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登別アシリの会・芳賀さんも理事に 五輪組織委 多様性と調和、アイヌ民族の精神生かす

2021-03-04 | アイヌ民族関連
北海道新聞 03/04 05:00
 東京五輪・パラリンピック組織委員会の理事に選任された登別市のアイヌ刺しゅう団体「登別アシリの会」代表、芳賀美津枝さん(67)は、大会が掲げる多様性を受け入れる共生社会の実現に向けた発信力が期待されている。組織委の橋本聖子会長から北海道アイヌ協会(札幌)に、アイヌ民族の女性を理事候補に挙げるよう要請があり、協会がアイヌ文化の伝承活動に取り組む芳賀さんを推薦したという。芳賀さんは「アイヌ民族の血を引く者として、アイヌ民族の精神を五輪の運営に生かす役割を担いたい」と抱負を口にする。
 芳賀さんの起用について、橋本氏は3日の記者会見で「アイヌ文化を世界に発信することで素晴らしい多様性と調和(の実現)につながる」と説明した。
 関係者によると、橋本氏が道アイヌ協会に理事候補の推薦を要請したのは2月下旬。これを受け、協会は、登別アシリの会が昨年、アイヌ文様が入った布マスクを当時官房長官だった菅義偉首相に贈り、菅氏が着用したことが話題となったことなどから、芳賀さんに打診。本人も内諾した。
 新型コロナウイルスの感染収束が見通せず、今夏の大会開催は不安視されるが、芳賀さんは「アイヌ民族の負の歴史も知ってもらう機会をいただいたと捉えている。開催を前提に職責に当たりたい」と話す。道アイヌ協会の大川勝理事長は「社会の多様性の促進や、民族共生を実現するための一歩になる」と期待する。
 芳賀さんは22日の理事会出席が初仕事となる。芳賀さんは旧日高管内静内町(現同管内新ひだか町)出身。2014~19年には登別アイヌ協会理事を務め、19年に登別アシリの会を設立した。(久保耕平、木村直人、田鍋里奈)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/517593

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女性理事の目標は達成 五輪組織委選任 迅速さ評価/実効性に注文

2021-03-04 | アイヌ民族関連
北海道新聞 03/04 05:00
 東京五輪・パラリンピック組織委員会は3日、東京都内で評議員会を開き、登別市のアイヌ刺しゅう団体「登別アシリの会」代表の芳賀美津枝さん(67)、五輪マラソン金メダリストの高橋尚子さん(48)ら新たに12人の女性理事を選任した。女性比率は従来の約20%から約42%に増え、橋本聖子会長が2月18日の就任会見で打ち出した目標「40%」を達成。スポーツ界の関係者は迅速な改革を評価する一方、五輪開幕まで残り5カ月を切り、男女平等や多様性などをどこまで大会に反映できるのか、実効性に疑問の声も聞こえる。
 新理事はスポーツ界、学者、弁護士、感染症の専門家など多彩な分野で構成。評議員会では定款も変え、理事数の上限を35人から45人に引き上げ、女性理事は7人から19人に増えた。組織委副会長には、女性として2人目となるバレーボール元女子代表の荒木田裕子理事(67)が就任した。
 女性理事増員の背景には、森喜朗前会長の女性蔑視発言による大会の信頼失墜に対する橋本氏の危機感がある。男女平等推進に向けて国がまとめた競技団体の運営指針「ガバナンスコード」に準じて、スピード重視で改革を進めた。橋本氏は記者会見で「(女性の)比率を上げさせていただいたが、大事なのは何をするか。専門家のみなさんの提言を聞き、日々まとめていきたい」と語った。
 日本オリンピック委員会(JOC)理事で、柔道の元世界王者の山口香さんは「短期間で女性理事を増やせることができると示し、他団体もやる気になればできると証明した」とスポーツ界全体への波及効果を期待する。近代五種でJOCが認定する強化コーチ、菅原美香さん=根室市=はスポーツ界の閉鎖性に触れ、「さまざまな分野の視点が必要だった。性別、文化を超え、『スポーツ界のここがおかしい』と指摘してほしい」と改革を求めた。
 ただ、理事45人はスポーツ団体では異例の多さで、数合わせとの指摘もある。下肢障害者対象のパラパワーリフティングで東京パラ出場を目指す斉藤伸弘選手=帯広市=は「改革を意味あるものにするために、女性目線はもちろん、少数者に対して配慮のある組織運営を進めてほしい」と注文した。
 組織委の理事会は、大会までに数回程度の開催と見込まれ、大所帯による議論がどこまで活発になるかも不透明だ。組織委の男性幹部は「これまでの理事でも十分多かったのに、女性だけを増やしてまとまれるのか」と懸念する。(須貝剛、野口洸、木村直人)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/517592

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アイヌ工芸、ブランド化へ 藍染めスカーフなど商品化 阿寒湖と道内外の作家が共同制作

2021-03-04 | アイヌ民族関連
北海道新聞 03/03 18:18

阿寒湖のアイヌ工芸作家と道内外の作家らと制作した商品(阿寒アイヌコンサルン提供)
 【阿寒湖温泉】釧路市阿寒湖温泉のアイヌ工芸作家が道内外の作家らと共同で、アイヌ文様をデザインした藍染めのスカーフなど5点を商品化した。一般社団法人阿寒アイヌコンサルンと釧路市がアイヌ工芸品のブランド化と販路拡大を目指す事業の一環。4~7日にオンラインでも視聴できる東京のイベント「ジャパンブランドフェスティバル」で展示され、今夏の販売を予定する。
 同法人と市は国のアイヌ政策推進交付金を活用し、阿寒湖のアイヌ工芸作家のものづくりの価値を高めるプロジェクト「阿寒アイヌアート&クラフトネクスト」を2019年度から5年計画で実施している。
 アイヌ工芸作家の郷右近富貴子(ごううこんふきこ)さんと札幌市の印刷会社は藍染めのスカーフ、彫金作家の下倉洋之さんと金沢市の金箔(きんぱく)メーカーはガラスのショープレートを制作。木彫作家の滝口健吾さんはキツネのオブジェ、平良秀晴さんはカッティングボードを札幌市のセレクトショップと商品化した。
 木彫作家の床州生さんや渡辺澄夫さんらは、ファミリーレストランで廃棄予定の道産シラカバを使った皿を活用して「チカライタ(私たちが作る皿)」を作り、下倉絵美さんらがパッケージをデザインした。釧路市阿寒観光振興課は「アイヌ文化を生活の中に取り入れてもらったり、阿寒湖に来てもらうきっかけになれば」としている。
 「ジャパンブランドフェスティバル」では7日午後1時からオンラインでトークイベントが行われ、阿寒湖のアイヌ工芸作家らが商品開発の経緯などを紹介する。詳細は同フェスホームページ(https://jbfes.com/)へ。(熊谷知喜)
※「チカライタ」の「ラ」は小さい字
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/517467

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