05/9/18
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*****7行目****1部
ヒューマンエラー
————エラーを事故につなげないことこそ肝心
●ヒューマンエラーの分類枠
ヒューマンエラーのあらわれは多彩である。したがって、どこに着目するかでその分類は様々なものが提案されている。たとえば、
・心的機能のどこで起こるエラーか
例 知覚エラー 記憶エラー 判断エラー 実行エラー
・どんな作業で起こるエラーか
例 「定型作業 非定型作業」「保守作業 点検作業」
・どんな原因によって起こるエラーか
例 4M(Man Machine Management Media )
それぞれ、分類の意義はそれなりにあるが、ここでは、人が何かの仕事をするときの一連の心的過程として、計画(plan)—実行(do)—確認(see)サイクルを想定し、それぞれの段階でどんなエラーが発生するか、という観点から
●「To err is human」
エラーするのは人の常、エラーするから人間なのだ。だからといって、エラーし放題というわけにはいかない。エラーはしないで済むならしないほうが良いのはもちろんである。
そのためには、ヒューマンエラーにはどんなものがあり、それはどのようにして発生するのか、どうすれば防げるのかについての知識をしっかりと持ち、エラーをしないような安全な行為を自らが心がけることになる。
その上で、さらに、次に述べるような、エラーができない、あるいは
エラーが事故に直結しないような、エラーに強い安全環境を作り込むことである。
●エラーに強い安全環境を作り込む
まずは、エラーをしないような安全環境を考えることが先決である。高齢者家庭では、バリアーフリー、つまり行動を妨げる段差やスリップ、転倒防止の手すりなどが今はかなり普及してきているのは、好ましいことである。
この他に、ロックを解除してからでないとお湯がでないような仕掛け(フールプルーフ)、順番通りにしないと動かない仕掛け(インターロック)、うっかりハンドルを回しすぎても遊びがあるので急カーブしない仕掛け(冗長化)は、危ない行為をしないよう、あるいはしても大丈夫なように配慮した技術である。
次はエラーをしてしまったらどうするかである。
まずは、エラーをしたことの認識、つまり確認をきちんとすることである。エラーをした瞬間が最も確認精度が高いので、何かしたら、それが計画通りであるかどうかの確認をしっかりとするように習慣づける。あるいは、次の行為をするときに、それまでの行為が間違いなくできているかどうかを確認する。たとえば、外出時の一連のチェックなどなど。
行為の実行エラーには、エラーをしたとたん怪我や事故になってしまうことがある。たとえば、転倒。エラーと事故との距離が近いのである。こんな時には、事故、怪我の程度を緩和化する方策をあらかじめとっておく。下に厚いソファーが敷いてあれば、怪我は軽くて済む。エアーバックは衝突の衝撃を緩和してくれる。
最後の手段は、援助要請である。誰かの助けが必要であることを周囲の人々に知らせることである。これが、意外に素直にはなされないところがある。恥ずかしさや返報の面倒さや自力の回復期待やプライバシーの擁護など、余計な配慮が働いてしまうためである。注2***
事故対応、防犯、防災では、援助要請、それに対する援助行動は必須である。それも警察や行政への要請以前に、その時その場でのとりあえずの援助要請と援助行動がどこまで適切になされたかがその後を決める。
(K)