、自分や近親者をおとしめる事態の発生を予兆させるものを見つけたときに生ずる感情的な不安定状態のこと。
不安時の主観的な体験としては、「どうしていいかわからない」「重苦しい雰囲気」「誰かに助けてもらいたい」「これから先のことがおぼつかない」「事態を変えて、緊張から解放されたい」などなどがある。
未来を志向して生きる人間にとって、不安は、よりよい未来へたどりつくための水先案内でもある。したがって、適度の不安は、人間を適切な行動に導く動因(drive)となる。たとえば、将来に備えて勉強する、貯をするといった行為は、将来への不安が、動因となっていることが多い。
問題は、過度の不安が喚起されると、一種のパニック状態が発生して、妥当な判断や行為ができなくなることである。「俺々詐欺」や「健康食品商法」などはそこをねらっている。
なお、別の問題として、過度の不安が長期間にわたり継続するとストレス状態になる。むやみに動き回ったり(行動化)、身体機能の部分的な異常をきたしたり(身体化)、自我崩壊を起こしたりすることになる。ストレス管理による不安の低減が必要になる。

◆動機づけ(motivation)」心理学基本用語

2021-05-09 | 心理学辞典


◆動機づけ(motivation)
生体の欲求に訴えて、目的に向けて行動させることをいう。食物やお金など、その欲求満足の対象(誘因)を外部に設定するとき外発的動機づけ、知的好奇心などのように内部に求めるとき内発的動機づけと呼ぶ。外発的動機づけは、「アメとムチ(賞罰)」の心理学の中核をなす概念であるのに対して、内発的動機づけは、人間に固有の自発性を前提にした、人間観が背景にある。
なお、動機づけには、行動を始発させる、行動を目的に向けさせる、行動の方向の正誤を知らせる(強化)の三つの機能がある。




◆同一化(identification)」心理学基本用語

2021-05-08 | 心理学辞典

◆同一化(identification)
親に似る子ども、先生に似る弟子などなど、尊敬する人が有するあらゆる特性を自分のものとして取り込むようなことが起こったとき、その人との同一化が起こったという。モデル学習成立のための基本要件である。例えば、幼児期の男らしさ、女らしさの獲得には、親との同一化が必須とされている

●沈黙の螺旋階段(spiral of silence)]心理学基本用語

2021-04-29 | 心理学辞典


●沈黙の螺旋階段(spiral of silence)
意見の対立する社会的な問題があったとき、一般に、多数意見のほうがおおっぴらに意見を公言しやすい。すると、それに影響されて多数派はますます増えて勢いづき、逆に少数派はますます減って沈黙しがちとなる。






●使い勝手調査」心理学基本用語

2021-04-28 | 心理学辞典

●使い勝手調査(usability
testing)
製品、とりわけコンピュータおよびコンピュータを組み込んだ機器を実際にユーザ(消費者)に使用させて使い勝手を調査すること。
これが国際標準化機構による国際標準(ISO13407)として制定されるまでになったのは、コンピュータという高度技術が急速に一般ユーザ(使用者)に普及したことに伴う、使い勝手の悪さへの不満がある。
コンピュータは、認知的人工物と呼ばれることもあるように、従来の機械や道具と異なり、それを使いこなすには、ユーザ側の知的対応を要求する。そこで、コンピュータとユーザが交流する接面(インタフェース)の設計にあたっては、ユーザの知的特性に配慮する必要がある。ここで、心理学的な知見や研究手法が有効となる。



◆メンタルモデル」心理学基本用語

2021-04-28 | 心理学辞典

◆メンタルモデル(mental model)〔心理学〕

研究者が研究をするとき、見通しをつけるために、とりあえずのモデル(作業モデル)を頭のなかに設定する。これと同じように、なんらかの課題解決の状況に直面すると、だれしもがとりあえずのモデルを構築する。これをメンタルモデルとよぶ。研究者の作業モデルと同じで、メンタルモデルも、状況と試行錯誤的にかかわるための手引きであり、それによって状況の認知的複雑さを低減できる。しかし、作業モデルと異なるのは、メンタルモデルが、個人的で、恣意的なところである。(海保) 



●中断効果(Zeigarnik effect)」心理学基本用語

2021-04-27 | 心理学辞典

●中断効果(Zeigarnik   effect)
 ドラマなどで最高に盛り上がってきたところで、CMを入れたり、次回のお楽しみという仕掛けがよく使われる。これは、途中であえて何かを中断することによって、中断後まで緊張や記憶を持続しておくためである。この現象を発見したツアイガルニックにちなんだ名称が冠されて、心理学ではよく知られている。
 過剰に使われると緊張が解けないためストレスが増すが、仕事の連続性を確保したいようなときには有効である。

●段階的要請法(foot-in-the-door technique)」心理学基本用語

2021-04-26 | 心理学辞典

●段階的要請法(foot-in-the-door technique)
セールスでは、ともかくドアの中に入れてもらえたら勝ちである。ささいなことを受け入れてもらたら、もっと大きなことも受け入れてもらえる可能性が高くなるからである。





