JR直営の印刷場名は国鉄時代の印刷場名を使用します。
10年以上前に御紹介した券も再度御紹介しようかと思います。
古紙蒐集雑記帖
市ヶ谷駅 3態 ~都営地下鉄
昭和61年2月に都営地下鉄市ヶ谷駅で発行された、140円区間ゆきの金額式乗車券です。
黄色東京都交通局自局地紋のB型大人専用券です。東京都交通局の硬券の印刷場は1箇所のようですが、どこの印刷場なのか存じ上げません。この券は国鉄から乗換える際の営団地下鉄管理の精算窓口で購入したもので、裏面の発行箇所名の前に営団地下鉄発行を示す「〇エ」の記号が付されています。
ちなみに、国鉄時代に発売された東京都交通局の券には、発行駅名の前に東京西鉄道管理局を示す「〇西」の符号が付けられていました。
3回に亘って市ケ谷駅3社局の硬券乗車券を御紹介して参りましたが、厳密に言うと都営地下鉄だけ駅名が違うことにお気づきでしょうか?
JR東日本および営団地下鉄(現・東京メトロ)は「市ケ谷」駅と「ケ」の字が大きく、都営地下鉄だけが「市ヶ谷」駅と「ヶ」の字が小さいのです。
改めて見ますと、JRと営団地下鉄の「ケ」は大きく、都営地下鉄の「ヶ」は小さいことがお分かりかと思います。
もともと市ケ谷駅は甲武鉄道の時代から存在する国有化された官設鉄道の駅を起源とした駅です。
営団地下鉄が有楽町線を開業させる際、国鉄駅との区別を付けるため、営団の市ケ谷駅は地下鉄市ケ谷駅として開業しましたが、実態としては区別を付けるために定期券やマルス券の表記に「地下鉄市ケ谷」の表記が見られるに過ぎず、券売機券に至っては「〇地 市ケ谷」と表記されているくらいで、「地下鉄」から駅名が印刷されたものを探すことが困難なくらいです。
しかし、都営地下鉄に関しては、「都営市ケ谷」とすることなく、混同を避けようとしたのでしょうか、正式な駅名は「市ヶ谷」として開業しています。しかし結果として、何となくこの方がややっこしい気がします。