気軽に茶道をしてます。

日々のお稽古とともに、できるだけ手作りのお菓子で
お茶を楽しんでいる様子や、四季折々の変化もお伝えします。

師走のお稽古は袴腰餅で

2015-12-12 20:27:20 | 主菓子とお干菓子
昨日が嘘のように、風もなく穏やかな一日、
明日も良い天気になってほしいものです。
宗家では、明日の12月13日は『事始め』だそうで、
多数の方々が挨拶に来られ、正月準備も始められます。
この準備は、古来より煤払いから始め、山へ門松をとりにいき、
注連縄作り、畳替えそして障子張の順だそうですが、
今の世の中、なかなかそういう訳には参りません。
極月のお稽古は、昔の御所で煤払い時に饗された『袴腰餅
を準備しました。皆さんに古の師走を思い起こして頂きましょう。

袴腰餅の作り方は、白玉粉と上新粉、
砂糖を水で溶き、蒸しております。

蒸し上がると、濡れ布巾に包んで揉み、
分割し、丸め、粉の上で麺棒で伸ばし
 
粒餡をいれ、形を整え出来上がりですが・・・
砂糖に和三盆を使った為、色が真っ白ではなく
形も上手く台形になりません。
よれよれの袴になってしまいました
御所に納められていた川端道喜さんのは、
餅皮でこし餡を包まれており、形もきりっとした袴です。
明日、時間があれば、作り直しをしたいのですが・・・
 検定テキストより
今日はこれはこれで、納得してくださり、
美味しと言ってくださいました。、
もう臘月の半ばです。初釜のお話しでお稽古をおわりました。

付記)
なぜ『袴腰餅』なのでしょうか。
煤払いの日、御所では12月20日以降の吉日を選んでおり、
(徳川四代将軍家綱公が、江戸城煤払いを事始めの13日に定め、
 宮中も13日にあわせた時期もあったようです。)
その日には、男子禁制が解かれ、女官以外に、
公家、六丁衆(御所出入りの町人)の男性らも繰り込んでおり、
うす暗い殿中でも、袴の腰板を目立つようにしたそうです。
その袴腰を見立てた餅を『袴腰餅』として饗され、
黄色の餅は、クチナシで染められ公家の袴腰を、
赤色の餅は、小豆汁で染められ女官の袴腰で、
白色の餅は、そのままの白で六丁衆の袴腰を表しました。
現在は白なので、町人の袴腰餅のみ残っております。
(茶道文化検定テキストより)