先住民族関連ニュース

先住民族関連のニュース

カップに繊細アイヌ文様 カフェでラテアート 白老

2021-03-20 | アイヌ民族関連
北海道新聞 03/20 05:00

カフェ結が始めたアイヌ文様のラテアート
 【白老】町大町2のカフェ結が、カフェラテにアイヌ文様のラテアートを描くサービスを始めた。白老アイヌ協会のアドバイスを受けたデザインで、店主の田村尚華さん(46)は「多くの人にすてきなアイヌ文様を知ってほしい」と話している。
 アイヌ工芸品作家やアイヌ文様刺しゅうに詳しいアイヌ協会員の協力を得て、渦巻き模様の「モレウ」でハートを表現したものや、とげのある曲線の「アイウシ」を連ねたデザインを用意した。
 繊細な文様をきれいに表現するため、文様を切り抜いた型の上からクリームにココアパウダーを振りかけて描いている。田村さんは「町を訪れた人に白老らしさやアイヌ文化をPRをしたい」と話す。カフェラテ(490円)を注文した人に無料でサービスする。カフェ結は午前9時半~午後6時。木曜定休。(斎藤佑樹)
※「アイウシ」の「シ」は小さい字
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/523527

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釧路地方のアイヌ語1冊に 自主学習団体「語彙集」発刊 伝承基に5千語掲載

2021-03-20 | アイヌ民族関連
北海道新聞 03/19 21:34 更新
 【釧路】釧路管内を中心に伝わるアイヌ語の方言などをまとめた「釧路地方のアイヌ語語彙(ごい)集」が発刊された。釧路市のアイヌ語自主学習団体「釧路アイヌ語の会」が編集を担当。アイヌ民族の古老ら7人の話者が残した伝承などを基に、道内の他地域と異なる釧路地方独特の表現など約5千語を掲載している。(熊谷知喜)
 同会はこれまで、釧路地方のアイヌ文化伝承者である故山本多助さん、故八重九郎さん、故四宅ヤエさんの書籍などに掲載された単語をまとめ、冊子などで発行しており、これらを今回、新たに書籍化した。
 文法的な検討や発音ができるよう見出し語はローマ字表記としたほか、訳や用例を掲載。同会によると、アイヌ語で起き上がるなどを意味する「hopuni」は、釧路地方では「h」を抜いて「opuni」と発音するが、「語彙集」ではこうした釧路ならではの特徴も確認できる。合沢寛会長(80)は「他の地域の方言と比較もできる内容。釧路地方のアイヌ語を次世代に継承したい」と話している。
 釧路市の印刷会社「藤田印刷」が今年2月に発刊。A5判212ページ、1800円(税別)。全国書店で販売。問い合わせは同社(電)0154・22・4165へ。
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/523502

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日テレ番組のアイヌ民族差別発言で共同声明 知事とアイヌ協会理事長「強く抗議する」

2021-03-20 | アイヌ民族関連
北海道新聞 03/19 19:57 更新
 日本テレビ系列の情報番組「スッキリ」でアイヌ民族への差別表現があった問題で、鈴木直道知事と北海道アイヌ協会の大川勝理事長は19日、「極めて遺憾で、強く抗議する」とする共同メッセージを出した。
 メッセージは「アイヌの人たちが苦難を乗り越え歩んできた歴史や、心血を注ぎ受け継いできた独自の文化などに思いを寄せて、正しい理解を深めることが不可欠だ」とし、再発防止を求めた。(西依一憲)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/523457

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「アイヌへ正しい理解深めて」番組での"不適切表現"に北海道・協会共同メッセージ

