3月3日、雛祭りか~、あ、今日って仏滅だ。
とか、そんなようなこと、カレンダーを見て何となく思うことがある。
仏滅は六曜の一つ、まあ、つまり暦の用語である。
仏滅って、もう字面からして、不吉。
仏が滅するって、いややわ~、絶対に悪いことが起こるわ、とか思ってしまう。
さて、その釈迦の入滅というのは、旧暦の2月15日なのだが、その旧暦2月15日は、毎年仏滅だ。
なるほど、仏滅ってのは、そこから来てるんだ!とか、思ったら大間違い。
試験で言うところの、引っ掛け問題だ。
実は、仏滅なんて言葉は、江戸時代末期まで、存在もしていなかったのである。
それまでは物滅と書いたし、300年くらいまでの六曜には物滅すらなかった。
つまり、旧暦2月15日が仏滅なのは、たまたま、というわけだ。
偶然ってあるんですね~、という話。
で、終わりではない。
そんなわけがない。
件の釈迦の入滅日に合わせて、お寺では涅槃会というのが開かれる。
今では現行暦にあわせて、3月15日くらいに行われることが多い。
この涅槃会ではお寺の所有している涅槃図を公開することもあり、京都でもいくつかのお寺でそうしたことが行われる。
その中でも、本法寺の涅槃図は、必見!
というのが本題。
前置きが長すぎる。
というか、前置きのほうが長い。
さて、この本法寺の涅槃図、何とあの「松林図」で有名な長谷川等伯の筆によるものなのだ。
本法寺は、等伯の菩提寺で、お墓もある。
当時親しくしていた住職の図像も描いている。
ついでに等伯の銅像も立っている!
要するに、非常に等伯と所縁深いお寺なのである。
少しマイナーなお寺だが、このときばかりは行ってみると良い。
本阿弥光悦作と「伝わる」庭園も、見ものだ。
”あいらんど”