北海道新聞 03/04 05:00
東京五輪・パラリンピック組織委員会の理事に選任された登別市のアイヌ刺しゅう団体「登別アシリの会」代表、芳賀美津枝さん(67)は、大会が掲げる多様性を受け入れる共生社会の実現に向けた発信力が期待されている。組織委の橋本聖子会長から北海道アイヌ協会(札幌)に、アイヌ民族の女性を理事候補に挙げるよう要請があり、協会がアイヌ文化の伝承活動に取り組む芳賀さんを推薦したという。芳賀さんは「アイヌ民族の血を引く者として、アイヌ民族の精神を五輪の運営に生かす役割を担いたい」と抱負を口にする。
芳賀さんの起用について、橋本氏は3日の記者会見で「アイヌ文化を世界に発信することで素晴らしい多様性と調和(の実現)につながる」と説明した。
関係者によると、橋本氏が道アイヌ協会に理事候補の推薦を要請したのは2月下旬。これを受け、協会は、登別アシリの会が昨年、アイヌ文様が入った布マスクを当時官房長官だった菅義偉首相に贈り、菅氏が着用したことが話題となったことなどから、芳賀さんに打診。本人も内諾した。
新型コロナウイルスの感染収束が見通せず、今夏の大会開催は不安視されるが、芳賀さんは「アイヌ民族の負の歴史も知ってもらう機会をいただいたと捉えている。開催を前提に職責に当たりたい」と話す。道アイヌ協会の大川勝理事長は「社会の多様性の促進や、民族共生を実現するための一歩になる」と期待する。
芳賀さんは22日の理事会出席が初仕事となる。芳賀さんは旧日高管内静内町(現同管内新ひだか町)出身。2014~19年には登別アイヌ協会理事を務め、19年に登別アシリの会を設立した。(久保耕平、木村直人、田鍋里奈)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/517593
東京五輪・パラリンピック組織委員会の理事に選任された登別市のアイヌ刺しゅう団体「登別アシリの会」代表、芳賀美津枝さん(67)は、大会が掲げる多様性を受け入れる共生社会の実現に向けた発信力が期待されている。組織委の橋本聖子会長から北海道アイヌ協会(札幌)に、アイヌ民族の女性を理事候補に挙げるよう要請があり、協会がアイヌ文化の伝承活動に取り組む芳賀さんを推薦したという。芳賀さんは「アイヌ民族の血を引く者として、アイヌ民族の精神を五輪の運営に生かす役割を担いたい」と抱負を口にする。
芳賀さんの起用について、橋本氏は3日の記者会見で「アイヌ文化を世界に発信することで素晴らしい多様性と調和(の実現)につながる」と説明した。
関係者によると、橋本氏が道アイヌ協会に理事候補の推薦を要請したのは2月下旬。これを受け、協会は、登別アシリの会が昨年、アイヌ文様が入った布マスクを当時官房長官だった菅義偉首相に贈り、菅氏が着用したことが話題となったことなどから、芳賀さんに打診。本人も内諾した。
新型コロナウイルスの感染収束が見通せず、今夏の大会開催は不安視されるが、芳賀さんは「アイヌ民族の負の歴史も知ってもらう機会をいただいたと捉えている。開催を前提に職責に当たりたい」と話す。道アイヌ協会の大川勝理事長は「社会の多様性の促進や、民族共生を実現するための一歩になる」と期待する。
芳賀さんは22日の理事会出席が初仕事となる。芳賀さんは旧日高管内静内町(現同管内新ひだか町)出身。2014~19年には登別アイヌ協会理事を務め、19年に登別アシリの会を設立した。(久保耕平、木村直人、田鍋里奈)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/517593