猪谷駅発行 神岡駅ゆき片道乗車券

1983(昭和58)年8月に高山本線猪谷駅で発行された神岡駅ゆきの片道乗車券です。


   

桃色こくてつ地紋のB型一般式大人・小児用券で、名古屋印刷場で調製されたものです。

現在の猪谷駅は高山本線のJR東海とJR西日本の無人境界駅になっていますが、当時の猪谷駅は駅員が配置され、高山本線だけでなく、当駅を起点として神岡線が乗り入れていました。

神岡線は終点の神岡駅からの神岡鉱山の製品輸送のための路線で、開業は1966(昭和41)年と比較的新しく、全線の64%がトンネルまたは橋梁という山岳路線でしたが、開業からわずか15年の1981(昭和56)年に第1次特定地方交通線として廃止承認され、その3年後の1984(昭和59)年に廃止されてしまいます。
廃止後は第三セクターの神岡鉄道に移管されて営業を続けていましたが、収入の7割以上を占め経営の柱であった神岡鉱山からの硫酸輸送が廃止されると経営が困難になり、神岡線開業から40年後の2006(平成18)年に神岡鉄道は廃止されてしまっています。

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