JR直営の印刷場名は国鉄時代の印刷場名を使用します。
10年以上前に御紹介した券も再度御紹介しようかと思います。
古紙蒐集雑記帖
国鉄の補充連続乗車券見本
前回エントリーに続きまして、昭和47年に国鉄東京印刷場が発行しました、補充券の見本券を御紹介いたします。
今回は補充連続乗車券(補連)です。
補連はJRになってからも様式は継承されており、篠ノ井線の坂北駅で使用されていたのが最後の使用駅として有名でしたが、平成18年に同駅がPOS化されてしまってからは規程上様式だけが残されて消滅していることになります。
補充連続乗車券も青色こくてつ地紋の軟券です。これも国鉄末期には民間の印刷会社へ委託されていた可能性がありますが、これは東京印刷場調製のものです。
旅客の手に渡るものは右側の「甲の1」および「甲の2」片2枚であり、左側の乙片が報告片となります。
補連は補片や補往と比べると紙質がやや厚めであり、また、報告片の様式もあまり記載事項が無く、かなり趣が異なります。
「甲の1」および「甲の2」片につきましては一般式券が2枚並んでいるような様式で、各片名の右脇に発行鉄道管理局の符号が記されており、この券は東京南鉄道管理局用として作成されたもののようですので、「〇南」の表記があります。
なぜか券番は2ケタのみとなっているのが補連の特徴で、私が知る限りでは国鉄時代のものは2ケタ券番となっており、その上に別途ゴム印で册番を捺印していたようです。この番号の付け方は、昭和30年代から続いていたようです。
実際に使用された補連の例です。大口駅で新幹線で名古屋まで行く際に購入したもので、大口~蒲田~東京都区内~名古屋市内という経路で発行されています。券番の上に「11」と捺印されている番号が册番で、駅で捺印されています。
補片や補往と比べて補連は需要のあまり無い券種からなのか、発行箇所名が印刷されているものは未見であり、恐らくすべてが駅名記入式であったものと思われます。その関係から、册番を管理しやすいように各駅ごとにナンバーリングした可能性があります。
また、補連だけの特徴として、補片や補往にはない、小児専用券が存在していました。
矢向駅で発行された小児専用の補連です。「小」の赤い影文字が印刷されています。
裏面です。
補往と同じように、各券片に御案内分があり、報告片については何も印刷されていません。