2021-03-20 | アイヌ民族関連
UHB 2021年3月19日 金曜 午後8:25
 3月12日にテレビ放送された情報番組の中で、アイヌ民族を傷つける不適切な表現があったことを受け、北海道と北海道アイヌ協会は3月19日、共同メッセージをホームページに掲載し、アイヌの理解促進を呼びかけました。
 12日に全国放送された情報番組の中で、アイヌの女性をテーマにしたドキュメンタリー作品を紹介したあと、アイヌに対する差別的な表現があったとして、番組はその後、謝罪をしました。
 これを受けて北海道と北海道アイヌ協会は19日、マスメディアを始め、道民などに対して広くアイヌの歴史や文化について正しく理解してもらおうと共同のメッセージを発出しました。
 メッセージでは、「現在も、いわれのない偏見や差別、心ない誹謗中傷やいじめなどにより、心を痛め、傷つき、悲しんでいます。(中略)このようなことが二度と起こることがないよう、公共性を重んじ基本的人権を尊重することが求められるメディア関係者の皆様はもとより、道民や全国の皆様におかれましても、苦難を乗り越え歩んできたこれまでの歴史や、心血を注ぎ受け継いできた独自の文化などについて思いを寄せて、正しい理解を深めていただくことが不可欠です」などと理解を求めています。
 このメッセージは北海道のホームページに掲載されています。
https://www.fnn.jp/articles/-/158245

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アイヌ民族の歴史、正しく伝える教育を 道の政策推進方策検討会議 日テレ差別表現受け意見

2021-03-20 | アイヌ民族関連
北海道新聞 03/19 18:10 更新
 道は19日、アイヌ民族と有識者らによる「新たなアイヌの人たちの総合的な推進方策検討会議」の第6回会合を開いた。日本テレビ系列の情報番組「スッキリ」でアイヌ民族への差別表現があったことを受け、出席した複数の委員から、アイヌ民族の正しい歴史を伝えるための公教育の充実などを求める声が上がった。
 会合は道庁と胆振や十勝の振興局をつないで、テレビ会議で開催。放送で問題になった発言について、ある委員は「道内在住者からも『そういう差別表現があることを知らなかった』という声を聞いた。学校などで歴史を伝えることが重要だ」と指摘。別の委員からも「若い世代でもいじめられたという話は聞く。差別が起きないよう小さい時から教育するなど対策してほしい」などの声が出た。
 長橋聡・アイヌ政策監は道として日テレに抗議し再発防止を求めたとし、「同様のことが二度とないよう、アイヌ民族の歴史への理解を促進する」と述べた。
 検討会議は、道が2021年度から5カ年で進める「北海道アイヌ政策推進方策」について、昨年1月から議論を続けてきた。生活向上や文化振興を柱とする総合的な内容で、道が年度内に正式決定する見通し。(田鍋里奈)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/523438

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道と道アイヌ協会がメッセージ “歴史や文化正しい理解を”

2021-03-20 | アイヌ民族関連
NHK 03月19日 21時01分

日本テレビが情報番組でアイヌの人たちを傷つける不適切な表現があったとして謝罪した問題で、道と北海道アイヌ協会は、アイヌの人たちの歴史や文化について正しい理解を深めるよう求める共同メッセージを公開しました。
日本テレビは今月12日に放送した情報番組「スッキリ」の中でアイヌの人たちを傷つける不適切な表現があったとして、当日のニュース番組で謝罪しました。
これについて、道と北海道アイヌ協会はアイヌの人たちへの理解を促す共同メッセージを19日、道のホームページに公開しました。
メッセージの中では、「現在においても、アイヌの人たちはいわれのない偏見や差別、心ないひぼう中傷やいじめなどにより、心を痛め、傷つき、悲しんでいます」とした上で、「アイヌの人たちが苦難を乗り越え歩んできたこれまでの歴史や心血を注ぎ受け継いできた独自の文化などについて思いを寄せて、正しい理解を深めていただくことが不可欠です」としています。
このメッセージは道のアイヌ政策課のホームページに掲載され、あわせて道がまとめた、アイヌの人たちの歴史や文化を紹介する冊子の電子版も公開しています。
アイヌ政策課は「道内だけでなく、全国の皆さんにも正しい知識を深めてもらうきっかけにしてほしい」と話しています。
https://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20210319/7000031983.html

