西武鉄道 西武秩父駅発行 前売用乗車券

突然の存廃問題の浮上した西武鉄道秩父線の西武秩父駅で、平成元年5月に発行された、池袋ゆきの片道乗車券です。


   


緑色西武鉄道自社地紋のB型券で、井口印刷で調製されたと思われる矢印式券です。


現在同社では硬券の乗車券類は記念きっぷを除き廃止されておりますが、硬券健在の当時、片道乗車券は金額式券が主流であり、特急券と同時に発売する乗車券についてはこのような矢印式券が存在しておりました。

この券は発売当日の特急に乗車したために特に記載されておりませんが、特急券の関係で前売として発売された場合、区間の下にある「(急)  月  日から有効」の欄に乗車日を記入することにより、これを「から通」印として使用することができるようになっています。


   


こちらは昭和62年2月に池袋駅で発行された、西武秩父から所沢までの帰路用として発行された乗車券です。1枚目とは違って山口証券印刷調製と思われるもので、雰囲気がかなり異なっています。
この券はから通欄のところに乗車日の記載をすることにより、2月7日に発行された乗車券ですが、11日に使用することができるようになっています。


一般的に、他の事業者ではこのような「から通」欄を予め設けている硬券を発行している例は殆どなく、珍しい例であると思われます。
特に国鉄では「から通」印の管理は厳格であったと聞きますので、この温度の違いは鉄道事業者の考え方によるものと思われます。

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