もう昨年の話になってしまったがこの連休の雪山歩きの日記。
今回は年も押し迫った12月30~31日の1泊2日のテント泊。
12月に入ってから雪山の相棒ぼんさんと相談し幾つかの山を候補に挙げ、岐阜県の野伏ヶ岳(1674M)をチョイス。
その理由は
①標高はそれほど高くないが山頂及びその下にある高原での景色が良さそうだということ。
②雪がある時期しか登ることが出来ない山で面白味があること(夏道のある山ではない)。
③豪雪地帯でこの時期は入る人が少なめで静かで貸し切り感があること。
④この前の夏に釣りに来た石徹白川の奥地で馴染みがあり、その点についても興味があったこと。
以上である。
しかしネガティブな点もあって少々心配した。
というのもこの厳冬期に登ったという情報が少なく豪雪地帯でもあるという点から山頂にたどり着けるのかということである。
まあ、テント担いで行くので時間的余裕は日帰りに比べれば十分ある筈なのでこの山に決定、それに合わせて準備をした。
当日は7時に某所で私をピックアップしてもらい荷物詰め込んで現地へ。
道中山に近づき峠に入る前から除雪はしてあるものの圧雪の道路コンディションで気温は-2度。
一部つづら折れの激坂区間もあるその峠の雪・凍結具合を心配していたが見事な雪、しかしぼんさんの愛車X-TRAILはそんな路面もなんのそのスリップの気配を見せることなく上がっていった。
こういうコンディションの時にはやはりこういうクルマが頼もしいし羨ましい。
そして8時45分頃現地のクルマをデポする地点に到着。
到着後ウェアを着込んで荷物を降ろし、出発の準備をする。
天気は予報通り良くはなく雪が舞うようなコンディション、そして駐車場からスノーシューを履いていけるような雪具合だ。
これでは展望が期待できるような感じはなかったが、時間の経過で少しでも好転するようにと淡い期待を抱きつつ出発。
(左)林道を歩く。
すると先行者のスキーとスノーシューのトレースが付いている。
全くトレースが無いと不安に駆られるが、それを見て少し安心する。
そしてこれで楽をできると安心する。
というのも、さすが豪雪地帯、雪は新雪のサラッサラの軽いパウダーで私の25インチのスノーシューでも沈み込み量が多くトレースがなければ相当時間を費やすことになるからだ。
しかし林道入り口からほんの少し入ったところでスノーシューを履いた二人に追いつき追い越す。
その二人、日帰りの軽装だったが既に顔を赤くしてバテているように見えた。
バテるような地点でもなかったので大丈夫かと思いながら抜いていく。
その先はスキーのトレースのみになる。
(右)一部林道をショートカットし直登して高度を上げていく。
雪原に出る。
意外に早い時間に雪原に出た。
このコースの景色がスバラシイところの一つがこの雪原。
その昔は牧場があった場所で標高1100M付近の比較的なだらかなところに木々もない一面の雪世界が広がる。
そして天気が良ければここから野伏ヶ岳がドドーンと見え、これから上っていくルート「ダイレクト尾根」と呼ばれる尾根が見える。
しかし、天気悪く降雪とガスで全くと言っていいほど見えない・・・
ま、予期していたことではあるのでそれほどがっかりすることもなくもくもくと進んでいく。
(左)なだらかな雪原では足取りも軽くどんどん進む。
(右)天気が良ければこの雪原でテントを張るつもりをしていたが、残念ながら生憎の天気なのでまだ進んだ。
(左)雪原を過ぎ、ダイレクト尾根の取り付きまでもう少しという風当たりが少なめな樹林帯を選んで荷物を降ろしてテント地を決定。
(右)二人でスノーシューを履いたまま丹念に雪を踏み固め、その後ツボ足でさらに踏み固め、もう一度スノーシューを履いて整地をしつつ踏み固め、最後にショベルで雪面を叩いて更に整地してからテント設営。
雪降る中なのでパッパと設営したいところであったが、テントを張るのが久しぶりな私はぼんさんに比べ手際が悪く時間がかかってしまった。
そして設営が完了し荷物を整理したらいよいよ野伏ヶ岳山頂を目指す。
天気が良ければテント張ってその周辺でダラダラ遊んで飯食って寝て次の日の朝から早朝アタックという予定だったのだが次の日の天気も良い予報はない、往復の時間を考えると日没までにはなんとか戻れるだろうというギリギリの時間ということで行けるうちに行っておくというプランに変更したのだ。
私は持ってきたアタックザックに防寒ウェアと山専ボトル、そしてヘッドランプを入れて歩き出す。
(左)樹林帯の中を行く。
