東京都交通局 東京都電ご愛顧感謝乗車券

昭和42年に発行された、「東京都電 ご愛顧感謝乗車券」です。


   


これは東京都電が本格的に廃止されることになった昭和42年に発行された、記念乗車券となります。

東京都交通局の都電および都バス関連で使用される自局地紋の券が右端に付けられたもので、乗車券には単に「電車乗車券」とだけ記載されています。
図柄は1882年の馬車鉄道開業馬車鉄道の鉄道馬車と、昭和42年の第1次都電撤去対象である銀座線の花形であったPCCカー5500型5501号とが描かれています。


東京都電は昭和42年以前にも東京オリンピック開催に伴う道路整備や、競合する地下鉄路線の建設および開通によって部分的に路線が廃止されてきましたが、東京都の財政再建に伴う都電撤去計画に基づき、昭和42年12月10日の銀座線を含む8路線の廃止を初めとして、昭和47年11月の第7次都電撤去までに現在の荒川線の一部となる2系統(27系統および32系統)を除き廃止されました。


この券は廃止の始まる昭和42年のものとされていますが、都電の運賃は昭和42年10月に15円から20円に引き上げられていますので、この券が発行されたのは運賃改定後である10月以降に発行されたものと推察されます。


どのように発売されていたかが不明ですが、当時、都電の片道乗車券は車内で車掌から買い求める方法が採られており、案内所等では発売されていませんでしたので、記念券として案内所で発売されていたか、車掌が通常の片道乗車券として発売していたかのどちらかであったものと考えられます。

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