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ポジティブ感情――「気持ちを元気するキーワード

2020-12-21 | 健康・スポーツ心理学
ポジティブ感情――「気持ちを元気するキーワード

「一日一回、ポジティブ感情を味わう」

  • ポジティブ感情ってどんなもの
感情の世界は実に多彩です。それを整理する試みがいくつかなされてきました。わかりやすいのは、図に示すような、「興奮vs沈静」と「快vs不快」の軸を設定して分類するものです。
    興奮
「怒」    「元気」

不快――――――快

「ストレス」 「リラックス」       

    沈静

 ポジティブ感情は、この分類でいうと、「元気ゾーン」になります。広くとれば、「リラックスゾーン」も含めてもよいと思います。「いきいきした、上機嫌の、幸せな」、さらに「満ち足りた、ゆったり、落ち着いた」といった言葉で表現できる感情になります。
 こんな感情状態でいられる時って、どれくらいあるのでしょうか。
 ほとんどの時間が、ほんのちょっと感情のさざ波がたつくらいの状態。そして、何か「良い事」「うれしい事」が起こるとポジティブ感情を実感する状態になるのだと思います。
「良い事」「うれしい事」はさまざま、しかも、表面的には同じ事でも受け止め方で感情が異なる場合もあります。
いずれにしても、ポジティブ感情をもたらす「良い事」「うれしい事」のベースには、人の生存を強化する、やや大げさな言い方をするなら、それを受け入れることで自分がより良く生きることができるというところがあります。 

  • ポジティブ感情を設計するコツ
  • メリハリをつける
人は、図の真ん中のような感情的に穏やかな状態に入り浸ったままというのは、あまり好きではないようです。そこから出たいという欲求があるようです。
ドラマをみて感動したくなります。
趣味活動に没頭して満ち足りた気持ちになりたくなります。
それでも、仕事の場となると、あえて「平静ゾーン」に感情を抑えて、たんたんと仕事をこなすことになります。平々凡々の毎日。それが長く続くと、そのメリ(減り)状態にハリ(張り)を、みずからがつけたくなるようです。
たんたんとした仕事でも、たとえば、午前中にどこまで、という目標を立てて、達成できたらうれしいですね。それがハリになります。
結果として、仕事に私情が入ってきます。私情がハリになって、「元気ゾーン」を味わえることになります。
余談になりますが、最近の皆さんの職場、あまりに私情が排除され過ぎているように思うのですが、いかがでしょうか。「公に私を持ち込むな」は正論ではありますが、何かと厳しい職場環境にさらされている今こそ、職場での公と私の関係を、せめて仕事をする心の領域に限定してでも再点検してほしいものです。  
②領域分けをする
 一日の生活は、いくつかの領域に分かれています。家庭、仕事、遊び・趣味、勉強といった領域、それぞれが、さらに細かく分かれています。
 領域分けとは、一日単位でも1週間単位でも、どこかの領域で、ポジティブ感情を実感できるところを用意しておくことです。
 今日は仕事領域では、ネガティブ感情状態だったが、趣味活動でポジティブ感情を味わえた、というような生活設計をすることです。いわば、生活領域によってメリハリをつけることになります。これが、情感豊かな、したがってポジティブ感情に満ちた生活をもたらすことにつながります。







   

老いゆえに遊びをやめるのではない。 遊びをやめるから老いるのだ。

2020-10-29 | 健康・スポーツ心理学

老いゆえに遊びをやめるのではない。
遊びをやめるから老いるのだ。
(バーナード・ショウ)
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遊びにはさまざまな効用がある。
ストレス解消
上達の喜び
ときには、勝利の喜び
仲間からの承認
みずから動く喜び
などなど
遊びをやめれば、老いるのは当たり前。
大いに、遊ぼう。とりわけ、老いを自覚しつつある人々こそ。
できれば、若い頃から遊べるもののレパートリーを増やしておくとよい。
たとえば、スポーツ。
思い立ってやろうとしても、技能を身につける体力も知力も衰えてしまう年代では、
遊べるようになるまでに挫折してしまうから。
しかし、あまりまじめに考えることもない。
たかが遊びなのだから。


