京のおさんぽ

京の宿、石長松菊園・お宿いしちょうに働く個性豊かなスタッフが、四季おりおりに京の街を歩いて綴る徒然草。

ぶったら仏陀に

2013-03-03 | インポート

 

 3月3日、雛祭りか~、あ、今日って仏滅だ。

 とか、そんなようなこと、カレンダーを見て何となく思うことがある。

 仏滅は六曜の一つ、まあ、つまり暦の用語である。

 仏滅って、もう字面からして、不吉。

 仏が滅するって、いややわ~、絶対に悪いことが起こるわ、とか思ってしまう。

 さて、その釈迦の入滅というのは、旧暦の2月15日なのだが、その旧暦2月15日は、毎年仏滅だ。

 なるほど、仏滅ってのは、そこから来てるんだ!とか、思ったら大間違い。

 試験で言うところの、引っ掛け問題だ。

 実は、仏滅なんて言葉は、江戸時代末期まで、存在もしていなかったのである。

 それまでは物滅と書いたし、300年くらいまでの六曜には物滅すらなかった。

 つまり、旧暦2月15日が仏滅なのは、たまたま、というわけだ。

 偶然ってあるんですね~、という話。

 

 で、終わりではない。

 そんなわけがない。

 件の釈迦の入滅日に合わせて、お寺では涅槃会というのが開かれる。

 今では現行暦にあわせて、3月15日くらいに行われることが多い。

 この涅槃会ではお寺の所有している涅槃図を公開することもあり、京都でもいくつかのお寺でそうしたことが行われる。

 その中でも、本法寺の涅槃図は、必見!

 というのが本題。

 前置きが長すぎる。

 というか、前置きのほうが長い。

 

 さて、この本法寺の涅槃図、何とあの「松林図」で有名な長谷川等伯の筆によるものなのだ。

 本法寺は、等伯の菩提寺で、お墓もある。

 当時親しくしていた住職の図像も描いている。

 ついでに等伯の銅像も立っている!

 要するに、非常に等伯と所縁深いお寺なのである。

 少しマイナーなお寺だが、このときばかりは行ってみると良い。

 本阿弥光悦作と「伝わる」庭園も、見ものだ。

”あいらんど”