“継続は力なり”は確かに真理だと思う。何事も細く長く続けることで必ずや自分の力になる。だが、そうはいっても、そもそも継続するためにも“力”が必要だ。逆もまたしかり、ではないか。
こうして拙い文章を書き連ねるようになってからもうすぐ2年が経つ。
治療日記だけでなく自分の身辺雑記も書くようになり、そうそうトピックになりそうなネタがゴロゴロ転がっているわけではないから、その都度立ち往生しながら書くことを探す毎日になっていることは否めない。
けれど、こうして書き続けることは、ともすれば忘れ去ってしまうような小さな出来事を掬いあげて考えることでもあり、「ケモブレイン」となっているであろう頭を少しでも活性化させてはいるのだろうな、と思うことにしている。
※ ※ ※(転載開始)
「ケモブレイン(chemobrain)」とは・・・(海外癌医療情報リファレンス 2009.3.31)
癌や癌治療に伴う認知的変化で、多くの場合、集中力、記憶、マルチタスク、計画能力などに困難が生ずる。これらの変化は、通常、化学療法中に生じ(そのためケモブレインという名がついた)、そして、およそ20%のサバイバーでは治療終了後も継続する。
最初にケモブレインを特定し命名したのは乳癌サバイバーであったが、研究者らによると、現在は、同じような一連の症状は他の癌サバイバーにも認められることが明らかとなっている。化学療法後の認知機能に関する初期の研究では、化学療法による認知的変化があるサバイバーは17%から75%まで幅があると推定されていた。
例えば、動物実験や画像研究のエビデンスによると、ホルモン受容体陽性の乳癌治療に広く用いられているタモキシフェンは認知機能や脳の他の機能に障害を与えるかもしれないことを示している。
(転載終了)※ ※ ※
タモキシフェン(ノルバデックス)は、初発後に再発防止の術後補助療法として3年近く服用した。不調を服薬のせいにはしたくないと思ってはいたが、哀しいかな、以前に比べて間違いなく集中力は低下して、根をつめた仕事が長時間出来なくなったのは事実である。とても疲れやすくなったし、ちょっとしたことで滅入りやすくなった。
それまで記憶力にはどちらかといえば自信があったが、ずいぶん落ちたな・・・とがっかりすることも多くなった。加齢のせいか、と思っていたが、それだけではなかったようだ。そして、今では化学療法歴も3年半を超えているし、今後も生きている限り間違いなく続くわけだから・・・と思うと、やはり再発治療を継続しなければならないことはわかってはいても、このまま続けることに不安がないといえば嘘になる。
分子標的薬ハーセプチンは脳転移に効かないけれど、血液脳関門を通り抜けることが出来るラパチニブ(タイケルブ)はそれにも効果がある、ということはやはり脳に対してしっかり働きかける、ということだからその点はどうなのだろう・・・等々。こうして考えだすとまた袋小路に入り込むことになるので、とりあえず「その時はその時」と受け入れるしかないのだけれど。
それにしてもお金をかけて治療して、脳にまでダメージを受ける可能性があるとは、なんとも切ないことだ。治療ばかりは、エンドレスに継続しないで、無事終了することが出来ればそれに越したことはない、と思う。
「自らを傷めて自ら生き延びる・・そんな葛藤の毎日に疲れている。」と書かれている“ひよこさん”の気持ちが痛いほど胸に迫る。
さて、今日は何とか朝食の支度等をして息子を学校に送り出した後、あまりに頭が重くて気持ちも悪く、またベッドに戻ってしまった。2時間ほど横になってから、ようやく食事をとった。このままだと一日ごろごろして終わりそうだ、と思い切って午後からピラティスに参加してきた。3週間ぶり。気分が悪ければ途中でリタイアする予定だったが、程よく汗をかいて身体が暖まり不思議なほどさっぱりして帰宅した。
心地よく疲れているので、今日はぐっすり眠れそうだ。やはり暑い中、副作用の吐き気もあり、どうしても喉越しの良い冷たいものを取りがちで胃腸も疲れているのだろう。ようやく副作用の霧が晴れてきた感じだ。毎回のことではあるが、来週は休薬だ、と思うと素直に嬉しい。