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アイヌ差別表現問題──日本人は他民族を侵略・加害していない、という観念が背景に

2021-03-20 | アイヌ民族関連
ニューズウィーク 2021年03月19日(金)17時00分

「開拓」は無主地の開発のことを指すが、明治以前の北海道にはアイヌ民族の確固たる先住が存在した 国連広報センター(UNIC Tokyo)-YouTube
<公教育でアイヌ民族の文化や歴史を学ぶ北海道出身者でさえ、祖先は北海道の大地を「開拓」したと信じ込んでいる歴史認識の甘さ>
2021年3月12日の日本テレビの番組で、お笑い芸人の脳みそ夫氏が、アイヌ民族に謎かけして同民族を「あ、犬(アイヌ)」と表現したVTRが放送されたことが民族差別的として大きな問題になっているのは既報のとおりである。
脳みそ夫氏が生放送のアドリブでそう表現したなら同氏に固有の人権意識の低さが問題になろうが、これは番組側が承認して事前に制作されたVTRの中での問題表現であった。よって番組制作側の人倫意識の低さが糾弾され、3月18日、日本テレビ会長の大久保好男氏が公式に謝罪。一部週刊誌等によると、該番組のプロデューサーが事実上更迭されたという報道もある。
該番組の担当MCである加藤浩次氏は、3月15日の番組冒頭で「僕自身もですね、北海道出身という立場にありながら、オンエアがあった時、即座に僕自身が対応できなかったこと深くお詫びしたいと思います」と陳謝した。
はてさて、この問題は番組側のチェック体制の杜撰さや人倫意識の低さだけに求められるだけで終わるのだろうか。筆者はこの問題の背景には、「日本人は他民族を侵略していない、という観念」が濃密に横たわっているとみている。
北海道ですらアイヌ民族への加害について無教育
番組MCの加藤浩次氏は、本人が前述発言したように、北海道札幌市出身でその後、札幌近郊の小樽市に移住。地元では進学校として有名な小樽潮陵高等学校(道立)を卒業して芸能界入りした。奇しくも筆者も、加藤氏と同じ北海道札幌市出身で地元の小・中・高で教育を受け、高卒後は本州(内地)の大学に進んでいる。
加藤氏は筆者より13歳も年上だが、北海道で青少年時代を迎えた人間であれば、誰しも公教育でアイヌ民族の文化や歴史を学んでいるはずである。しかし少なくとも筆者が高等教育を終えた21世紀初頭まで、北海道内での公教育にあっては、積極的なアイヌ文化への理解は推奨されたが、それが日本人(和人)の圧迫による結果、土地権利を侵略され、日本人がアイヌに対し歴史的に加害の側に立つ、という教育はほとんどなされなかった。
アイヌは北海道の先住民族として豊かな文化を築いてきたことを学ぶ一方で、そのアイヌが日本人の侵略によって特に明治国家以降、迫害されてきたという歴史的認識については極めて希薄であった。よって加藤氏が「僕自身もですね、北海道出身という立場にありながら...」と言ったのは、この世代に普遍的にある「加害への無自覚」であり、皮膚感覚そのものを示した表現であろう。
北海道にあってはとりわけアイヌ文化への学習が盛んで、道内の様々なアイヌ風俗施設への体験学習が小学校時代より行われている。しかしそれは、「他者」としてのアイヌ民族でありアイヌ文化の半ば観光客的見分であった。日本人が、彼らの住まう土地を侵略し、苛烈な同化政策を採り、その結果現在の北海道があるという歴史的事実とは切り離されて教育されてきた。
だから私を含め北海道出身者は、アイヌ民族を当然尊重するが、自分たちが彼らにとって「加害者・侵略者」であった、という認識を持つことは極めてまれである。それどころか、北海道は日本人がゼロから開拓した新天地であり、「北海道民である我々には明治以来の開拓民の(エネルギッシュで前向きな)精神が宿っている」というのが、私たちの世代では平然と並行して語られてきた。
