JR直営の印刷場名は国鉄時代の印刷場名を使用します。
10年以上前に御紹介した券も再度御紹介しようかと思います。
古紙蒐集雑記帖
北陸鉄道 石川線用車内補充券
先日鶴来駅~加賀一の宮駅間が廃止されてしまった北陸鉄道石川線ですが、国が支援する緊急雇用対策により、列車内でのお年寄りや障害を持つ乗客の手助けや案内等をおこなう女性アテンダントさんが日中乗務しています。
アテンダントさんは車内補充券を持っており、無人駅からの乗客に対し、乗車券の発売も行っています。
これがアテンダントさんから購入した車内乗車券です。
北陸鉄道伝統(?)の白い無地紋のペラペラ券で、間違えて控片を渡されてしまったような券です。
乗車券のヘッダーには「(石川線)」と書かれており、かつての車掌さんが乗務していたころの車内補充券を彷彿させる様式です。
これまで合理化によりワンマン運転が基本となっていたため、再び補充券が容易に購入できるようになったのは、乗車券蒐集家の立場として嬉しい限りです。
ただ、無人駅から乗車したら整理券を取り、降車時は運賃箱に整理券と運賃を入れるという乗車方法が浸透しているせいか、平日の車内では、残念ながら、わざわざアテンダントさんから乗車券を購入する乗客は多くはないようです。
2枚目の券は、20年くらい前の金名線が廃止された後に乗車した際に購入したものです。
現行のものとレイアウトは違っていますが、雰囲気は良く似ています。
3枚目のものは、現在の石川線の他、金名線(加賀一の宮~白山下間)と能美線(鶴来駅~新寺井駅間)の廃止前のもので、当時は石川線・金名線・能美線の3路線をひっくるめて「石川総線」と呼ばれていた頃のものです。
金名線は利用客の減少によって昭和45年4月に日中の電車の運転が休止されたまま朝夕のみの運転となり、昭和58年10月に大日川橋梁の破損により大日川駅~白山下駅間が不通になる苦難を乗り越えましたが、昭和59年3月に復旧したものの、9ヶ月後の同年12月には全線休止状態となり、昭和62年4月、正式に廃止されてしまいました。
能美線も昭和45年4月、金名線同様に日中の電車の運転が休止され、昭和55年9月には廃止されてしまっています。
(元京王3000系の7700系)
(元東急7000系の7000系)
石川総線時代は雑多な旧型電車が走っていた石川線ですが、今や電車は元京王や東急を走っていたステンレスカー2車種に絞られています。
(旧型電車)
現在でも、鶴来駅構内にはこのような旧型電車が1両残されていますが、かつて日中の電車の運転が休止されていたような支線が存在したなんて思えないほど車両の近代化が図られています。