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ダッチングを積んだ電車

新潟の蒲原鉄道は1985年3月31日に加茂~村松間が廃止され、ついには1999年10月3日に残されていた村松~五泉間の全線が廃止されました。

images(蒲原鉄道の電車…同社ホームページより)

末期は、単行電車のワンマン運転がメインとなり、村松駅~五泉駅間の途中駅は無人駅である今泉駅1駅しかないという「ミニ私鉄」になってしまいました。
そして、今泉駅発の乗車券は車内にて運転士が硬券を発売していました。

images(村松ゆき大人用) images(村松ゆき小児用)

images(五泉ゆき大人用) images(村松ゆき小児用)

発売されていた券種は日本交通印刷製の4種のみで、発行駅名はすべて村松駅発行となっています。これは、本社および車庫が村松駅構内にあったことに由来していると思われます。
地紋は、村松ゆき小児券のみが「TTD」の旧地紋のままでしたが、そのほかは「JBR」の新地紋となっていました。

これらの券は、車内発売であるにもかかわらず、ダッチングによる日付の印字がされておりますが、このために各車輌の各運転台にはダッチングが備え付けられていて、発売の都度運転台にて日付を印字していました。

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上の写真が運転台に備え付けられていたダッチングです。両端の運転台前方の窓枠に台が設けられ、その上に「鎮座」していました。
車輌にダッチングが備えられていた例としては、国鉄士幌線の糠平~十勝三股間の代行バス (災害によって鉄道が不通になっていたため、上士幌タクシーのマイクロバスが列車代行として走っていた) のダッシュボードにダッチングが括り付けられていたことが有名ですが、電車の運転台に置かれていた例は他にないのではないかと思います。

このダッチングによって印字された数字を見ていると、一つ面白いことに気づきました。
では、わかりやすくするため、拡大してみましょう。

images

発行されたのは平成11年ですが、どうやらこのダッチングは昭和40年代~60年代対応のもののようで、平成10年代は印字できないものだったようです。
そのため、一番最初の数字には、「4」の字の左側の部分をヤスリで削って「1」にした、涙ぐましい(?)努力の跡が伺えます。 

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