このような、日本人のアイヌ民族への侵略と同化を無視して、ある世代より上の北海道民は、堂々と「北海道開拓」の美談を現在でも躊躇なく喧伝する人々が皮膚感覚で多い。アイヌの文化・風俗に対しては十分教育されているにもかかわらず、日本人がこの地(北海道)をアイヌから収奪し、アイヌの土地を侵略したうえで道内の各都市が「建設」されたという事実は、全く別の事として語られている。
その象徴として、札幌市の郊外・厚別区の野幌(のっぽろ)森林公園には、明治国家による北海道開拓を称える「(北海道)百年記念塔」が現在でも平然と屹立している。アイヌ民族と日常において触れ合う機会が内地より特段に多い北海道にあってさえ、アイヌへの加害と侵略と、アイヌ文化の受容や理解は全く別物として、ないしは前者をないものとして語られてきたのが、筆者の偽らざる皮膚感覚である。
躊躇なく語られてきた「北海道開拓精神」~アイヌ民族への加害は無かったことに~
2015年11月、札幌市に本拠地を置くプロ野球球団・日本ハムファイターズが公式宣伝広告(横断幕)に「北海道は、開拓者の大地だ」として掲げたことに北海道アイヌ協会(札幌市)が抗議し、これを球団側が取り下げたことが物議をかもした。(日本ハム広告「北海道、開拓者の大地」「配慮足りない」アイヌ協会抗議/北海道、朝日新聞、2015年11月10日)。
逆説的に考えれば、この事例は、21世紀も相当過ぎた現在さえ、北海道民の多くが、アイヌ文化の受容や理解とは全く別個の事として、北海道は「自分たち日本人がゼロから開拓した土地である」と普遍的に認識している証左である。
普通、「開拓」とは、無主地(全くの無人島とか、他民族の先住がない土地)を開発したことを指すが、北海道は明治国家以前、古くは中世期に於いてからアイヌ民族の確固たる先住が存在した。北海道は歴史的に日本人のものでは無く、豊かな文化をはぐくんできたアイヌの大地であった。
日本人は中世から、北海道の南端'(現在の函館や渡島)を中心に進出を広め、幕藩体制期には何度か幕府は北方警備(対ロシア)の観点から北海道全土を直轄地とし、明治国家に至っては蝦夷を北海道と改名して完全に併合した。
その過程で、日本人によるアイヌへの過酷な弾圧や松前藩との戦争、アイヌの人権を無視した同化政策が徹底されたことは、史実でありながら当の北海道民自体をして全く認識されていない。このような侵略・加害の事実の共有が北海道民ならず、日本人全体に希薄なことが、今次日本テレビにおけるアイヌ問題表現の遠因にあるのは間違いないことであろう。>>日本史におけるアイヌ認識はYAHOOニュース個人における拙稿を参照されたい。
跋扈する「日本人は加害者では無かった」論
21世紀に入ると、日本の歴史修正主義者や保守派、またそれにぶら下がるネット右翼は、日本民族無謬説、つまり日本人は歴史的に紳士的であり、正義であり、他民族を侵略したり差別していない、という間違った日本史観を吹聴し、それが跋扈しだした。それは最初、1910年に併合した日韓併合を「あれは植民地支配ではなく単なる内国化である」とした、「韓国は日本の植民地では無かった」論であり、これが大手を振って歩きだした。
彼らは、日韓併合は朝鮮側が望んだものであり、合法的であるから植民地支配したのではなく、本土と同様に扱った内国化に過ぎないのだ。結果、日本が朝鮮を統治するやインフラが劇的に整備され、朝鮮経営は赤字で本国からの持ち出しが多く、また人口も増大したので、日本は統治時代に韓国に善政をやった。だからあれは植民地「支配」でも「加害」でも「侵略」でもなかった――、という理屈が大手を振って現在でも出回っている。
