広島電鉄 市内線電車乗換券 ~その2

前回エントリーで広島電鉄市内線電車乗換券のうち3号線から2号線へ乗り換える際に交付された券を御紹介いたしましたが、もう1種類手元にございましたので御紹介いたしましょう。


   


今回御紹介いたしますのはいたしましたの2号線から3号線に乗換える際に発行されたもので、赤色広島電鉄自社地紋の券となっています。
改めて、同社路線図を手元に添えて観察した参りましょう。(広島電鉄路線図


この券は鉄道線である宮島線広電宮島口駅から市内線直通の電車を紙屋町西停留場で下車し、3号線宇品方面の電車に乗換える際に交付されたものです。入手した時から券の四隅がかなり痛んでおり、日付の無いことから使い回しをしているのかも知れません。

   


裏面のご注意事項です。
前回エントリーの券とは異なり、この券は宮島線からの旅客に交付するためのものでありますので、宮島線を利用する際には別途追加運賃が加算される旨の文言はありません。


同社ではホームページで電車旅客営業規則を公開しておりますが、これを見ますと電車乗換券についての記述が16ページ「第78条の2」に明記されており、31ページには電車乗換券の様式が掲載されています。

管理人は関東在住なので日常的に広島電鉄を利用するわけではありませんので調査は致しておりませんが、同社の電車乗換券の様式にはかなりの種類があると思われ、興味深い内容であると思います。

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広島電鉄 市内線電車乗換券 ~その1

平成29年9月に入手いたしました、広島電鉄市内線で発行された、市内線電車乗換券です。


   


青色広島電鉄自社地紋の半硬券のような券紙となっています。
広島電鉄市内線の路線図が頭に入っていないと分かりにくいかと思いますので、路線図をリンクいたしましたので参考にされて下さい。
 広島電鉄路線図:ここをクリックすると路線図が出ます

この券は3号線の広島港および宇品二丁目停留場から運転されている電車に乗車し、比治山橋停留場を経由して的場町停留場で下車し、3号線が行かない2号線の紙屋町停留場方面へ引き続き乗車する際に発行されます。
同社では旅客電車営業規則において、
(乗継ぎ及び乗換えの運賃)
第 78 条 乗継ぎ及び乗換えの運賃については、以下のとおりとする。
(1) 鉄道における乗継ぎの運賃 (省略)
(2) 軌道における乗換えの運賃
イ 乗換指定停留場(的場町、八丁堀、紙屋町東・紙屋町西・本通、十日市町、土橋、日赤病院前[広島港方面のみ]、広電本社前、皆実町六丁目、宇品二丁目)において第 63 条又は第64 条に規定する普通旅客運賃を収受し、軌道へ乗換えた場合は、乗換え後の運賃を無賃とする。
とあり、同社市内線は短区間のために特殊な9号線を除いて全線均一180円(平成30年現在)としており、乗換をしなければ到達できない区間については乗換後の運賃を無賃とすることになっています。

そのため、乗換停留場で下車する際に所定の運賃を支払い、この先乗り換える旨を乗務員に告げると、運賃をすでに収受した証明として市内線電車乗換券が発行されます。


   


裏面です。
ご注意事項に記載されていますように、本券はあくまでも市内線の均一運賃に対応するものでありますので、対距離制運賃を導入している鉄道線である宮島線は対象外で、鉄道区間まで乗車する際には別途追加運賃が加算される旨が記載されています。また、指定された乗換停留場以外で乗換をする場合および、乗換する前と同じ系統の電車に乗換えた場合や同じ区間を逆走する往復乗車には使用できない旨が記載されています。

そのためでしょうか、たとえ的場町停留場であっても、1号線の広島港ゆき電車は皆実町六丁目停留場以遠が往復乗車となってしまいますので乗換対象外となっているようです。

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伊予鉄道 特殊補充券

前々回エントリーにて伊予鉄道にも横型の第1種補充券があると申し上げましたので、手元にございます券を御紹介いたしましょう。


   


平成23年9月に大手町駅で発行された、松山市ゆきの特殊補充券です。
鼠色伊予鉄道自社地紋の券で、ノンカーボン様式のようですが、紺色のカーボンを挟んで記入されています。


   


小坂鉄道のものを再掲いたしますが、小坂鉄道のものと比べると、何となく似たような様式ですが、仔細に見ますと全く別物といった感じです。


伊予鉄道では最近特殊補充券の様式を変更したようで、数年前に購入した際には、もっと小坂鉄道のものと似た様式でした。


   


平成18年2月に伊予立花駅で発行された福音寺ゆきの特殊補充券です。
若草色伊予鉄道自社地紋のカーボンを挟んで記入する普通による券紙となります。
こちらの券は昭和時代の残券で、等級制のあった頃に設備されていたようで、管理人の知る限りでは、この様式を使用している駅はもう存在していないような気がいたします。

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富山地方鉄道宇奈月温泉駅発行 特殊補充券

前回エントリーの小坂精練小坂鉄道茂内駅で発行された特別補充券の記事の中で、等級制が存在した頃の国鉄でも使用されていた様式と似たようなものとしては富山地方鉄道や伊予鉄道などで現存していると申し上げましたが、富山地方鉄道で現在も使用されております券がございましたので御紹介いたしましょう。


   


