いや、もちろん、3月3日といえば、雛祭り。
男の子にとっては、嗚呼憧れの雛あられ。
あのぱふっととした、ほんのり甘いあられを食べるのが、楽しみだった。
「ぱふっとした」って言葉、あるだろうか。
まあ、要するに、花より団子。
お飾りなど、大して興味がない。
お内裏様とお姫様の顔がどうだとか、無関心。
たいていの男の子は、そんなもの。
大人になってみると、何かしらの意味があるのだな、と、まあ思ったりもする。
雛祭りの歴史に思いを馳せてみる。
雛祭りの発生は、一説には、穢れを移した人形<ヒトガタ>を川に流したことが始まりともいう。
これがひいな遊びといわれた女の子の人形遊びと結びついたのが、今の雛祭りと言われている。
まあ、そんな歴史よりも、やはり団子だ。
京都では雛祭りにばら寿司を食べる習慣がある。
引千切<ヒチギリ>という和菓子を食べる習慣もある。
蛤を食べる習慣もある。
蛤は、夫婦円満の象徴で、つまり、将来女の子が良き伴侶を得るための縁起担ぎというわけだ。
食べ物の話ばかりでもなんなので、雛祭りの行事の話を一つ。
宝鏡寺というお寺がある。
それほど大きくない、普段はひっそりとした、というか非公開のお寺。
そのお寺が、年に2回、春と秋に一般公開される。
春はこの雛祭りの時季にあわせて公開される。
その理由は、この寺の別名の聞けばすぐに分かる。
宝鏡寺は人形寺とも呼ばれているのだ。
古くなった人形を引き取り、人形供養をしてくれるお寺である。
もともと尼門跡のお寺、つまり、皇族など、偉い人たちの御息女などが住職を勤めたお寺である。
人形と結びついたのも、そんなところに理由があろう。
毎年春の一般公開では様々な雛人形が展示される。
皇族由来のもの、地方独特のものなど、古今を問わず、人形を展示している。
なかなか壮観である。
三十三間堂の千体仏像にも匹敵する、といえば大袈裟か。
そうそう、三十三間堂といえば、3月3日は無料で入れる。
三十三はアラビア数字で表せば33で、なるほど、というわけだ。
その日、女性には桃のお守りが授与もされる。
ぜひお訪ねになられてみてはいかがだろうか。
”あいらんど”