田沢湖駅発行 田沢湖から50kmまで乗継用B自由席特急券

昭和58年2月に田沢湖線田沢湖駅で発行された、田沢湖から50kmまでの乗継用B自由席特急券です。


   


桃色こくてつ地紋のA型大人・小児用券で、新潟印刷場で調製されたものです。


当時の田沢湖線はまだ標準軌改軌前で秋田新幹線は開通しておらず、新幹線を利用するには盛岡駅まで在来線で出たうえで乗換となっていました。
田沢湖線内は、盛岡駅~秋田駅間を特急「たざわ」号が運転されており、B特急料金が設定されていました。

田沢湖駅から東北新幹線乗継駅である盛岡駅は田沢湖駅から営業キロ40.1kmであり、50kmまでの特急料金が適用になります。この券は東北新幹線乗継用の特急券で「50kmまで」と記載されていますが、雫石駅および小岩井駅に一部の列車が停車することを考えると、「盛岡」と記載したほうが適切であったかもしれません。
また、乗継用の自由席特急券にしては立席特急券のように列車名を指定する欄があり、ちょっと違和感のある券です。


特急「たざわ」は気動車急行「八幡平」を起源とする列車でしたが、東北新幹線が開業した昭和57年11月に田沢湖線も全線電化され、急行「八幡平」は電車による特急「たざわ」となり、昭和60年には青森駅まで運転区間が延長されています。

平成8年3月になると、田沢湖線は東北新幹線から分岐する在来線である秋田新幹線になることが決まり、改軌工事のため全線が運休となったため、特急「たざわ」は運転区間を秋田駅~青森駅間に変更し、代替措置として北上線経由のキハ110系による気動車特急「秋田リレー」号が北上駅~秋田駅間で運転されています。この「秋田リレー」はJR東日本の気動車で定期運行された唯一の特急列車となっています。

しかし、翌平成9年3月の秋田新幹線開業に伴い、北上線経由の「秋田リレー」号は1年足らずで廃止され、特急「たざわ」は秋田新幹線とならなかった盛岡駅~青森駅間を走る特急「かもしか」に改称されています。

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