趣味で蒐集した「きっぷ」を見て考えたこと、とか…
JR直営の印刷場名は国鉄時代の印刷場名を使用します。
古紙蒐集雑記帖
宇野駅発行 宇高航路ホーバークラフト就航10周年記念乗車券
昭和57年11月に宇野駅で発行された、宇高航路ホーバークラフト就航10周年記念乗車券です。
岡山鉄道管理管理局が発行したもので、記念台紙にB型硬券乗車券が挟んである様式になっています。
この頃になりますとホーバークラフト運航開始当時に導入された「かもめ」は引退し、2代目の船舶である「とびうお」が就航しており、写真も「とびうお」が運航されているものとなっています。
裏面です。
裏面には「とびうお」の説明が書かれており、これによりますと、最高速度が52ノットもあったことがわかります。海では陸上とは異なる距離の単位や速度の単位が使用されます。通常、距離の単位として海里(ノーティカルマイル・M)が、速度の単位としてノット(kt)が使用されます。1海里と言うのは1,852メートルです。
これは一見中途半端な数字に見えますが、海上交通では海図を使用している関係で、これらの単位が使用されています。緯度は北極点から赤道まで90度あり、1度が60分ですので5,400分あります。地球の1周は約40,000キロメートルで90度は地球の1/4ですから、約10,000キロメートルです。10,000キロメートルを5,400分で割ると1.852キロメートル(1,852メートル)ですので、1海里は緯度1分のことになります。
現在運航されているコンテナ貨物船がだいたい26ノット前後の速度で運航していますので、「とびうお」がいかに速い船舶であったかということがお分かりいただけますでしょうか?
話が逸れてしまいましたが、券を見てみましょう。
今回の記念乗車券は岡山鉄道管理局で発行されておりますので、広島印刷場で調製された券となっています。桃色こくてつ地紋のB型券一般式券となっています。宇高連絡船の船内精算所でも宇高航路完結の一般式乗車券を発売しておりましたが、こちらは双方向とも高松印刷場様式となっておりましたので、広島印刷場調製のものは珍しく思えます。
どうせならばホーバークラフトに乗車するには宇高ホーバー券という船急行券が必要ですので、乗車券と宇高ホーバー券の連綴券であったら面白いのですが、そうはならなかったようです。