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「アイヌ文化」を「音」で表現した作品を2月22日より新千歳空港で展示開始 文化庁による「CULTURE GATE to JAPAN」プロジェクト

2021-03-11 | アイヌ民族関連
北海道新聞 03/10 10:02
新千歳空港での展示についてはこちら
AsiaNet 88406
「アイヌ文化」を「音」で表現した作品を2月22日より新千歳空港で展示開始
 文化庁による「CULTURE GATE to JAPAN」プロジェクト
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202103092045-O3-qZ9n6K1K】
【千歳2021年3月10日PR Newswire】2021年2月22日から新千歳空港にて、文化庁による文化発信プロジェクト 「CULTURE GATE to JAPAN」の展示が始まりました。クリエイティブカンパニー NAKED, INC.によるアート作品を空港およびWebサイトにて展示、日本の文化の魅力を広く世界へ発信していきます。
〈新千歳空港の開催概要〉
北海道にある新千歳空港の展示テーマは「INVISIBLE」。空間とさまざまなメディアを掛け合わせることで、新しい体験を生み出すクリエイティブカンパニー NAKED, INC.(ネイキッド)が、「アイヌ文化」をテーマにした作品を展示します。
アイヌ民族は、北海道や東北地方、ロシア東部の先住民です。厳しい寒さのなかで、自然への感謝と畏敬を忘れない独特の文化を保持してきました。これらの文化は、日本語とは別の言語であるアイヌ語による唄や踊り、語りを通じて、豊かな精神世界を現代に残しています。
NAKED,INC.は、アイヌ語や音楽などで口頭伝承されてきたアイヌの文化や精神を「音」で感じられる作品を制作します。
■日 時: 2021年2月22日〜  
■場 所: 新千歳空港
 1F国内線1番到着出口
■入場料: 無料
■作品テーマ: INVISIBLE  
■作品タイトル:Imagine ainu -イマジンアイヌ-
■アーティスト:クリエイティブカンパニー NAKED, INC 
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202103092045-O4-IFncGCA8】
1997年、村松亮太郎がディレクターやデザイナー、ライターとともに設立したクリエイティブカンパニー。アート、エンターテインメント、カルチャー、伝統、教育、音楽、都市、食、スポーツなど、LIFE(生活)のあらゆるSCENE(シーン)において新たな体験や価値を生み出している。
<CULTURE GATE to JAPANとは>
CULTURE GATE to JAPANは、文化庁による新たな形の文化発信プロジェクトで、2021年2月から全国7空港と、東京国際クルーズターミナルで順次開始されています。本プロジェクトは、メディア芸術のフィールドで活躍するアーティストやクリエイターが各エリアの文化を題材にしたアート作品を展示し、日本文化の魅力を発信しています。展示場所は、新千歳空港、成田国際空港、東京国際(羽田)空港、関西国際空港、中部国際空港、福岡空港、那覇空港、東京国際クルーズターミナルです。
いま世界は新型コロナウイルスの影響を受け、新しい文化や人々との出会いが困難な状況になっています。しかし、だからといって芸術と人、文化の交流が途切れてしまうべきではありません。私たちは本プロジェクトを通じて、世界中の人々に、見知らぬ文化と出会う驚きや喜びを提供し続けていきたいと考えています。
主催 :文化庁「令和2年度空港等におけるメディア芸術日本文化発信事業」
公式ウェブサイト: https://culture-gate.jp/ja
新千歳空港での展示についてはこちら:https://culture-gate.jp/ja/exhibition/invisible
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202103092045-O1-NsLw738i】
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本事業のPR事務局は、株式会社wondertrunk&co.が担っております。
ソース: CULTURE GATE to JAPAN 事務局
画像添付リンク:
Link: http://asianetnews.net/view-attachment?attach-id=386071
キャプション: 「Imagine ainu - イマジンアイヌ -」 クリエイティブカンパニー NAKED, INC.
Link: http://asianetnews.net/view-attachment?attach-id=386074
キャプション: クリエイティブカンパニー NAKED, INC.
Link: http://asianetnews.net/view-attachment?attach-id=386075
キャプション: 新千歳空港での展示についてはこちら
(日本語リリース:クライアント提供)
プレスリリース詳細へ https://kyodonewsprwire.jp/release/202103092045
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/519895

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いま50代にアツい!女性作家の「評伝」は心に響くこと必至!