しかしこれは完全な詭弁であり嘘である。同時期にフランスはアルジェリアを併合し、フランスと同等の県を設置して法的には差異のない内国化を図り、インフラを格段に整備したが、現在のアルジェリア人でフランス併合を「植民地支配では無かった」という人はいない。イギリス帝国のマレー支配も、イラクや中東支配も、本国からの持ち出し大で赤字経営だったが、現地人はそれを「植民地支配では無かった」とは思っていない。アメリカは20世紀以降、フィリピン支配に莫大な投資をして鉄道、病院、学校、電信電話、教会や、部分的民主主義まで導入したが、フィリピンはやはりアメリカの植民地であった。
事程左様に、21世紀初頭から勃興しだした、日本の歴史修正主義者や保守派、またそれにぶら下がるネット右翼は、自国による侵略を「それは植民地支配ではない」と否定し、日本人は善人であり、日本人の歴史的加害性をなかったことにする傾向が極めて強い。現地のインフラが向上したとか、学校を建設したとか、人口が増えたとか、統治コストが赤字だったのだというのは結果論であって、それは現地の人々が望んだことではない。
これは幕藩体制以後、日本がまさに日本史学用語でいうところの「内国植民地」化した、琉球とアイヌ民族(北海道)にすっぽりと当てはまる。しかし琉球も北海道も、1945年のポツダム宣言、および1952年のサンフランシスコ講和条約においても明治以降約1世紀の完全統治と同化が認められた格好になり日本固有の領土とされたので、北海道民を筆頭に、日本人の多くが、「私たちの先祖がかつて侵略した土地に自分たちが住んでいる」という観念をもっていない。
私はもう「開拓」という言葉は使わない
筆者の母方の祖先は明治時代に、東北地方から北海道東部の十勝に入植した所謂「開拓農家」の家系で、現在でも帯広市内に広大な畑作農地を保有している。父方の祖先は同じく明治期に北陸地方から空知(そらち)地方に移住し、戦後は夕張の炭鉱街の旺盛な住宅需要で一儲けした建設関係の家系だ。現在、札幌市の人口は世界的に見ても約200万人を誇る巨大都市であるが、戦後の高度成長時代に札幌市が支店経済の性格を持った時期に、内地から移住してきた人々が多い。
それに比べて筆者は、父・母両方の家系が日露戦争以前に北海道に「入植」したという自負から、ある時期まで「生粋の道産子」であることを誇りに思っていた。自分は「北海道開拓民」の正当なる子孫として、フロンティア精神に燃えた開拓者の血脈を継ぐことが少し自慢であった。しかし大学に入り、本格的に日本史を学ぶにつれ、如何に日本人が他民族を侵略し、加害し、その結果として現在の北海道や琉球が存在するのか、という史実を思い知らされる時、その自慢は「後ろめたさ」に替わった。
むろん、筆者は北海道「開拓」の第一世代でもなければ、アイヌを迫害した張本人でもない。しかし、北海道に「入植」した家系の子孫として、アイヌ民族に対しては現在でも贖罪の気持ちがあり、であるからこそ爾来「私は北海道開拓をした誇らしい祖先を持つ」などとは口が裂けても言わないし、自分の書籍や原稿その他では絶対に書かないことにしている。日本人から見れば寒冷地の困難に耐え、大都市を建設した苦労人の子孫だが、アイヌ民族から見れば筆者はれっきとした侵略者の末裔なのだから。
このような「日本人は他民族を侵略・加害していない」という歪んだ歴史認識が、北海道民にすら根強くあるからこそ、今次の日本テレビにおけるアイヌ問題表現は起こるべくして起こったのだ。
日本人は他民族を侵略・加害・服属させて現在の領土を獲得したのである、という認識が日本人全体に徹底して共有されないかぎり、今次のアイヌ問題表現は、また近い将来のいつの日にか、別の形となって、何食わぬ顔で噴出するだろう。そこには歴史への無知があり、その無知がなまじむき出しの悪意を伴っている訳ではないからこそ、なおさら罪深いと言える。
※当記事はYahoo!ニュース個人からの転載です。
https://www.newsweekjapan.jp/furuya/2021/03/post-8.php