部活動でのいじめ防止 市村操一(転載)

2020-10-24 | 健康・スポーツ心理学
部活動でのいじめ防止
筑波大学名誉教授 教育学博士 市村操一

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 子どもたちがコーチの不適切な指導法によってスポーツ嫌いになってしまう問題には、欧米諸国も悩んでいた。EU加盟5各国の共同プロジェクトとして,7年間のPAPA Project (Promoting Adolescent Physical Activity)が進められた。2013年に終了したこのプロジェクトに関する研究論文がつぎつぎに出版されている。その中の一つの論文(Appleton et al., 2016)では、このプロジェクトでおこなわれた子どもに対するコーチの指導法(Coach-created empowering motivational climate)の内容を知ることができる。つまり子どもたちに自信を与え勇気づけるような動機づけをあたえるためには、コーチは子どもたちからつぎのように思われていることが大切である。
・私のコーチは進歩したら成功と認めてくれる。
・私のコーチはプレーヤー同士が助け合うことを奨励する。
・私のコーチは質問に丁寧に答えてくれる。
・私のコーチはプレーヤーに何かをすることを頼むときに、そうする理由を十分に説明する。
・私のコーチはなにが起こてもケアしてくれるだろう。
・私のコーチは心を開いて話を聞いてくれる。
 などなど、27項目が示されている。




退屈の感覚、精神的な反応

2020-10-23 | 健康・スポーツ心理学
退屈 の表現の一覧 (Netより)

退屈・うんざり・味気ない

退屈の感覚、精神的な反応
眠たい・眠気興ざめ・白ける気が散る・集中できない
だるい・気分が重い・倦怠感飽きる・冷めている時間を長く感じる・一瞬が長い

退屈の表情、リアクション
元気のない歩き方、時間の確認・時計を見る暗い、元気のない声
ひっそりと、退屈な暮らし(日々)元気がない人手元にあるものをいじる
欠伸(あくび)



チームワーク

2020-10-18 | 健康・スポーツ心理学
各ポジションで一番うまい選手を集めてもいいチームにならない。
論理的に説明できないけど、
こいつとこいつを組み合わせると
新しいものができるという感覚がある。

(サッカー日本代表元監督 岡田武史)
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一人ひとりが最高のタレントを持っていれば組織としても最高のタレントが発揮される。
誰もそう思う。
しかし、組織には、組織を統制するルールがある。これは明示的なので、誰もがそれなりに守る。
しかしーー「しかし」が続くーールール遵守だけでは、組織のパフォーマンスは上がらない。
暗黙の組織原理がある。組織文化もある。
それを無視できない。
協働
承認
役割分担
こうしたことが、適切に機能しているときに、組織活動は最適なものとなる。
人と人の組み合わせの妙も、こうしたことがうまくいかせたいとの思いからの直感だと思う。



スポーツが心の元気をもたらす理由」10年前の記事

2020-10-15 | 健康・スポーツ心理学

スポーツが心の元気をもたらす理由を考えてみると、次のようなことがあります。
①自己コントロール感 
意志の力で心と体がコントロールできたという感覚
 例 相手の動きとは逆の場所にボールを打とうとして打てた
②有能感 
自分で自分がコントロールできた自分はたいしたものという感覚
例 ミスではなく、攻撃でポイントを奪えた自分はすごい
③進歩感 
前よりはうまくできるようになったという感覚
例 前は、力んでしまって、攻撃がミスに直結だったが、そういうことがなくなった
④優越感 
相手に勝つことができたという感覚
例 負けてばかりのペアーに勝てた
⑤一体感 
仲間と一緒に目標を達成したという感覚
 例 優勝までできたのは仲間と監督のおかげ



