気軽に茶道をしてます。

日々のお稽古とともに、できるだけ手作りのお菓子で
お茶を楽しんでいる様子や、四季折々の変化もお伝えします。

古筆の字の太さの変化は?

2017-06-01 20:17:58 | 日記
                 (寸松庵色紙)
水無月になりましたね。
奈良でも田に水が入ると盛んに代掻きが始まり、
もうすぐ田植え、そして梅雨の季節もやってまいりますので、
しつらえを慌てて替え、玄関の色紙には蛙さんが登場しました。

昨日は京都へ「茶の湯の書」の講座に出かけ、
多くを学べたのですが、復習をしておかないと・・・、
でも有難いことに、今こんな言葉をかみ締めております。
離見之見
世阿弥の「花鏡」より
舞に、目前心後と云ふことあり。
目を前に見て、心を後に置 けとなり。
これは、以前申しつる舞智風体の用心なり。
見所より見る所の風姿は、わが離見なり。
しかれば、わが眼の見る所は我見なり。
離見の見にはあらず。
能楽用語事典では
離見とは
”演者が自らの身体を離れた客観的な目線をもち、
 あらゆる方向から自身の演技を見る意識のこと”
我見とは
”自己中心的な狭い見方で、
 これによって自己満足に陥ることを厳しく戒めている。”

今年は「初心忘るべからず」を掲げており、
これも世阿弥さんのお言葉でしたね。

また古筆の歴史に沿い、筆遣いの変化等を教えて頂きました。
例として『寸松庵色紙』伝紀貫之筆、を挙げられ
たゝみね
あめふれはかさ
とり山のもみち
はゝゆきかふ人の
そてさへそてる
平安朝かな名蹟選集、書芸文化新社刊より

講座終了後、「茶道資料館」へお邪魔しました。

「やきもの巡り 京都・滋賀編」前期は~6月25日(日)で、
後期は大幅な展示替えがあり、
信楽焼、銘青苔の桧垣文蹲花入が展示されるそうです。
7月5日(水)~9月10日(日)になります。 

前期の展示品は69点で、
京都からは、粟田焼、一方堂焼、岩倉山焼、御室焼、乾山焼、
      修学院焼、御菩薩焼、楽焼、古清水焼、他
例)御室焼 色絵金彩花唐草文香炉 野々村仁清作
色絵金彩花唐草文香炉

滋賀からも、石部焼、姥ヶ餅焼、河濱焼、湖東焼、湖南焼、
    信楽焼、膳所焼(国分)、杣山焼、梅林焼、比良焼、他
例)湖東焼 色絵金彩花鳥文皆具 鳴鳳絵付 
色絵金彩花鳥文皆具

掛物も展示されており、今日習ったことがよく判りました。
”平安朝でも中期のものは手がきれいで字が細くなる特徴が
 鎌倉時代になると食料事情が良くなるにつれ字が太くなる”
おっしゃっていたとおりです。
さらに江戸後期の井伊直弼の懐紙が出展されていましたが、
堂々とした太い筆遣いで・・・やはり食糧事情?
過食の時代にいる私には紀貫之や小野道風のような
スマートな字は到底書けるわけがありませんよね。