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【尾山洋一さん】阿寒湖のマリモを調査する釧路市教委学芸員

2021-03-20 | アイヌ民族関連
北海道新聞 03/19 10:23
阿寒湖北部のチュウルイ湾に群生している球状マリモ(釧路市教委マリモ研究室提供)
マリモの生育を妨げる水草の刈り取り作業(釧路市教委マリモ研究室提供)
【尾山洋一さん】阿寒湖のマリモを調査する釧路市教委学芸員
 「阿寒湖の神秘」と呼ばれ、丸くて愛らしい形状が人気のマリモ。大型の球状マリモが生育するのは世界で唯一、釧路市阿寒町の阿寒湖だけとされる。1921年(大正10年)に国の天然記念物に指定され、今月3日でちょうど100年を迎えた。釧路市教委マリモ研究室学芸員の尾山洋一さん(43)に、マリモを取り巻く現状と、保護の在り方を聞いた。(釧路報道部 熊谷知喜)
■森、湖との物語性大切に。愛着持てる機会つくりたい
 ――阿寒湖の球状マリモは誰が価値を見いだしたのですか。
 「マリモは1897年(明治30年)に札幌農学校(現北大)本科生の川上瀧彌(たきや)氏が発見し、98年(同31年)に『毬藻(まりも)』という和名を与え、学術雑誌に発表しました。天然記念物の指定は、植物学者吉井義次博士の調査結果に基づきます。淡水産の緑藻としては『珍奇な形状』で、国内では阿寒湖でしか生育が確認されていませんでした。学術上の価値が高く、保護が必要だというのが理由でした」
 ――この100年、マリモを巡る環境はどう変化しましたか。
 「阿寒湖の球状マリモは天然記念物指定後も観賞用として盗まれ続けました。自然保護への意識は当時と今ではかなり異なります。今はマリモの学術的な理解が深まり、保護の大切さも広く受け入れられました。湖は漁やレジャーなど、いろいろな利権が絡みます。阿寒湖はマリモがいる場所に観光船が入らないなど、マリモの保護を前提に湖の管理方針が決まっており、他の地域と違う点です」
 ――1952年(昭和27年)に特別天然記念物に格上げされましたね。
 「この時期はマリモにとって大きな出来事が起きています。50年から52年にかけ、北大の舘脇操(たてわきみさお)博士(植物学)らの研究グループがマリモを本格的に調査し、阿寒湖での詳細な分布状況や生育環境、球状になる要因とされる風波の知見を得ました。一方、水力発電増強のため、阿寒湖から流れる阿寒川で過度な取水が行われ、湖の水位が低下。マリモの大量枯死の実態が広く伝えられました」
 ――結果、どうなりましたか。
 「舘脇博士の提案で、愛護心を育む取り組みが始まりました。50年にマリモ愛護会が発足し、盗まれて全国に散らばったマリモの返還を呼び掛けるキャンペーンを展開しました。同じ年に第1回の『まりも祭り』が開かれ、アイヌ民族の人たちの手で、マリモを湖水に返す儀式が執り行われました。特別天然記念物の指定は、地元住民の取り組みが大きな後押しになったと考えます」
 ――マリモの生態は不明なことが多いようですね。
 「90年代から遺伝子レベルでの研究が進み、国内外のマリモの分布状況が明らかになりました。科学的に分類され、阿寒湖における球状マリモの群落の世界的な希少性が裏付けられました。ただ、阿寒湖のマリモが湖内でどのように生活しているのか、仮説のレベルにとどまっていました」
 ――最新の研究成果はどのようなものがありますか。
 「マリモは、遊走細胞(胞子)が貝や石に付着して密生し、小さな塊になってはがれ、水中で回転しながら球状になります。この『遊走細胞の形成』はこれまで室内でしか確認されませんでしたが、北大の研究グループは最近、野外である阿寒湖で初めて確認しました。私もマリモの球化や成長速度、崩壊や再生のサイクルについて、従来の仮説を検証できる再現性のあるデータを得て、論文で報告できればと思います」
 ――2019年、マリモの個体数調査が22年ぶりに行われました。
 「(阿寒湖北部の)チュウルイ湾では、22年前と比べて球状マリモの現存量や直径15センチ以上の大型個体数に大きな変化はありませんでした。しかし、球状マリモの分布面積は約3割減り、糸状の浮遊型マリモはほぼ消失していました。原因は水質改善によって水草が増え、湖水の流動が変わってしまったためです。今回のデータを基に、水草の生育状況や生育環境のモニタリングも続け、対策を検討する考えです」
