趣味で蒐集した「きっぷ」を見て考えたこと、とか…
JR直営の印刷場名は国鉄時代の印刷場名を使用します。
古紙蒐集雑記帖
JR東海 新大阪駅発行 天満経由天王寺ゆき乗車券
昭和63年7月に、新大阪駅新幹線乗換精算所で発行された、新大阪から天王寺までの片道乗車券です。
名古屋印刷場調製の赤色JRC地紋のB型一般式券です。
当時、JR東海では近距離用の硬券乗車券は地方ローカル路線では現役で発売されており、拙ブログ10月17日エントリーの「JR東海 鼎駅発行『飯田線鼎駅記念きっぷ』」でご紹介いたしました三河一宮駅発行の券のような例がありましたが、今回ご紹介の券は経由表記があるためでしょうか、運賃や「下車前途無効」の表記位置に違いがあります。また、その影響なのでしょうか、発行箇所名の表記に特活を使用することなく、一番下の行に長々と表記されています。
ところでこの券ですが、新大阪駅から天王寺駅までは大阪電車特定区間完結の区間であり、しかも、大阪から天王寺の区間については大阪環状線の区間となります。しかし、大阪電車特定区間相互間の乗車券でありながら、「天満経由」と表記が謳われています。
新大阪から天王寺まで、天満経由で営業キロ14.5km200円(当時)であり、逆回りの福島経由でも営業キロ14.8km200円で運賃は同額です。しかも、大阪近郊区間相互の乗車券はエリア内であれば乗車経路に制限はありませんから、わざわざ経由を表記しなくても良いように感じます。
この区間の乗車券をマルスで発券すれば、経由表記は「東海道・大阪環状」となる程度で、恐らく天満経由となることはないでしょう。敢えて運賃帯のことを考慮したとしても双方とも11~15kmの区間内であり、全く意味がありません。
もしかすると、新大阪駅の精算所で大阪近郊区間発の原券から差額精算の乗越精算をする時のことを考えたのかもしれませんが、それでも理にかなっていません。
この券の経由表記に、何らかの意味があるのでしょうか?
参考までに、昭和62年4月のJR化直後に同じ窓口で発行された、同じ口座の券をアップします。
これはまだ大阪印刷場で調製された国鉄地紋の過渡期の券で、大阪特有のA型一般式となっています。こちらには経由表記はありませんでしたので、名古屋印刷場に移管された際、何らかの理由で経由表記が付けられたみたいです。