2021-03-11 | アイヌ民族関連
ハッピイプラス 3/9(火) 19:07
年齢を重ねてから読むとおもしろみが格段に増すのが「評伝」。特に女性作家が書く女性の評伝は心に響くこと必至!さまざまな人生の追体験は、コロナ禍を生きぬく力にもなりそう。話題の4作品をご紹介。
1.「金子文子/エミリー・デイヴィソン/マーガレット・スキニダー」の評伝
『女たちのテロル』
ブレイディみかこ 
岩波書店 ¥1,980
人気コラムニストの意欲作
『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』の著者が愛と共感をこめて描く、100年ほど前に過激に生きぬいた3人の女性。金子文子──無戸籍のアナキスト。虐待と貧困の中で育つが、学問を続けて思想を獲得。エミリー・デイヴィソン──イングランドの女性参政権活動家。マッドな戦略で知られ、刑務所で拷問を受けること数知れず。マーガレット・スキニダー──イギリスからのアイルランド独立を求めた革命家。凄腕スナイパーとしても有名。彼女たちの捨て身の行動が今の私たちの基盤をつくったのかもと思えてくる。
2.「鈴木カネ」の評伝
『チーム・オベリベリ』
乃南アサ
講談社 ¥2,530
時代の最先端にいた女性が開拓地へ
“ページをめくる手が止まらない”という言葉がぴったりの大長編小説。舞台は約140年前の北海道・十勝の原野で、タイトルのチームとはそこを開拓した晩成社をさす。チームのリーダーは3人の男性──依田、渡辺、鈴木だったが、本作の主人公は鈴木の妹で渡辺の妻・カネ。彼女は女性宣教師が開いた横浜の学校で学んでいたが、結婚後は極寒地での事業を支え、アイヌたちとも交流。チーム内外の人々に慕われて教育の場をつくるなど、暮らしを切り開いていく。幅広い作風で知られる作家が描いた大河ドラマのようなフィクション。
3.「宮尾登美子」の評伝
『綴る女 評伝・宮尾登美子』
林真理子
中央公論新社 ¥1,650
大作家の“過去”は本当だったのか
『一絃の琴』『天璋院篤姫』など評伝小説を含む多くの作品を書き、ベストセラーを連発した作家・宮尾登美子。エクラ世代にも愛読者の多い彼女の人生を、親交の深かった作家・林真理子さんがたどったのが本作だが、評伝でありながらちょっとミステリーのよう。なぜか黙して語らなかったいくつかの過去、晩年表舞台から姿を消した理由など数々の謎に迫っているが、根底にあるのは先輩作家への敬愛の念。戦中戦後の困難をくぐりぬけ、その後書くことに没頭した宮尾登美子の生涯は、小説より小説的だったのかもしれない。
4.「伊澤蘭奢」の評伝
『輪舞曲(ロンド)』
朝井まかて
新潮社 ¥1,815
愛人3人と息子が語る伝説の女優
今、最も勢いのある時代小説家・朝井まかてさんが今回主人公に選んだのは、大正の劇壇で活躍した伊澤蘭奢(らんじゃ)。大スター・松井須磨子に憧れた彼女が、夫とひとり息子を郷里の津和野に置いて上京したのは27歳のとき。遅いデビューですぐには役にも恵まれなかったが、主役を張った『マダムX』が大ヒットして名女優に……と思いきや、数え40歳で自らの予言を証明するように突然死去。謎も毀誉褒貶も多かった蘭奢の人生を、4人の男性の視点で描いた物語には、夢と現実の間でもがき続けた女の孤独がにじみ出ている。
撮影/鈴木静華 スタイリスト/来住昌美 取材・原文/山本圭子 
※エクラ2021年4月号掲載
https://news.yahoo.co.jp/articles/6344073f06488a8e0a58ce9c73b5fb90977ecb3f

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女性のエンパワーメントを応援するドキュメンタリーシリーズ、Huluで独占配信