 ――文化庁の補助事業で18~20年度、水草除去の研究が阿寒湖で行われています。
 「研究では水草の量とマリモの回転の関係を調べています。マリモは風が吹くと発生した波によって、回転しながら球状に育ちます。水草の分布拡大で群生地の風波が弱まり、マリモの成長や球化に必要な回転が不足するのではないかと想定しています。水草を刈り取ることで、成長に至らないマリモの減少が期待できます」
 ――除去した水草がエゾシカの餌になるかも調べていますね。
 「冬季にエゾシカが樹皮をはいで食べる問題があり、阿寒湖周辺の森林を管理する前田一歩園財団(釧路市)が、ビートパルプ(ビートの糖分を絞ったかす)の給餌に取り組んでいます。この給餌場に乾燥させた水草を置いたところ、エゾシカが食べることが確認され、ビートパルプの代替になる可能性があるとみています」
 ――保護活動では、子どもにも積極的に働きかけています。
 「エゾシカの水草の給餌調査は、阿寒湖小の児童たちと一緒に取り組みました。森、湖、マリモを個別に学ぶのでなく、ストーリー性があるよう組み立てました。地域が抱える環境問題を学ぶ独創的な教育プログラムにつなげたい。子どもたちに阿寒湖の自然の豊かさを体感してもらうことで、マリモへの愛護の気持ちが芽生え、阿寒湖を離れても故郷の自然を誇りに思い、マリモを守るサポートをしてもらえればうれしいですね」
 ――尾山さんは阿寒湖温泉の出身ですね。
 「実家は土産物店で、弟が父の後を継ぎました。私が子ども時代、お土産の定番は養殖マリモで、1週間に1度は水替えを手伝いました。その頃はマリモの価値は分かりませんでしたね。大学に進んで自然環境系の道を選んだのは、自然の中で生まれ育ち、興味があったから。道東や阿寒湖を調べるようになったのも、地元の自然の価値をもっと知りたい、伝えたいという気持ちがあったからです」
 ――マリモと人の関係はどうあるべきだと思いますか。
 「マリモの保護に関わる人のネットワークが国内に限らず、世界中に広がることが理想です。よく『なぜマリモを守らないといけないのか』と聞かれます。特別天然記念物だから、希少な植物だから、という答えは少し違うと思います。それでは保護活動に参加する動機として続きません。大切に思ってくれる人がいるから、守るのです。多くの人が興味や愛着を持つことができる機会をつくりたいと考えています」
<略歴>おやま・よういち 1977年、釧路市阿寒町(旧釧路管内阿寒町)生まれ。東海大卒、筑波大大学院生命環境科学研究科で博士号(理学)取得。専門は陸水学、衛星画像などで土地や湖の形状、性質を観測する「リモートセンシング」、地球化学。産業技術総合研究所研究員、筑波大研究員を経て2015年から現職。阿寒湖をはじめ、国内や中国、カンボジアなどアジアの湖沼の水環境を研究。湖沼の水質や水草分布の観測、阿寒湖周辺の地下水や温泉水の調査などを手掛けてきた。10年度の日本陸水学会吉村賞受賞。
<ことば>阿寒湖のマリモ マリモは北半球に広く分布する藻類の一種。阿寒湖には直径15センチ以上の大型の球状マリモが生育し、直径30センチを超える個体もある。球状マリモの群生地は湖内に4カ所あったが、西部のシュリコマベツ湾と大崎の2カ所は1940年代に森林伐採による土砂の流入などで消滅したとみられ、現在は北部のチュウルイ湾とキネタンぺ湾の2カ所だけ。2019年に個体数調査が行われ、大型の球状マリモは1997年の前回調査と比べ、6千個増の11万1千個に上り、総重量は15%増の32.1トンと推計されている。
<後記> 尾山さんの専門は内陸部の水域を研究する陸水学。マリモを育む「ゆりかご」として、阿寒湖の機能や特異性を研究している。なぜ、マリモの群生地は消滅したのか、マリモは湖の中でどのように生活しているのか、1年間でどれだけの増減があるのか。マリモについては、いまだに分からないことが多い。「住民の疑問を受け止め、科学の力で解明したい」と尾山さん。研究者となった今、さらに知識や知見を得て、住民の問い掛けに答えようとしている。その姿から見えるのは、ふるさとへの愛着にほかならない。
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/523242

