ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2011.4.23 息子の言い分

2011-04-23 17:50:39 | 日記
 昨日の夕飯の時のこと。
 息子が「田中なんとかさんが亡くなったという話があったでしょ・・・」と切り出した。ほかでもない、一昨日乳がんで急逝された元キャンディーズの田中好子さんのことだ。息子にとって、“キャンディーズ”は全く知る由もない時代の象徴である。

 理科の授業の時に、先生がその話題を出して「みんなもお母さんに『ちゃんと検診をしてね。』と言葉をかけてあげよう。そうすればお母さんたちは喜んでお小遣いをアップしてくれるかもしれないよ。」と言われたそうだ。そして一番前の席にいる息子に「な、○○(苗字)、そうだよな。」と相槌を求めたという。

 息子は本当なら黙っているつもりだったらしいが、そうならない伏線があった。というのも、先生がその前に言われた、前夜のプロ野球の話=息子の好きなチームが負けて先生の好きなチームが勝った=でカチンときていたらしい。そのため、相槌を求められるなり、いきなり笑顔で切り替えしたそうだ。
 「いえ、先生、うちの母はすでにがんですから。もし、そんなこと言ったら『あんた、馬鹿じゃないの。』と言われてお小遣いを減らされるのが落ちです。」と。

 教室中シーンと静まり返ったそうだ。先生は「え、それ、本当?・・・」と絶句したらしい。
 その後は口が達者な息子の独壇場で「嘘じゃないですよ。乳がんから今は肺がんにもなっていて、大変な状況なんです。闘病記のブログも書いていますから、教えましょうか。同じ境遇の人たちと仲良くやっているようですから。」と滔々と話を続けたそうだ。
 先生は「ごめんな・・・。」と言ってとりあえずその場は済んだというが、息子には見えなかった教室の後ろの方がどういう状況だったのかは、想像に難くない。
 息子曰く、涙声で話してしまったらきっと大変だったけれど、笑顔で話したから却ってインパクトがあったんじゃないの、とサバサバしている。

 それを聞かされて夫と顔を見合わせ、夫は無言。私は「まだすぐには死なないから大丈夫。でも、ごめんね。病気になって。」と言うのが精いっぱいだった。

 それにしても母の病の公表と野球の勝ち負けが同じ天秤に乗るとは・・・、ちょっと複雑だ。
 だが、こんなふうに息子にカミングアウトさせなければいけなくなってしまったことに、ちくりと心が痛む。すまないな・・・と思う。

 もちろん先生は相槌を求めた息子の母がまさかがん患者であるはずはない、と思ったところが、まさに地雷を踏んでしまった、ということだったのだろう。けれど、昨日も書いた通り2人に1人ががんになる時代だ。生徒の両親のどちらかががん患者あるいはがん体験者であるということが決して珍しくない日が来るだろう。

 それに、先生自身は母親の健康を思う子供達の気持ちを代弁してくれたのであろう。しかし、その話を振った相手がたまたまがん患者を母に持つ生徒だったことで、何とも気まずい思いをさせてしまったようだ。
 先生にも申し訳ないような気がしてならない。

 さて、昨日までの気持ち悪さだが、今朝になってもまだ若干残っていた。
 息子が登校し、洗濯をした後、一日中雨模様のこの天気だと結局だらだらと過ごしてしまうから、家の中で気分転換もできないだろう・・・と、思い切って朝一番のベーシックヨガに出かけてきた。
 体をほぐしながら最初はちょっときついかなと思ったが、深い呼吸を続けているうちにだいぶリラックスでき、安らぎのポーズで終わる時にはとてもすっきりしていた。

 その後、夫と待ち合わせして久しぶりに息子の洋服などの買い物。それから息子とも合流してお昼を食べてきた。
 この週末はお天気がはっきりしないようだけれど、あえてアクティブに過ごして副作用を撃退したい、と思う。
コメント (4)
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