2021-03-11 | アイヌ民族関連
シネマカフェネット 3/8(月) 12:15
「ショートショート フィルムフェスティバル & アジア2020」をはじめとする数々のフィルムフェスティバルに参加し、2020年のゆうばり国際ファンタスティック映画祭でも話題を呼んだ、富田大智監督によるドキュメンタリー『Future is MINE - アイヌ、私の声 -』の特別版が、「国際女性デー(International Women’s Day)」である3月8日(月)からHuluで独占配信される。
本作は、北海道・阿寒湖に生まれたアイヌの女性・萱野りえさんを主人公に、アイヌに生まれた使命に悩む彼女が、自身のルーツを見つめ直し、自分が進むべき道を見出そうとする姿を追うドキュメンタリー。女性のエンパワーメントを応援する「Future is MINE」シリーズの注目作品として発表された。
アイヌとして生まれたりえさんが、米国で同じく独自の文化を築き暮らしている先住民セミノール族の人々と交流することで、自分と自分が愛する文化について見つめ直す姿を映し出す。
旅をしながら成長する彼女の姿を通して、アイヌの素晴らしい文化についてはもちろん、多様性の大切さ、自分のアイデンティティや将来像についてなど、様々なことを考えるきっかけをくれる本作。
作品を観た人からは、「心に刺さるものがあった」「自分のルーツ、将来、アイデンティティを考えるきっかけになった」「多様性や個性の尊重の考え方について、とても強く考えさせられる」「共存・共有をこれから大切にしていくことが大事だと思った」など、絶賛の声が寄せられている。
■配信に併せて「女性の生き方に学ぶ! ドキュメンタリー特集」を実施
さらにHuluでは、『Future is MINE - アイヌ、私の声 -』の配信に併せて、立ち止まり悩んだときに観てほしい、様々な人生を歩む女性たちの姿を描いたドキュメンタリーを特集する。
『Future is MINE - アイヌ、私の声 -』(長編35分)は3月8日(月)よりHuluで独占配信開始。
https://news.yahoo.co.jp/articles/cde02e4479f7b8dd507ac8ab792300f396579259

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ネクタイは「股間」を強調するものだった!? “紳士の布”の長くて深~い歴史

2021-03-11 | 先住民族関連
クーリエ 3/10(水) 18:00
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響でスーツを着なくなったという人は多いだろう。窮屈なネクタイをしなくて済むと清々しい気持ちの人もいれば、お気に入りのネクタイを締められずに残念な思いをしている人もいるかもしれない。
すっかり「ビジネス服」の一部になっているこの細い布だが、このネクタイはそもそも、どんな歴史をたどってきたのだろうか?
「ネクタイをしてないなら出ていけ」
先日、ニュージーランド議会の議事会場からマオリ族出身の議員ラウィリ・ワイティティが追放された。そこで世界的なニュースとなったのが「ネクタイ」だった。彼はネクタイが「植民地時代の輪縄」であるとし、着用を拒否したために議場を追い出されたのだ。
ワイティティはネックウェアそのものを否定しているわけではない。彼は、伝統的なヘイティキ(ネクタイの代わりに着用していたペンダント)こそがマオリ族にとってネクタイであり、マオリ族の人々、文化、権利を象徴していると語っている。
その後も激しい議論は続いた。ビジネスにおける適切な服装は長らく西洋のドレスコードに基づいていたが、先住民の文化的アイデンティティを表現する上では疑問視されていたのだ。よってニュージーランド議会では、男性のネクタイ着用は「適切なビジネス服」の項目からは外され、義務ではなくなったのである。
オーストラリアでは、1977年にサファリスーツが正式なビジネス服と見なされ、国会議員のネクタイ着用も不要となった。しかし男性政治家たちは、変わらず議会でネクタイを着用している。
