南小松島駅発行 徳島から100kmまでの急行券

昭和61年5月に南小松島駅で発行された、徳島から100kmまでの急行券です。


   


高松印刷場調製の桃色こくてつ地紋のA型券で、乗車駅であります「徳島」は印刷されたものとなっています。


国鉄時代の南小松島は本州との連絡フェリーが発着する小松島港に近く、本四連絡の要衝として栄えていたために現在の倍近くの乗車人員数があった駅でした。本州からのフェリーから流れてきた利用客はここで鉄道に乗換え、四国各地へ向かっていました。


昭和61年当時、牟岐線阿南から高松までの急行阿波4号が運転されていました。この券は時間的に考えても比較的需要の多い当該列車の旅客に対応できるように設備されていたと推測されます。

急行阿波4号は牟岐線内は普通列車、徳島から先高松まで高徳線内は急行列車として運転されており、0720に阿南を発車して途中南小松島駅を0748に出発し、徳島に0809に到着すると車両を増結のうえ0830に出発し、1001に高松に到着する列車でした。

南小松島から乗車した旅客は途中駅徳島から急行券が必要となるわけで、殆どの旅客が徳島以遠の乗車券を購入する際に予め急行券も購入の上乗車したものと思われます。

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東神奈川車掌区乗務員発行 自由席特急券付き特別補充券

東神奈川車掌区乗務員発行の房総方面ゆきの特別補充券です。


   


橙色こくてつ地紋の駅名式券で、東京駅(東京山手線内)から房総各地方面専用かつ、運賃料金も東京駅からのものとなっています。そして、乗車券部分の下には赤横一条の引かれたB自由席特急券が付いています。これが、前回エントリーさせていただきました、いすみ鉄道の特別補充券の元になった様式のひとつと思われます。


東神奈川車掌区は横浜線の他、根岸線と京浜東北線を受け持っている車掌区で房総各線とは何ら関係の無い乗務区でありますが、同区に設備されていた特殊区間用の車補とは別にこのようなものを設備していたことになります。

しかし、どんなに頻繁に車掌が車内を巡回して精力的に車内精算をおこなったとしても、房総方面専用で、しかも東京駅発という特殊な専用乗車券は相当数を捌けるものではなく、地図式である通常使用の特殊区間用ひとつあれば充分事足ります。恐らく、この券は通常の車内精算に用いられたと言うより、東京駅のコンコース等への出張臨発する時に使用されたものと推測することも出来ます。

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いすみ鉄道 特別補充券

いすみ鉄道で昨年末あたりから発売された、三角表式の特別補充券です。


   


橙色こくてつ地紋の軟券で大多喜運輸区乗務員発行となっておりますが、実際には乗務員氏はこの券を携帯しておらず、大多喜駅の出札窓口に置かれていました。最近の同社硬券同様に国鉄時代の雰囲気を醸し出した券です。


国鉄時代のローカル線の車内補充券を模した様式となっており、発駅と着駅から線を引き、ぶつかった交点がその区間の該当運賃となる三角表式となっています。

事由欄についてもいろいろな券として発行できるようになっており、片道の他に「別途片道」「ホタル列車」「紛失」「誤購入」「手回り品」「自転車手回り券」などの欄があり、一番下には「ホタルウォチング(=ウォッチング?)許可証」なんてものまであります。


注目すべきは券の下に付いている急行券部分です。一般的にはあまり馴染みの無い様式ですが、国鉄時代の千葉の券にはかつてこのような独特な様式のものがあり、知る人ぞ知る、なかなかマニアックなものです。


   


裏面です。

なかなか良くできていますが、「概算額収受」が「概算額領収」となっていて、凝った券面であるだけに少々残念です。


では次回、急行券部分のところで触れました千葉独特の「マニアックな券」を御紹介いたしましょう。

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JR九州 大村駅発行南島原ゆき連絡乗車券

平成2年3月に発行された、大村から島原鉄道南島原ゆきの連絡片道乗車券です。


   


桃色JRK地紋のB型一般式券で、門司印刷場調製によるものです。


大村線諫早経由で島原鉄道南島原まで行く最短ルートの券で、設備された当時の運賃である1370円が1380円に改訂されています。通常であれば運賃変更印か「〇〇〇〇円に変更」という印を捺して運賃変更の処理をしますが、この券については1380という改訂後の運賃を捺印し、旧運賃の上に駅名小印が捺されています。このような運賃変更の方法はあまり見たことがありません。


蛇足ですが、経由表記の諫早の「諫」という字が「言東」という活字になっており、厳密にいえば字が違っているということになります。

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JR東日本 勝沼ぶどう郷駅無効印

平成18年10月に使用された団体ツアー用の乗車票です。


   


ぶどう狩りの季節、中央線には山梨のぶどう狩りツアーが催行されます。この券はびゅうで発売された、「勝沼ぶどうまつり」へ行くパッケージツアー用に旅行端末で発券された乗車票です。
三鷹から勝沼ぶどう郷までの乗車券と、特急かいじ101号の特急券がセットになった一葉券となっています。


下車の際、いつものように無効処理をしていただいてゲットしたわけですが、捺してもらった無効印には驚きました。なんと駅名が「勝沼」となっているのです。


勝沼ぶどう郷駅は大正2年にスイッチバック式の大日影信号場として開設され、開業してすぐに勝沼駅に昇格します。昭和43年には複線化によってスイッチバックが解消され、JR化後の平成5年4月に勝沼ぶどう郷駅に改称されています。

この券を頂いたのは平成18年ですので、実に駅名改称されてから13年の間、旧駅名の無効印が使用されていたことになるわけです。尤も、無効印は本来直接旅客の目に触れるものではありませんし、これが旧駅名のままであっても何ら問題が無いからでしょう、駅名改称後もずっと生き延びてきたわけです。

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