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「春日権現験記7」講座に参加して

2016-03-16 19:57:05 | 日記
              春日権現験記巻13より
一話完結!西山厚が読む「春日権現験記を読む⑦」
こんなチラシが目に留まりました。
春日大社には、初詣、孫のお宮参り、七五三などいろんな意味で
お参りさせていただいておりますが、
お参りするのなら”春日さん”という自然な流れです。

現在、春日大社は第60次式年造替(しきねんぞうたい)中で、
一の鳥居から始まり、今は外遷宮されており、
この秋には、正遷宮の予定になっております。
この春日さんを、少しでも知りたくなり、参加しました。

講師の西山厚先生は、現在奈良の帝塚山大学教授ですが、
一度奈良国立博物館在職中にお話を伺ったことがあり、
分かりやすい説明だったことを思い出しました。
また聞けるとは嬉しい限り、でも今回は400人の大会場、
でもスライドを交え、詳しくゆっくりとしたお話し。
時には、母の子を想う気高い気持ちに感じ入られたのか、
読まれながら涙を流される場面もありました。

お話の権現とは仏様の形で我々の前に現れるそうで、
春日大明神はすごい神様ということを言いたいそうです。

お話の13巻は、
神仏に祈り懐妊した女性が、長谷寺参りの途中、
春日社一の鳥居で安産祈願をすると、
忽ち男児(清雅律師)を出産された場面からで
従者や馬の動きと、
女官の動きなどを交えての説明が続きます。
一の鳥居
その男児を春日明神が加護するお話なのですが、
長じた男児が、山科の勧修寺への出仕について
神意を伺うために詣でた春日社で、
春日明神の宣託により若宮拝屋で今様を謡われる場面です。↓

内陣の様子や、女官が楽器を弾いている様子など
仔細に説明されており、文との関連性が
非常によく分かります。
ここまでで、90分
残り30分で14巻ですが、あっという間に終わるそうで、
安心してくださいと。

14巻は、
南都を去りし僧、夢に天台止観は焼け、唯識論は残ると
これは、比叡山は嫌いで、高野山はお好きなのだそうです。
・・・・・・
京都での大火災の際、
法相宗の根本経典である唯識一巻があったため、
春日明神の加護で焼け残ったというお話になります。↓

この場面は、
”大火災の後もうバラックを建てる庶民を表し”
”廻りは焼けているのに、この家だけ焼けてないのは
 風の向きが、煙でわかりますよね”
”残った家の梁に、唯識一巻があったためですよ”
”焼け釘を捜している人”など

なにかうれしくなる時間を過ごささせていただき、
楽しい2時間になり、
不思議と心が豊かになりました。、

次回は5月7日です。


付)『春日権現霊験記繪』(20巻)は、藤原氏の氏神として、
興福寺と一体となって政治的・文化的両面での大きな影響力を
及ぼした春日大社創建の由来と数々の霊験を集成した絵巻物で、
成立は鎌倉時代後期の1309(延慶2)年、絵師は高階隆兼、
成立年代や絵師の具体的な名までが判明している数少ない例で、
歴史的資料としても注目されております。
原本は宮内庁三の丸尚蔵館蔵だが、剥落などで痛みが激しく、
研究は通常江戸期の忠実な写本(東京国立博物館蔵)を用いられ、
手近に利用する中央公論社刊の日本絵巻大成も、
原本ではなくこの写本を撮影したものだそうです。