本来ならばダイレクト尾根の下端に回り込んで登っていくのだがショートカットしていく。
(右)ショートカットすれば当然斜度がきつくなってくる。
積雪量はどの程度なのかわからんが1Mを軽く超えているのは間違いない。
(左)ダイレクト尾根に取り付きそこを登る。
(右)歩いてきた雪原が見える。
下の方にテントも見えた。
意外に登ってないな(笑)
(左)それまでよりも木々がまばらになってきた。
上に近づいてきた感あり。
しかしその上の方は雪が降りガスが濃く見通し悪い。
(右)25インチスノーシューでもトレースを外せば軽く膝下まで沈み込む新雪。
標高は大したことないが場所柄かタイミングなのか雪質が全然違って軽い、まさにパウダーだ。
イイ画だ。
木々がより少なくなり斜度がきつくなり「いよいよ山頂近いか?」と思わせる感じ。
切り替えし登っていた山スキーヤーのトレースが薄く残る。
そのトレースを使わせてもらっているが、正直それがなければスノーシューではかなりしんどかったと思う。
それにしてもガスが一段と濃くなり見通しがかなり悪い。
下を見るとこんな感じ。
このガスは不安だぜ~。
そしてここ以降トレースが消える。
更に不安・・・。
先頭をぼんさんに代わり後ろから撮った写真がこれ。
真っ白な世界だ。
何にも見えん・・・。
言えることは左斜面を歩いているということ。
ということは尾根から少し外れている。
しかしGPSで見ると方向的には合っている、でも左斜面。
回り込んでいるには間違いないがなんか違うような気がする。
視界は数Mしか利かず周りに木々もない、斜面と空との境も曖昧に。
斜面を確認するのに下に目を向けると色が付いているものは自分の足元とスノーシュー、そして視線を上げるととぼんさんの姿のみ。
これは結構怖い。
前を行くぼんさんの影からも判るとおり斜面は結構きつい。
左手の下がどうなっているのかさっぱりわからん。
そして右手の上に何があるのかもわからん。
腕にしたスント ヴェクターの高度計は1630Mを表示。
その高度が正しければ(気圧式なので正確でないのはわかっているが)残すところ40Mほど、そしてGPSでは山頂まで距離にしてあと250M程の筈だが、それも全く見えない。
このままトラバースを続けるのか?
どうする?
どうすんのオレ達!?(ちょっと大袈裟に)
つづく
今回は年も押し迫った12月30~31日の1泊2日のテント泊。
12月に入ってから雪山の相棒ぼんさんと相談し幾つかの山を候補に挙げ、岐阜県の野伏ヶ岳(1674M)をチョイス。
その理由は
①標高はそれほど高くないが山頂及びその下にある高原での景色が良さそうだということ。
②雪がある時期しか登ることが出来ない山で面白味があること(夏道のある山ではない)。
③豪雪地帯でこの時期は入る人が少なめで静かで貸し切り感があること。
④この前の夏に釣りに来た石徹白川の奥地で馴染みがあり、その点についても興味があったこと。
以上である。
しかしネガティブな点もあって少々心配した。
というのもこの厳冬期に登ったという情報が少なく豪雪地帯でもあるという点から山頂にたどり着けるのかということである。
まあ、テント担いで行くので時間的余裕は日帰りに比べれば十分ある筈なのでこの山に決定、それに合わせて準備をした。
当日は7時に某所で私をピックアップしてもらい荷物詰め込んで現地へ。
道中山に近づき峠に入る前から除雪はしてあるものの圧雪の道路コンディションで気温は-2度。
一部つづら折れの激坂区間もあるその峠の雪・凍結具合を心配していたが見事な雪、しかしぼんさんの愛車X-TRAILはそんな路面もなんのそのスリップの気配を見せることなく上がっていった。
こういうコンディションの時にはやはりこういうクルマが頼もしいし羨ましい。
そして8時45分頃現地のクルマをデポする地点に到着。
到着後ウェアを着込んで荷物を降ろし、出発の準備をする。
天気は予報通り良くはなく雪が舞うようなコンディション、そして駐車場からスノーシューを履いていけるような雪具合だ。
これでは展望が期待できるような感じはなかったが、時間の経過で少しでも好転するようにと淡い期待を抱きつつ出発。
(左)林道を歩く。
すると先行者のスキーとスノーシューのトレースが付いている。
全くトレースが無いと不安に駆られるが、それを見て少し安心する。
そしてこれで楽をできると安心する。
というのも、さすが豪雪地帯、雪は新雪のサラッサラの軽いパウダーで私の25インチのスノーシューでも沈み込み量が多くトレースがなければ相当時間を費やすことになるからだ。
