JR東日本 清里駅発行 葉ッピーきよさと号指定席券

平成元年8月に清里駅で発行された、葉ッピーきよさと号の指定席券です。

 

   


緑色JRE地紋の東京印刷場で調製された、列車名と着駅が記入式のD型券です。
葉ッピーきよさと号の運転に際して設備されたものと思われますが、同列車運転終了後も使用できるように考えていたのか、あるいは、印刷請求時には列車名が決まっていなかったのか不明ですが、発駅が印刷されているにも拘わらず、列車名は記入式となっていました。


JR東日本管内では硬券による指定席券の設備例はあまり多くなかったようですが、バブルまっ盛りの当時、清里は若年層に大変人気のある避暑地のメッカであったことから、季節ごとに様々な臨時快速列車の設定が予想され、マルス端末の設置されていない同駅では、いちいち料補による対応をするわけにもいかずに設備されたものと思われます。


葉ッピーきよさと号はJR発足当時に新宿~清里間(年によっては小海までだったか…)に運転されていた臨時快速「電車」で、北長野運転所の169系4両編成が使用されていました。新宿~小淵沢間は中央本線を走行し、小淵沢ではホームのない中線に40分程度の運転停車をした後、非電化の小海線に入って行く電車列車でした。

小淵沢の運転停車では、どこから持ってきたのか覚えていませんが、ディーゼル発電機を持つスハフ12型客車が電源車とされ、篠ノ井機関区のDD16が連結されていました。連結作業が完了すると169系電車はスハフからの電源に切換えてパンタを下げ、小海線内では169系は「客車」の扱いとなっていました。そのため、操車掛が屋根に上り、甲種回送のように下げたパンを固定します。

翌年からはDD16にインバータを搭載して電源車が廃止され、169系電車も松本運転所の3両編成に変更されましたが、電力容量が不足したため、169系「客車」はクーラーが切られ、窓を開けて走行することとなりました。


葉ッピーきよさと号は大変荒業なことをやってのけた列車で、その後も信州循環列車といった「電車客車」列車が小海線に入線しましたが、今や急行型電車はJR東日本から撤退し、このような名物列車も見られなくなってしまいました。
ちなみに、当時使用されていた169系電車は、しなの鉄道に譲渡されて今でも健在です。

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