そんなネクタイが今回、ニュージーランドで複雑な論争の対象となった。首に巻くただの生地でも、着用者によっては大きな意味を持つものなのだ。
ネクタイは男の象徴?
人々は何千年もの間、貝殻、羽毛、金、布地などで首周りを着飾ってきた。ネクタイの起源は17世紀、クロアチアの傭兵が首に布を巻いていた時代までさかのぼる。これが、一般的に知られるネクタイの始まりだ。剣の刃から首を守ることが目的のひとつだったという。
クラバット、ドレープやリボン、ストック(首の後ろで結ばれた固めの布)など、ヨーロッパではその後何世紀にもわたってネックウェアが使われている。オーストラリアの植民地時代初期の頃も、行政官はレースやリネン、シルク、モスリンで作られたものを首に着けていた。
蝶ネクタイとネクタイが現在のような形になったのは、19世紀に入ってからだ。
男性の身体をどう見せるものなのか──ネクタイを巡り、この話題はあつい議論を引き起こす。というのも、スーツのジャケットは肩から腰までをV字型に見せるが、一緒に着用するネクタイは喉から股間にかけて目を引くようになっている。そのため、これはコッドピース(かつてヨーロッパの男性が着用していた「股袋」。股間を覆う、詰め物が入った布)と同じであるという主張もあるのだ。
たとえば、ドナルド・トランプ前大統領はいつも長いネクタイを好んでいた。それはコッドピースと同じ「過剰補正」の役割を果たしているのではないかと分析する人もいる。
今度はステータスの象徴に!
海軍士官のジェームズ・クックがオーストラリアの海岸に上陸したとき、軍服の首周りにはリネンが巻かれていることが多くの絵画によってわかっている。
また植民地時代初期の頃、行政官は清潔でビシッとしたネックウェアを着用していた一方で、受刑者の制服にはネッカチーフが使われていた。さらに、社会に何かしら影響力のあるアボリジニの人々は、首にかけるプレートを贈られることがあったという。
美術家のS.T.ギルは、1850年代のビクトリア朝の金鉱地帯での生活を描いていた。その作品のなかで、働き者の採掘者はハンカチを首に巻いている。一方で荒くれ者やめかし屋は、金のピンをつけて紳士的なスタイルで着飾り、首には鮮やかな色のシルク製クラバットを身につけるなど、きらびやかに描かれていた。
それから20世紀はじめになると、肉体労働者が上着とネクタイを脱ぎ捨てはじめる。そんななかでスリーピース・スーツとネクタイを身に着けていることは、権力とプロ意識の象徴となった。
こうして徐々にビジネススーツが紳士服の定番となったため、ネクタイの人気も一緒に急上昇する。1950年に豪紙「シドニーズ・サン」が「男性の理想的なワードローブ」という記事を掲載したときには、ネクタイだけで18種類も紹介されていた。
ファッショントレンドと政治
ネクタイにもトレンドがあり、時代の経過と共に変化してきた。1960年代にビートルズなどのバンドによってスリムネクタイが人気を博し、オーストラリアに住む若いモッズたちにも支持された。
ワイドネクタイもトレンドになったことがある。1970年代には派手目の大きな柄ネクタイが大流行した。当時、カラフルなワイドネクタイを着用した政治家アル・グラスビーは、こうしてカラフルに着飾ることで「カラフルな新しいオーストラリア」への変革の兆しを示したのである。
現代の政治家たちも、特定の色を身につけることで忠誠を示そうとすることがあるようだ。たとえばオーストラリアの保守連合は青を好む傾向にあるとよく言われている(ただし、正確な根拠があるわけではない)。
またオーストラリア先住民問題相のケン・ワイアットは、受け継いだ歴史を示すべく、先住民族の伝統的なデザインをあしらったネクタイを選ぶことがよくある。
ネクタイには多くの役割があるのだ。着ける人によって、それはアイデンティティを表現することがあれば、単なる「ユニフォーム」に過ぎないこともある。人に活力を与える事もあれば、逆の場合もあるのだ。
https://news.yahoo.co.jp/articles/889195c1d6f92979d92a9728c175d7ade7ec2a84?page=1