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口パク、ハト焼死… 物議や話題呼んだ五輪開会式の演出あれこれ

2021-03-20 | 先住民族関連
毎日新聞 3/19(金) 8:08
 東京オリンピック・パラリンピックの開閉会式で演出の総合統括を担ってきたクリエーティブディレクターの佐々木宏氏(66)が18日、辞任した。大会に込めた理念やメッセージを披露する象徴的な式典を巡っては、過剰な演出やアクシデントにより、物議を醸したシーンもあった。
 ◇批判呼んだ演出も
 記憶に新しいのが、2008年夏の北京五輪開会式だ。中国国旗が五輪メイン会場の国家体育場(鳥の巣)に入る際、9歳の少女が革命歌曲を披露したが、実際には「口パク」で、別の7歳少女(いずれも年齢は当時)が歌っていたことが判明した。式で打ち上げられた花火も一部でコンピューターグラフィックス(CG)による合成映像が使われたことも明らかになった。
 過去の五輪の開会式では平和の象徴とされるハトの放出が定番だったが、1988年のソウル五輪では、思わぬ悲劇を生んだ。放たれたハトが聖火台の炎で焼け死んでしまい、動物愛護団体が抗議した。
 もちろん平和の祭典には数多くの名場面もあった。84年ロサンゼルス五輪の開会式で、背中にジェット噴射装置を付けた「ロケットマン」が空中遊泳する姿は大きな話題を呼んだ。五輪の商業化路線へとかじを切った大会は、開会式のショーアップ化を加速させた。
 ◇感動呼んだアリさん
 開会式では、最終聖火ランナーにもドラマが生まれ、多くの人の感動を呼んだ。96年アトランタ五輪で、世界的な名ボクサーで60年ローマ五輪金メダリストのムハマド・アリさんはパーキンソン病を患いながら震える手で聖火をともした。00年シドニー五輪では、開催国オーストラリアの先住民族アボリジニの女性で陸上競技のキャシー・フリーマン選手が大役を務め、民族融和を表現した。12年ロンドン五輪では、映像を組み合わせた演出も話題になった。英国のエリザベス女王が、人気映画「007」の主人公、ジェームズ・ボンドと一緒にパラシュートでメイン会場の上空から飛び降りる映像が流れ、開会式の最も印象的な場面と言われた。
 ◇東京では青空に五輪が描かれ
 前回の64年東京五輪の開会式は、航空自衛隊のアクロバット飛行チーム「ブルーインパルス」が会場上空に五輪を描き、広島に原爆が投下された45年8月6日に生まれた当時早大競走部1年の坂井義則さん(故人)が聖火リレーの最終ランナーを務めた。【岩壁峻】
https://news.yahoo.co.jp/articles/fa72c41a3c58f77abc12f9f72968cd6b65a0eb77

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