「退屈」が意味する心理学的過程とは、

2020-10-15 | 健康・スポーツ心理学
シンシア・フィッシャーによれば、
「現在行われている活動に対して興味をまったく失っており、集中しがたく感じるような、不愉快で一過性の情動的状態」。

M・R・リリーらによれば
「認知的注意力を働かせる過程に関連する情動的経験のひとつ」

(wikipediaより)



飽きる

2020-10-09 | 健康・スポーツ心理学
Dr.F@格闘技医学/Takki@プリンスの言葉

@takuyafutaesaku
·
11時間
残念ながら人間の脳は「飽きる」ようにできている。新しい刺激が全く無い環境に置かれると幻覚をつくりだしてまで脳を守ろうとする生き物だ。だから「飽きっぽい自分」を否定するよりも、「飽きる」を全面的に認めて「ちょっとした変化」「新たな意味」「それまでにない視点」を見つけるほうがいい。



ながら仕事」は集中力を持続させる

2020-09-30 | 健康・スポーツ心理学
ながら仕事」は集中力を持続させる

仕事に必要な集中力を機械のように正確かつ定常的に持続させることは無理だとすると、さてどうしたものか。ここでは、「ながら仕事」を取り上げてみます。
 「ながら仕事」をする人は多いかと思います。とりわけ、最近は、音楽がポータブル(持ち運び可能)になりましたので、手軽にできるようになりました。
一人仕事では、この「ながら仕事」は能動的な集中力の持続には効果的な方策の一つです。
「物音ひとつしない静謐(せいひつ)な環境が集中力には必要」は神話です。そんな環境からはすぐにでも脱出したくなります。
「ながら作業」では、能動的な集中力が下がりそうなると、バッククラウンドが集中力を押し上げてくれます。さらに、周囲からの雑音を遮蔽してもくれます。


●集中力の変動ミスを防ぐための集中対策

2020-09-27 | 健康・スポーツ心理学

●集中力の変動ミスを防ぐための集中対策

①習慣を活用する
 「いつもと同じ」の力は馬鹿になりません。これがあるからこそ、外目には大変な仕事と思われることでも、なんなく出来てしまいます。
 集中力の持続も、「いつもと同じ」ならいつものレベルと質で可能となります。
 もちろん、それでも、というより、それだからこそのマンネリによる集中力低下ミスもありうるのですが、それはまた別途に考えるとして、まずは王道を行くことです。「いつもと同じ」ことをきっちとすることが肝心です。

②バックグランドとメインが自然に分かれるようにする
 心理学の定番デモに、図地反転図形というのがあるのはご存知だと思います。バックグランド(地)とメイン(図)とが時々、自然に入れかわってしまう図形です。
 「ながら仕事」がこうなってしまっては、どうにもなりません。バックグランドとメインがきっちりとわかれたまま進行する必要があります。
 そのためには一つは、メインのほうにやや低めでも集中力が向けられてそれを持続させる配慮が必要です。
 それには、まず仕事の内容への配慮があります。
「ながら仕事」は、たとえば、2時間くらい連続して行なう定常的な仕事がふさわしいことになります。たとえば、高速道路での運転、流れ作業、データ入力のような仕事になります。というより、「ながら仕事」は、そういうものに限定すべきです。そうすれば、集中力は幾分低めでも大丈夫です。
もう一つの配慮は、バックグランドのほうの設計です。あまり変化しない静かで少しだけ時折、集中力をひきつけるような環境を用意することになります。音楽でも、歌謡曲のようなものは意味が入りこんだり、好き嫌いがありますから、好ましくありません。クラシック音楽、それも、ベートーベンよりモーツアルトに(ここは自身がありません!)となります。

