青函連絡船のオレンジカード ~その③

青函連絡船シリーズの最終回です。


● 石狩丸

    (石狩丸)

石狩丸は昭和52年5月に就航した貨車運搬船で、青函航路では最も新しい船です。昭和57年3月に桧山丸ともに客貨船に改造されました。

終航後は香港・キプロス・ギリシアへ転売され、現存していない模様です。


● 空知丸

    (空知丸)

空知丸は石狩丸同様の貨車運搬船で、昭和51年4月に就航しました。
ただ、石狩丸や桧山丸とは違い、客貨船に改造されることなく貨車運搬船として運航され、青函航路廃止前日の昭和63年3月12日に終航しました。

終航後はギリシアの海運会社に売船され、客船として地中海航路で運航され、その後は韓国へ転売されているようです。


● 補助汽船(ふくうら丸)

    (ふくうら丸)

補助汽船というのは青函連絡船内部での呼称のようで、一般的にはタグボートと言います。
今回のオレンジカードには補助汽船のカードはありませんでしたが、連絡船の運航上なくてはならない存在ですので、「補足」として御紹介いたします。

本船が桟橋に接岸・離岸するのを補助する補助汽船は、写真のように、本船を舳先で押して船体の向きを変える作業をしていました。
ふくうら丸は、函館ドックで建造された青函航路最後の補助汽船で、昭和53年6月に就航し、青森港で使用されました。
昭和53年5月には同型のひうら丸も就航し、こちらは函館港で使用されています。

御紹介の写真は、私が青函連絡船に乗船した際、青森港での接岸時に甲板から撮影したものですが、残念ながら、函館港で僚船であるひうら丸の撮影を失念し、写真がありません。

両船共に昭和63年3月13日の青函連絡船廃止当日まで使用された後売船され、ふくうら丸は苫小牧港で、ひうら丸は石狩新港および小樽港でタグボートとして使用されましたが、現存していないようです。


以上、3回に亘って青函連絡船の船を御紹介して参りました。
青函連絡船関連の「きっぷ」の蒐集をしていると、船内で発行された乗車券類の発行箇所名が本船名となっているため、目に留まる機会は多いと思います。
参考にしていただければ幸甚です。

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