◆短期記憶/長期記憶」心理学基本用語

2021-04-25 | 心理学辞典
◆短期記憶/長期記憶(short‐term memory/long‐term memory)
人間における知の働きを、コンピュータの情報処理過程になぞらえてモデル化したもの(情報処理心理学)が、1970年代から使われてきた。それが、短期記憶と長期記憶の存在を仮定した二貯蔵庫モデルである。
短期記憶は、入力された情報をたかだか20秒程度の間、保存しておくところである。長期記憶は、短期記憶で一定の処理をされた情報を、知識として長期間にわたり保存しておくところである。それぞれの処理特性を、さらに概観してみる。
短期記憶は、そこに貯蔵しておくことのできる情報の容量にも限界がある。その上限として、7±2(magical number seven plus minus two)が知られている。短期記憶では、入力された情報をリハーサルしながら、長期記憶に貯蔵されている知識を使って、処理目的にふさわしい符号化を行う。これによって、長期記憶内の知識もまた更新される。
長期記憶では、短期記憶で処理された情報を、既存の知識のなかに取り込み、長期間にわたり保存する。
そこから、必要に応じて情報は、検索され短期記憶に転送される。保存容量は、ほとんど無限と考えられている。忘却が起こるのは、情報が消失してしまったからではなく、検索手がかりの不足やストレスなどのために、検索に失敗したからと考えられている(検索失敗説)。


◆超記憶/直観像/閃光記憶]心理学基本用語

2021-04-24 | 心理学辞典

◆超記憶/直観像/閃光記憶(super-memory / eidetic imagery / flashbulb memory)
 縦横に配列された50個の数字を3分間見せただけで、そのすべてが自在に思い出せたり、1枚の写真を数秒見ただけで、その写真の細部まであたかも写真にとったかのごとく記憶してしまう人がいる。このような人を直観像保持者とよぶ。子どもには直観像保持者の多いことが知られている。また、われわれでも、異常な事件の発生を知ったときの光景を写真のフラッシュをたいたときのように鮮明に記憶していることがある。これが閃光記憶である。こうした「異常な」記憶を総称して超記憶とよぶ。一見すると、うらやましい記憶力であるが、生きていくうえでは、大事なことのみを選択的に覚え、不要なことは忘れるという側面も必要である。




◆注意集中(concentration of attention)」心理学基本用語

2021-04-24 | 心理学辞典

◆注意集中(concentration of attention)
 注意系と短期記憶との関係は、ガソリン
タンクとエンジンの関係にたとえられる。
ガソリンをエンジンに送りこんで車を走ら
せるように、注意を注ぐことによって短期
記憶の処理効率を高める。このようなたとえ
から、注意を処理資源と呼ぶこともある。
 一般には、注意を多く注げば、短期記憶での
認知機能の効率は高まる。しかし、緊急時な
どに見られるように、それが過度になると、
限定された処理範囲での処理は最大になるが、
複眼的な処理ができなくなる。
注意には、能動的な側面と受動的な側面とがある。
能動的な側面とは、みずからが、注意を向ける対象
を選び、どれくらいそれに注意を配分し、さらにどれ
くらい長く注意を持続させるかをコントロールすること
である。
 一方、「目立つもの」「興味のあるもの」「意味のある
もの」には、自然に注意が引き付けられるが、これ
が注意の受動的な側面である。
なお、注意系は、情動系とも密接な関係がある。
「おもしろいから注意が持続する」
「気分がすぐれないので集中できない」
といった日常的な体験のなかに、両者の密接な関係を見ることができる。
注意系を介して、情動系と認知(知的情報処理)系とが関係しあっているのである。

◆注意集中(concentration of attention)」心理学基本用語

2021-04-21 | 心理学辞典

◆注意集中(concentration of attention)〔心理学〕
前出の(「短期記憶/長期記憶」)図に示す注意系と短期記憶の関係は、ガソリンタンクとエンジンの関係に例えられる。ガソリンをエンジンに送り込んで車を走らせるように、注意を注ぐことによって短期記憶の処理効率を高める。いつどれくらいアクセルを踏むか(注意配分)を決めるのはメタ認知である。このようなことから、注意を処理資源とよぶこともある。一般には、注意を多く注げば、認知機能の効率は高まる。しかし、緊急時などにみられるように、それが過度になると、限定された処理範囲での処理は最大になるが、複眼的な処理ができなくなる。これがあがるとか認知パニックとよばれるものである。注意には、能動的な側面と受動的な側面がある。メタ認知でコントロールできるのは前者である。「めだつもの」「興味のあるもの」「意味のあるもの」には、自然に注意が引き付けられるが、これが注意の受動的な側面である。注意の集中には、この受動的な側面にも目を向ける必要がある(→「短期記憶」→「メタ認知」→「不安」)。