趣味で蒐集した「きっぷ」を見て考えたこと、とか…
JR直営の印刷場名は国鉄時代の印刷場名を使用します。
古紙蒐集雑記帖
南国交通 鹿児島空港出札所発行 空港バス共通乗車券
2018(平成30)年10月に、南国交通鹿児島空港営業所管内にあります、鹿児島空港出札所で発券された、空港バス共通乗車券です。
黄色鹿児島空港バス専用地紋の金額式券で、券売機によって発券されています。
鹿児島空港には南国交通の他に鹿児島交通のバスが乗り入れており、この券は発着するどの事業者のバスにも使用することができます。図示いたしませんが、この券は料金機対応になっており、裏面にも全く同じ地紋と印字がされています。
この券の特徴は地紋にあります。
では地紋を拡大してみましょう。
大きく拡大してみました。
拡大してみますと、いろいろなバス事業者の名前が入っていることがわかります。
1. ナンゴクコウツウ (南国交通バス)
2. ジェイアール (JR九州バス)
3. カゴシマコウツウ (鹿児島交通バス)
4. ハヤシダサンギョウ(林田産業交通バス)
5. クウコウリムジン (鹿児島空港リムジン)
6. ナンキュウコウソク(南九州高速バス)
以上6社の名前が確認できます。
このうち、南国交通バスとJR九州バス、鹿児島交通については現在でも運行されておりますが、林田産業交通バスは1996(平成8)年に経営破綻したうえで林田バスに社名変更され、いわさきグループの傘下に入り、いわさきバスネットワークに移行されますが、2016(平成28)年に鹿児島交通に譲渡のうえ、会社は解散してしまっています。
また、鹿児島空港リムジンは鹿児島交通と林田産業交通バスが共同出資で立ち上げた、全国的に珍しい空港バスの専業会社でしたが、2006(平成18)年に鹿児島交通に移管されています。
さらに、南九州高速バスは鹿児島交通と林田産業交通バス、南国交通バスの3社共同出資で立ち上げた高速バスを運行する会社でしたが、2004(平成16)年に会社が清算されてしまっています。
このように、地紋に描かれている6社のバス事業者のうち3社が2004年から2016年の間に無くなってしまっているわけですが、この券紙はいつの時代からのストックなのか、大変興味深い所です。