③「ながら仕事」を多重課題にしない
第5回で取り上げた多重課題と「ながら仕事」との違いは、多重課題では、いずれの仕事も大事なのに対して、「ながら仕事」では、バックブラウンドが従(ながら)、仕事が主と、明確に頭の中で区分されていることです。
 運転などではラジオを聞き「ながら」はごく一般的ですが、重大ニュースでも飛び込んでこない限り、この「ながら運転」はミスにはつながりません。
 問題は、「ながら」のほうがメイン(図になってしまうことがあることです。カーナビの操作などです。状況が一気に多重課題化してしまい、集中力コントロールができなくなってしまいミスとなります。走行中は操作できない設計にすることが必要ですが、その不便さに耐えられるかが問題です。




集中力は変動する

2020-09-26 | 健康・スポーツ心理学
集中力は変動する
集中力x持続時間=一定
ですから、集中力のレヘルがそれほど高くなくてすむなら長時間の持続ができます。野原の一本道ならクラシックを聞きながらの2時間くらいのドライブは平気、でも町中の車も人も多いところでは、せいぜい、1時間くらいでぐったりとなります。
さらに、もう一つ、忘れてはならないのは、集中力は状況に応じて変動することです。したがって、集中力の変動をメタ認知によってモニター(監視)できないと、状況が必要とする集中力が不足したり、逆に余分な集中力の発揮して飽きを誘ってしまいミスをすることになります。

権威主義の正体」スポーツ不祥事をひも解くヒントを提供してくれるかもしれない本」(再掲

2020-09-18 | 健康・スポーツ心理学
権威主義の正体」スポーツ不祥事をひも解くヒントを提供してくれるかもしれない本
2018-08-14 | 健康・スポーツ心理学



権威主義の正体 (PHP新書)
クリエーター情報なし
PHP研究所


内容紹介
学歴主義から左翼思想、悪しき競争原理まで、組織にはびこる「権威主義」の正体とは。社会心理学をベースに同調、服従の構造を読み解く。
部下を頭ごなしに怒鳴りつける上司、“鶴の一声”で全てが決まってしまう会社、正義をふりかざし世論を誘導するマスコミ――。それらの背後にひそむ権威主義を社会心理学の立場から徹底解剖する。

まず、その研究の発端であるホロコーストを検証。同調や服従はいかに増幅され、ナチスの暴走を許したのか。カリスマ、教条、集団ナルシズムなど権威主義を支える条件を見極める。

「権威」とは技能や知識の格段に優れた人が自然に発する光のことであるが、「権威主義」は、本来的な権威のない人が無理に発しようとする圧迫感のことである、と説く。そして、身近にいる権威主義的人物の特徴を分析。「偉人の言葉を引用する人」「役割を過剰に演技する人」「好き嫌いで人を評価する人」「清濁併せ呑めぬ人」…。あなたの上司、あなた自身は大丈夫か? 組織のあり方を真摯に考える人のための一冊。

内容(「BOOK」データベースより)
部下を頭ごなしに怒鳴りつける上司、“鶴の一声”で全てが決まってしまう会社、正義をふりかざし世論を誘導するマスコミ―。それらの背後にひそむ権威主義を社会心理学の立場から徹底解剖。まず、その研究の発端であるホロコーストを検証する。同調や服従はいかに増幅され、ナチスの暴走を許したのか。カリスマ、教条、集団ナルシズムなど権威主義を支える条件を見極める。さらに、身近にいる権威主義的人物の特徴を分析。あなたの職場、あなた自身は大丈夫か?組織のあり方を真摯に考える人のための一冊。

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ふと思い出して、書斎の本棚を探してみたら、見つかった。
本から引用してみる。
権威とは、特定分野での技能や知識の各段にすぐれた人が自然に発する光のこと。
権威主義とは、本来的な権威のない人が、権威あるふりをして
光を発しようとしたり、自分自身に権威のない人が、
権威者の威を借りて光ではなく圧迫感を発しようするときに発生する。


いったん成立した権威主義は、自己増殖を始める。

今回のボクシング協会会長辞任問題はじめ、諸スキャンダル、パワハラ問題
などのスポーツ不祥事の発生の心理学的背景を解きほごす鍵となる概念だと思う。