平成28年9月に富山地方鉄道宇奈月温泉駅で発行された、宇奈月温泉駅から音沢駅ゆきの片道乗車券として発行された特殊補充券です。同社では特別補充券のことを「特殊補充券」と呼んでいるようですので、ここでは特殊補充券として表現します。
若草色富山地方鉄道自社地紋で、ノンカーボン用紙ではありません。

同社の第一種補充券としては一番最新様式ですが、等級制が存在した頃の国鉄でも使用されていた様式と似たような雰囲気の様式となっています。基本的には等級制のあった時代とさほど変更されていないようですが、等級を記載する欄や券番の振り方が現在の様式に変更されていますので、少々趣が異なります。

   


参考までに前回御紹介いたしました小坂精練のものを再掲しますが、変更は最小限に留められていることがわかります。


   


裏面です。
裏面のご案内文は「(ご注意)」と表現され、記載内容は(1)特別急行券・座席指定券関連および(2)途中下車前途無効の内容のみで、連絡運輸に使用するには説明不足のような気がしますので、同社での特殊補充券の利用方法としては自社線完結用に使用する前提のようです。


ちなみに、同社では特殊補充券を乗車券として使用する場合、
乗車券の種類(事由)欄には「片道」や「片道券」という表記はせず、「通片」と記載します。

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小坂精練小坂鉄道茂内駅発行 特別補充券

平成3年10月に小坂精練小坂鉄道茂内駅で発行された、篭谷ゆきの片道乗車券です。


   


若草色こくてつ地紋の特別補充券で、等級制が存在した頃の国鉄でも使用されていた様式で、似たようなものとしては富山地方鉄道や伊予鉄道などで現存しています。
いつの時代に設備されたものなのか不明ですが、こくてつ地紋であるということから、昭和30年代後半から40年代前半頃に国鉄が地方鉄道用として乗車券類の印刷を受託していた頃のものと推測され、使用されている場所からして新潟印刷場もしくは仙台印刷場で調製されたものと思われます。

基本的には国鉄の様式と変わりませんが、管理局名を示す丸囲みの数字符号の代わりに「(小坂鉄道線)」の表記が入れられています。


   


地紋部分を拡大してみました。地紋は券面に対して縦方向に印刷されていることが分かります。


   


裏面です。
ご案内文は国鉄様式のままと思われ、秋田県の私鉄の乗車券類としては関係のない「東京電車環状線(東京電環。現・東京山手線内)」の記述があります。


同和鉱業小坂鉄道は昭和33年に小坂鉄道が同和鉱業へ吸収合併されたときに同社小坂鉄道事業所となりましたが、平成元年に同和鉱業から小坂製錬が分離され、同社の小坂線となっていますので、昭和券を平成に修正しておりますこの券は同和鉱業時代に作成されたものと思われます。

平成6年になりますと同社は旅客営業を廃止し、貨物専業の鉄道となっており、同時に途中の旅客駅であった岱野・東岱野・雪沢温泉・新沢・深沢・篭谷・古館駅が廃駅となり、唯一貨物駅ではあったものの貨物の取扱いは行われずに交換駅としてのみ機能しておりました茂内駅が残されましたが、平成20年の営業休止に伴って同駅は休止駅となり、翌21年の路線廃止によって廃駅となっています。

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JR東日本 信濃町駅発行220円区間ゆき片道乗車券

平成29年3月にJR東日本中央本線の信濃町駅で発行された、220円区間ゆきの片道乗車券です。


   


JRE地紋のA型感熱式券売機券ですが、発売日付が西暦表示となる前の和暦様式になります。


同駅は平成20年2月にみどりの窓口が閉鎖され、基本的に改札しか行わない駅となっています。JR東日本では同駅のように集改札業務は行っていても乗車券の発売は自動券売機での取扱いとなっており、窓口での取扱いがない駅が多くなってきており、東京山手線内だけでも、同駅を含めて12駅も存在します。
自動券売機だけでの対応となりますとどうしても発売できる券種に制約が出て来ますので、右下の「下車前途無効」の右側に「〇ム」の表記があります。

【旅客営業規則】
(普通乗車券の特殊発売)
第27条 旅客が列車内において普通乗車券の発売を請求する場合、
   当該列車の係員が携帯する普通乗車券ではその請求に応じられないときは、
   普通旅客運賃(旅客が旅客運賃割引証を所持する場合又は旅客の請求する区間について
   旅客運賃割引の取扱いができる場合であつても、無割引の普通旅客運賃)を収受して、
   係員がその携帯する普通乗車券によつて乗車方向の最遠の駅又は乗継駅までのものを発売し、
   同乗車券の券面に、途中駅まで発売した旨を表示する。
   2 前項の規定は、第21条の2の規定により乗車券の発売区間に制限のある駅において、
   その発売区間外の普通乗車券の発売の請求があつた場合に準用する。

【旅客営業取扱基準規程】
(普通乗車券の特殊発売方)
第44条 規則第27条第1項又は同条第2項の規定により普通乗車券を発売する場合は、
   その乗車券の表面に「〇ム」の表示をして発売するものとする。
   この場合、前途の駅又は車内においてその乗車券と引換えに
   旅客の請求する全区間の乗車券を発売する(以下これを「買替え」という。) 旨を
   案内しなければならない。

「〇ム」表記があることで上記の規則および規程によって取り扱われることになっていますが、実際には区間変更として取り扱われることが多いように聞きます。

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