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金子みすゞの童謡:神さまは、小ちゃな蜂の中に

2021-03-11 | 先住民族関連
ニッポンコム 3/10(水) 15:02
詩人・金子みすゞは、目に見えない小さなものから、大空や宇宙へ想像の翼を広げた。同時に、日常生活のささいな営みや観察を通じて、心の内側を分かりやすい言葉で描き出した。長い年月をかけてみすゞの作品を探し当てた童謡詩人・矢崎節夫氏がみすゞの詩を読み解く。
神さまは全てのもの中に
イラスト=moeko
『蜂と神さま』
蜂はお花のなかに、
お花はお庭のなかに、
お庭は土塀のなかに、
土塀は町のなかに、
町は日本のなかに、
日本は世界のなかに、
世界は神さまのなかに。
そうして、そうして、神さまは、
小ちゃな蜂の中に。
『蜂と神さま』を読むと、神さまは特別の存在として遠く離れたところにいるのではなく、人間も含めて、全てのものの中にいるのだと思えて、うれしくなる。
金子みすゞにとって地球上の全ての存在は、動植物だけでなく、命なき鉱物までも、共に支え合い、ともに生きている大切な存在なのだ。人間優先の眼差しでは、この発想は浮かばない。
以前、目の前に落ちてきた柿の葉っぱを手に取ってみたとき、
――ああ、自分は今、自身が天空にのぼって地上を見ているのだ
と、不思議な感覚にとらわれたことがあった。支流をいくつもつくりながら、穏やかに流れている大河と、静かな町の空中写真が一枚の葉っぱの上にあった。
みすゞの『蜂と神さま』に出会わなかったら、こんな感動に出会えていなかったかもしれない。「部分の中に全体があり、全体の中に部分がある」ということが、深く信じられた。
人間は地球上の一部でしかないのに、まるで人間が地球を自分の思い通りにできるかのように、「地球に優しい」と言いがちだが、これは違う。「地球は優しい」から、いまだに私たちは地球に存在させてもらっているだけだ。
先住民族・インディオの言葉に「地球の自然は子孫からの預かりもの」というのがあるそうだ。この謙虚さを深く心に刻むときにきていると、みすゞの作品を読むたびに思う。
丸ごと受け入れる
『こだまでしょうか』
「遊(あす)ぼう」っていうと
「遊ぼう」っていう。
「馬鹿」っていうと
「馬鹿」っていう。
「もう遊ばない」っていうと
「遊ばない」っていう。
そうして、あとで
さみしくなって
「ごめんね」っていうと
「ごめんね」っていう。
こだまでしょうか、
いいえ、誰でも。
こだまの原形は、赤ちゃんとお母さんの心音から始まる。「いるよ」「いるね」、「うれしいな」「うれしいね」、「大好き」「大好き」と、心音がきちんとこだまし合ったから、私たちは人間として生まれることができた。
だから、こだまは人間の最も尊い行為だ。
世界中の誰でも、わが子が幼い時、転んで「痛い」と言ったら、「痛いね」と丸ごと受け入れて返したに違いない。ところが、いつの間にか、相手の痛みや悲しみを丸ごと受け入れる前に、自分の言いたいことを先に言う大人になっていないだろうか。
「痛いね」とこだますることなく、「痛くない」「泣くな」と。
「このお父さんなら、このお母さんなら、愛してくれると思って生まれてきてくれたわが子」だ。愛してくれるはずの大人から、「痛くない」と一方的に否定された心の痛みは、一体どこに行くのだろうか。
愛するとは、大切な相手にきちんと向かい合い、痛さや悲しみを自分のこととして丸ごと受け入れてあげることと、みすゞは私たちに言っている気がする。
心の中で生きていく
『繭(まゆ)とお墓』
蚕(かいこ)は繭に
はいります。
きゅうくつそうな
あの繭に。
けれど、蚕は
うれしかろ、
蝶々(ちょうちょ)になって
飛べるのよ。
人はお墓へ
はいります、
暗いさみしい
あの墓へ。
そして、いい子は
翅(はね)が生え、
天使になって
飛べるのよ。
「あのね、かいこは大きくなっても、ちょうちょにはならないの」とこの作品を口ずさんでくれてから、小さな女の子は教えてくれた。
その通りで、蚕は成虫になっても、空を飛ぶことはできない。それだけでなく、多くの蚕は成虫になることさえできずに、人間が生糸(絹糸)をとるために利用され、繭の中でこの世を去っていく。
だからこそ、みすゞは生き続けることなく死んでいった蚕たちを、せめて蝶々にして、大空高く飛ばせてやりたかったのだろう。
人間も亡くなると、暗くて寂しい墓に入れられる。でも、一度、この世に生まれさえすれば、何歳で亡くなろうが、その間に出会った人の心の中で、ずっと生きていけるのだ。
みすゞは、「いい子」とうたっているけれど、両親から命を受け継いだ、それだけで十分いい子なのだ。あなたも、そして私も。そう思うと、亡くなることが少し怖くなくなる。
この作品は、みすゞの没後、師の西條八十が随筆『下関の一夜――亡き金子みすゞの追憶』の中でとりあげ、「おそらく絶唱といっていい」と称賛したものだ。
これを機会に世界中の多くの方が、みすゞの作品に出会っていただけるとうれしい。
作品出典:『金子みすゞ童謡全集』(JULA出版局)
【Profile】
矢崎 節夫 YAZAKI Setsuo
童謡詩人。1947年東京に生まれる。早稲田大学文学部卒業。82年童話集『ほしとそらのしたで』(フレーベル館 )で、第12回赤い鳥文学賞を受賞する。童謡 詩人金子みすゞの埋もれていた原稿を見つけ出し、『金子みすゞ全集』(JULA出版局)を84年に出版。数々の出版・編集に携わり、ネパールにみすゞの名を冠した小学校建設や医療活動を行った。2003年より「金子みすゞ記念館」館長。著書多数。
https://news.yahoo.co.jp/articles/5957d47f710882747b454f9fe468b41af9636ecc

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