京のおさんぽ

京の宿、石長松菊園・お宿いしちょうに働く個性豊かなスタッフが、四季おりおりに京の街を歩いて綴る徒然草。

にほひたつ

2012-02-19 | インポート

 毎月25日は、天神さん、北野天満宮の縁日の日。

 食べ物、古着、古道具……。

 多種多様の露店が、境内や参道に立ち並ぶ。

 当たり前だが、2月にも催される。

 ただし、2月の天神さんは、ただの天神さんではない。

 2月25日には梅花祭が行われる。

 梅花祭というのだから、梅が満開なのだろう。

 と思っていってみると、意外とそうでもない年が多い。

 今年など、まだまだ寒いので、満開になるのはもう少し先になるだろう。

 もう少し後にすれば良いと思うのだが、そうもできない事情がある。

 2月25日は、菅原道真の命日なのである。

 梅花祭とは、梅のまつりではなく、梅を愛した菅原道真を偲ぶ会であるわけだ。

 にしても、良くできたもので、梅の咲く季節ではある。

 ただし、公式には、梅花祭の名の由来は、道真が梅を愛したから、ではないようだ。

 

 さて、その梅花祭で何が行われるのか。

 梅花御供と呼ばれる神事も行われるが、大方の参拝客の目的は別にある。

 それが野点だ。

 野点とは、野外の茶会である。

 その茶を点ててくれるのが、京都五花街の一つ、上七軒の芸・舞妓さんである。

 こちらは、豊臣秀吉が催した北野大茶湯が由来となっている。

 テントの下の座敷で、芸妓さんがお茶を点ててくれる。

 その手前を見ているのも楽しみの一つ。

 ただし、その目の前で点てたものが飲めるわけではない。

 奥で点てたものを運んできて、配ってくれるのだ。

 そりゃ何百人もにお茶を供さねばならぬのだから、悠長にはしていられない。

 しかし、運んできてくれるのも舞妓さんで、間近に接することができるのはうれしい。

 

 今年は2月25日が土曜日。

 とても多くの人出が予想されるが、一度見てみるのも良かろう。

 しかし野点拝服料1,500円なりはややお高い?

 

”あいらんど”