昨夜は温泉ワールドを堪能して、ホテルの部屋に戻ったのは日付が変わる間際。夫はあっという間に眠ってしまったが、私はあれこれ片付けをしながら小一時間遅れての就寝。それでも入浴とマッサージのおかげで身体が心地よく疲れていて、夫の鼾も気にならず。明け方お手洗いに起きるまで6時間近く爆睡した。
その後は二度寝出来なかったけれど、よく寝た!感ですっきり。夫は二度寝出来たようでまた鼾が聞こえてきた。朝の連続テレビ小説をベッドで見てから浴槽足湯を済ませ、階下の朝食レストランへ向かった。
前回宿泊した時は、時節柄セットメニューのみの提供だったけれど、今回はマスクと手袋を着用でブッフェが再開されていた。昨夜期せずして軽い夕食だったので、お腹がぺこぺこ。オムレツを焼いて頂き、フレッシュジュースやフルーツもたっぷり。これぞホテル!の優雅なブレックファストを堪能した。
満ち足りたお腹で部屋に戻り、食休み。雨は止んだが、余りお天気は良くない。それでも気温は20度近くまで上がるという。のんびり荷物を片付けてお昼前にチェックアウト。荷物を預け、今日の目的地は“インスタントラーメンの父”の発明記念館だ。
体験型の博物館は残念ながらコロナウィルス対策で中止になっているエリアも複数あったけれど、ワンコインの入館料を支払い、今なら待ち地時間なしで体験出来ます、という整理券をゲット。
まずは、世界にひとつだけのオリジナルカップ麺を作るエリアを目指してエレベーターで移動。白と赤を基調にしたロゴマーク、館内のエレベーターは中が真っ赤だ。エントランスには巨大な透明カップ麺容器のオブジェクトが迎えてくれる。折り悪く夫は新しい靴を履いてきたところ、靴擦れであまり歩きたくない模様。ゆっくり歩けば大丈夫というので恐る恐る、の移動である。
このご時世、入場人数は制限されており、一つのテーブルには一つのグループだけの案内だ。自販機で専用カップを買い、手指のアルコール消毒。かご一杯の色鮮やかなマジックセットを貸して頂いて、赤いエプロンをつけたスタッフにテーブルに案内される。まずはカップに好きな絵を描いてオリジナルデザインカップを作るところからスタート。
いやあ、楽しい。単純な私はテンションがいきなり上がる。熟年夫婦、土曜日の昼下がりのお絵描きタイムである。夫はさっさと文字メインのデザインを描き終え、自身のトレードマークの絵を描いて終了。私はこの博物館のメインキャラクターの絵を描いてみたけれど、ちょっと目がくっつきすぎてしまい、顔つきがほっこりしなかった。昔はレタリングも好きだったのに、こんなお絵描きをすることは久しぶりなので、なかなか上手くいかないのがもどかしい。
ひとまず完成させ、その後はスタッフにお任せとなり、麺がセット(逆転の発想でカップに麺を入れるのではなく、麺にカップを被せる方法。これは数年前の朝の連続テレビ小説でもやっていたので記憶にあった。)され、4種類から1つを選んだスープ、12種類から選んだトッピング具材4種類を入れて貰い、最後はカップに蓋をしてシュリンク包装をしてもらったら見事に完成。賞味期限は1ヶ月という。
出来上がったカップラーメンは、エアパッケージに入れて空気で膨らませ、ポシェットのようにしてカップを潰すことなく持ち運び出来るといった具合。お子様連れやカップルたちも楽しそうにチャレンジしているのが微笑ましいが、熟年夫婦の私達も期待以上にとても楽しめた。これだけ人手が掛かっているのに体験料がワンコインでお釣りというのは太っ腹だね~、と夫と言い合う。
「直ぐ美味しい、凄く美味しい♪」のCMソングでお馴染みの即席ラーメンを麺から手作り出来るファクトリーは残念ながら休止中だった。初代から現代までのインスタントラーメンの展示場では、世界中に広がった3,000点を超えるパッケージが展示されており、圧倒的だった。シアターでは15分ほどのCGアニメで表現した安藤百福氏の生涯もなかなか楽しく、シアターを出ると、連続テレビ小説でも見覚えのある研究小屋の展示と、見所満載。博物館の説明文やら何やらを、こんなに真剣に寸分漏らさず読んだのは初めてではないか、と思うほど。
そうこうしているうちに入場から2時間ほどが経ち、あんなに朝食を頂いたのに、またお腹が空いてきた。当初は、ここを出てから別のレストランでランチをして帰宅する予定だったが、せっかくなので安藤氏が麺のルーツを探る旅の中で出会った麺のうち8カ国の麺を味わえるフードアトラクションに行ってみた。
いかにも東南アジアのナイトマーケットといった感じで、何やらとても懐かしい雰囲気。まずはテーブルを確保してから。どれもハーフサイズなので、ちょっとずつ色々味見できるのが嬉しい。夫はベトナムのフォーを、私はタイのトムヤンクンヌードルをチョイス。どれも本格的な美味しさである。
続いて夫はインドネシアのミーゴレンを、私はせっかくなので、夫も好きなチキンラーメンを。締めのデザートにはカップ麺の容器に入ったヌードル味のソフトクリームを頂いた。
上に乗っているトッピングは、フリーズドライの海老やらお肉やら卵(カップヌードルの具そのもの)でしょっぱい。甘いソフトクリームと、スープやトッピングのしょっぱさのミスマッチが絶妙な面白い味を堪能した。それにしても外国人(この時期故、日本に在留されている方たちと思われるが)のお客さんが多いこと。フードバザール来場者の半分ほどを占めていたのには驚いた。またいつか、東南アジアに旅することが出来るのかしら、とちょっと遠い目になった。
窓の外は青空が広がり、海が青くなっている。全て見学し終えて、ミュージアムショップであれこれお土産を買い込み、すっかり満足して施設を後にした。結局3時間も滞在してしまった。
ホテルに戻って荷物をピックアップし、再びJRに乗って最寄り駅まで戻ってきた。当初乗る予定の電車より30分ほど速い快速電車に座ることが出来、読書をしつつ最寄り駅に到着。
時間調整と糖分補給のためにカフェで小休止。夫と別れ、夕方からのベーシックヨガのクラスに参加した。これまではこの時間の一つ前に行われる★一つのビギナーヨガのクラスに出ていたので、★二つのこのクラスは初めて。よく動いてかなり汗をかいたけれど、とても気持ち良かった。シャワーでさっぱりして、スーパーでお寿司を買って帰宅した。
とても楽しい一日だった、となんだか小学生の作文のようだけれど、インスタントラーメンの発見がなければ、今の私達の食生活は本当に変わっていただろうなと改めて思った。1958年、第一の発明の“お湯があれば直ぐに食べられるラーメン”、第二の発明は1971年のカップラーメン、そして第三の発明、2005年には宇宙食まで。3つめの発明時、安藤氏は95歳だったというのだから恐れ入る。
NEVER GIVE UPと書かれた発明家達の写真像に混じって一緒に写真を撮ってきた。私もその精神でしっかり細く長くしぶとく、長生きをあやかりたいものである。