しかし林道入り口からほんの少し入ったところでスノーシューを履いた二人に追いつき追い越す。
その二人、日帰りの軽装だったが既に顔を赤くしてバテているように見えた。
バテるような地点でもなかったので大丈夫かと思いながら抜いていく。
その先はスキーのトレースのみになる。
(右)一部林道をショートカットし直登して高度を上げていく。
雪原に出る。
意外に早い時間に雪原に出た。
このコースの景色がスバラシイところの一つがこの雪原。
その昔は牧場があった場所で標高1100M付近の比較的なだらかなところに木々もない一面の雪世界が広がる。
そして天気が良ければここから野伏ヶ岳がドドーンと見え、これから上っていくルート「ダイレクト尾根」と呼ばれる尾根が見える。
しかし、天気悪く降雪とガスで全くと言っていいほど見えない・・・
ま、予期していたことではあるのでそれほどがっかりすることもなくもくもくと進んでいく。
(左)なだらかな雪原では足取りも軽くどんどん進む。
(右)天気が良ければこの雪原でテントを張るつもりをしていたが、残念ながら生憎の天気なのでまだ進んだ。
(左)雪原を過ぎ、ダイレクト尾根の取り付きまでもう少しという風当たりが少なめな樹林帯を選んで荷物を降ろしてテント地を決定。
(右)二人でスノーシューを履いたまま丹念に雪を踏み固め、その後ツボ足でさらに踏み固め、もう一度スノーシューを履いて整地をしつつ踏み固め、最後にショベルで雪面を叩いて更に整地してからテント設営。
雪降る中なのでパッパと設営したいところであったが、テントを張るのが久しぶりな私はぼんさんに比べ手際が悪く時間がかかってしまった。
そして設営が完了し荷物を整理したらいよいよ野伏ヶ岳山頂を目指す。
天気が良ければテント張ってその周辺でダラダラ遊んで飯食って寝て次の日の朝から早朝アタックという予定だったのだが次の日の天気も良い予報はない、往復の時間を考えると日没までにはなんとか戻れるだろうというギリギリの時間ということで行けるうちに行っておくというプランに変更したのだ。
私は持ってきたアタックザックに防寒ウェアと山専ボトル、そしてヘッドランプを入れて歩き出す。
(左)樹林帯の中を行く。
本来ならばダイレクト尾根の下端に回り込んで登っていくのだがショートカットしていく。
(右)ショートカットすれば当然斜度がきつくなってくる。
積雪量はどの程度なのかわからんが1Mを軽く超えているのは間違いない。
(左)ダイレクト尾根に取り付きそこを登る。
(右)歩いてきた雪原が見える。
下の方にテントも見えた。
意外に登ってないな(笑)
(左)それまでよりも木々がまばらになってきた。
上に近づいてきた感あり。
しかしその上の方は雪が降りガスが濃く見通し悪い。
(右)25インチスノーシューでもトレースを外せば軽く膝下まで沈み込む新雪。
標高は大したことないが場所柄かタイミングなのか雪質が全然違って軽い、まさにパウダーだ。
イイ画だ。
木々がより少なくなり斜度がきつくなり「いよいよ山頂近いか?」と思わせる感じ。
切り替えし登っていた山スキーヤーのトレースが薄く残る。
そのトレースを使わせてもらっているが、正直それがなければスノーシューではかなりしんどかったと思う。
それにしてもガスが一段と濃くなり見通しがかなり悪い。
下を見るとこんな感じ。
このガスは不安だぜ~。
そしてここ以降トレースが消える。
更に不安・・・。
先頭をぼんさんに代わり後ろから撮った写真がこれ。
真っ白な世界だ。
何にも見えん・・・。
言えることは左斜面を歩いているということ。
ということは尾根から少し外れている。
しかしGPSで見ると方向的には合っている、でも左斜面。
回り込んでいるには間違いないがなんか違うような気がする。
視界は数Mしか利かず周りに木々もない、斜面と空との境も曖昧に。
斜面を確認するのに下に目を向けると色が付いているものは自分の足元とスノーシュー、そして視線を上げるととぼんさんの姿のみ。
これは結構怖い。
前を行くぼんさんの影からも判るとおり斜面は結構きつい。
左手の下がどうなっているのかさっぱりわからん。
そして右手の上に何があるのかもわからん。
腕にしたスント ヴェクターの高度計は1630Mを表示。
その高度が正しければ(気圧式なので正確でないのはわかっているが)残すところ40Mほど、そしてGPSでは山頂まで距離にしてあと250M程の筈だが、それも全く見えない。
このままトラバースを続けるのか?
どうする?
どうすんのオレ達!?(ちょっと大袈裟に)
つづく