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ロック歌手朴さん、トンコリ奏者オキさん 差別ない世界 訴える調べ 旭川で対談・演奏会 「寛容な社会を」「いじめ かっこ悪い」

2021-03-01 | アイヌ民族関連
北海道新聞 02/28 21:02
熟練の演奏で会場を魅了する朴保さん(右)とOKIさん=28日、旭川市文化会館(宮永春希撮影)
熟練の演奏で会場を魅了する朴保さん(右)とOKIさん=28日、旭川市文化会館(宮永春希撮影)
 2人の音楽家が対談を通して差別やいじめを乗り越えるヒントを考え、演奏を披露する「差別のない世界のために」が28日、旭川市民文化会館で開かれた。ロック歌手朴保(パクポー)さんと当麻町在住で樺太アイヌの弦楽器トンコリ奏者のOKI(オキ)さんが、自らの経験や音楽への思いを語り、力強い演奏を披露した。
 旭川に公立夜間中学をつくる会(中島啓幸会長)の主催。川崎市在住で在日韓国人2世の朴さんは、かつて10年余り過ごした米国での日々を振り返り、アルバイト時に少し触れてしまっただけの白人女性にたたかれた人種差別的な経験を語った。一方で、弱者の代弁者であり反権力の意識が強い現地のミュージシャンの姿を見て、自分の考えを持つ大切さも学んだと語った。
 オキさんは、思想信条にかかわらず、強盗などの被害を一方的に被った人については無条件に助けるものだとして、「たとえ嫌な人とでも一緒に住むのが共生だ」と指摘。意見が食い違って解決できなくても認め合える寛容な社会を求めた。またトンコリを弾くきっかけを与えてくれ、2月9日に亡くなった「川村カ子(ネ)トアイヌ記念館」の館長川村兼一さんの死を悼んだ。
 司会の中島会長から、いじめによる自殺をなくすヒントを問われた朴さんは「差別やいじめはかっこ悪い。子どもにはかっこいいことをやれと教えた」と述べ、オキさんは傷ついた子どもを家族や学校が支援する大切さを説いた。
 対談後の演奏では、朴さんがギター、オキさんはトンコリを手に持ち歌を披露したり「ソーラン節」を合奏したりして会場を盛り上げた。(星野真)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/516297

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大正泥流の紙芝居を披露 井上文雄(いのうえ・ふみお)さん

2021-03-01 | アイヌ民族関連
北海道新聞 02/28 11:32
大正泥流の紙芝居を披露 井上文雄(いのうえ・ふみお)さん
 フットパス(散歩道)ツアーを企画している上川管内上富良野町のNPO「野山人(のやまびと)」のガイド。町内を回るツアーの中で「大正泥流」の恐ろしさや復興の歴史を、手作りした紙芝居で紹介している。
 大正泥流は、町の東にそびえる十勝岳が1926年(大正15年)5月に噴火し、その熱による雪解け水が火山灰を含んで流れ下り、麓の上富良野などを襲った。犠牲者144人。水田も土砂に埋まった。
 紙芝居では復興の様子を「(泥流から)8年目にカエルが田んぼに帰り、その秋にコメが収穫できるようになった」と伝える。「水彩とサインペンで色鮮やかに仕上げた」といい、表紙は掘り出した泥流の土をのりで貼って文字を描いている。ツアーでは、犠牲者の名前が記された記念碑や、泥流が堆積した地層を案内する際に披露する。
 手作りした紙芝居には、十勝岳がテーマのアイヌ民謡を題材にしたものや、上富良野の語源を紹介するものもある。
 胆振管内の安平町(旧追分町)出身。追分高卒業後、陸上自衛隊に入った。上富良野駐屯地に勤務し、休日はフットパス歩きや登山を楽しんだ。54歳の定年後は、ほぼ毎月、フットパスツアーを行っている。ツアー準備のため泥流被害の現場を回り、図書館ではアイヌ民謡や上富良野の郷土資料に目を通す。
 「面白く語るのは得意じゃないが、紙芝居があれば物語をうまく伝えられる。火山と生きるマチの歴史を後世に語り継いで、力になりたい」。上富良野十勝岳山岳会会長も務める62歳。(伊勢裕太)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/516162

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