こうして拙い文章を書き連ねるようになってからもうすぐ2年が経つ。
治療日記だけでなく自分の身辺雑記も書くようになり、そうそうトピックになりそうなネタがゴロゴロ転がっているわけではないから、その都度立ち往生しながら書くことを探す毎日になっていることは否めない。
けれど、こうして書き続けることは、ともすれば忘れ去ってしまうような小さな出来事を掬いあげて考えることでもあり、「ケモブレイン」となっているであろう頭を少しでも活性化させてはいるのだろうな、と思うことにしている。
※ ※ ※(転載開始)
「ケモブレイン(chemobrain)」とは・・・(海外癌医療情報リファレンス 2009.3.31)
癌や癌治療に伴う認知的変化で、多くの場合、集中力、記憶、マルチタスク、計画能力などに困難が生ずる。これらの変化は、通常、化学療法中に生じ(そのためケモブレインという名がついた)、そして、およそ20%のサバイバーでは治療終了後も継続する。
最初にケモブレインを特定し命名したのは乳癌サバイバーであったが、研究者らによると、現在は、同じような一連の症状は他の癌サバイバーにも認められることが明らかとなっている。化学療法後の認知機能に関する初期の研究では、化学療法による認知的変化があるサバイバーは17%から75%まで幅があると推定されていた。
例えば、動物実験や画像研究のエビデンスによると、ホルモン受容体陽性の乳癌治療に広く用いられているタモキシフェンは認知機能や脳の他の機能に障害を与えるかもしれないことを示している。
(転載終了)※ ※ ※
タモキシフェン(ノルバデックス)は、初発後に再発防止の術後補助療法として3年近く服用した。不調を服薬のせいにはしたくないと思ってはいたが、哀しいかな、以前に比べて間違いなく集中力は低下して、根をつめた仕事が長時間出来なくなったのは事実である。とても疲れやすくなったし、ちょっとしたことで滅入りやすくなった。
それまで記憶力にはどちらかといえば自信があったが、ずいぶん落ちたな・・・とがっかりすることも多くなった。加齢のせいか、と思っていたが、それだけではなかったようだ。そして、今では化学療法歴も3年半を超えているし、今後も生きている限り間違いなく続くわけだから・・・と思うと、やはり再発治療を継続しなければならないことはわかってはいても、このまま続けることに不安がないといえば嘘になる。
分子標的薬ハーセプチンは脳転移に効かないけれど、血液脳関門を通り抜けることが出来るラパチニブ(タイケルブ)はそれにも効果がある、ということはやはり脳に対してしっかり働きかける、ということだからその点はどうなのだろう・・・等々。こうして考えだすとまた袋小路に入り込むことになるので、とりあえず「その時はその時」と受け入れるしかないのだけれど。
それにしてもお金をかけて治療して、脳にまでダメージを受ける可能性があるとは、なんとも切ないことだ。治療ばかりは、エンドレスに継続しないで、無事終了することが出来ればそれに越したことはない、と思う。
「自らを傷めて自ら生き延びる・・そんな葛藤の毎日に疲れている。」と書かれている“ひよこさん”の気持ちが痛いほど胸に迫る。
さて、今日は何とか朝食の支度等をして息子を学校に送り出した後、あまりに頭が重くて気持ちも悪く、またベッドに戻ってしまった。2時間ほど横になってから、ようやく食事をとった。このままだと一日ごろごろして終わりそうだ、と思い切って午後からピラティスに参加してきた。3週間ぶり。気分が悪ければ途中でリタイアする予定だったが、程よく汗をかいて身体が暖まり不思議なほどさっぱりして帰宅した。
心地よく疲れているので、今日はぐっすり眠れそうだ。やはり暑い中、副作用の吐き気もあり、どうしても喉越しの良い冷たいものを取りがちで胃腸も疲れているのだろう。ようやく副作用の霧が晴れてきた感じだ。毎回のことではあるが、来週は休薬だ、と思うと素直に嬉しい。