先住民族関連ニュース

先住民族関連のニュース

アイヌの伝承から防災を考える

2021-03-07 | アイヌ民族関連
NHK 03月06日 16時48分

東日本大震災から10年になるのに合わせて防災について考えてもらおうと、胆振の白老町の博物館で6日、地元のアイヌの人たちに伝わる津波の伝承を紹介する講演会が開かれました。
ウポポイにある国立アイヌ民族博物館で開かれた講演会にはおよそ40人が参加し、はじめに学芸員がアイヌの伝承にある「津波は悪い神が引き起こすもので、津波が来たら標高の高い山に避難する」という言い伝えを紹介しました。
そのうえで、近隣にあるキラウシと呼ばれる高台はアイヌ語で「逃げる場所」という意味で、当時からアイヌの人たちが津波に備えていたことを示していると指摘しました。
参加した50代の女性は「アイヌの人たちの昔からの伝承と、白老で生まれ育った自分の防災意識が同じで感動しました。津波の時にはできるだけ冷静に行動したいです」と話していました。
アイヌ民族博物館のシン・ウォンジさんは「昔の地層やアイヌの伝承には大きい津波の痕跡が残っている。町民のみなさんには災害への備えを心がけて生活してほしい」と話していました。
https://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20210306/7000031496.html


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アイヌ民族伝統の舟完成 長沼で製作 4月にも札幌で公開

2021-03-07 | アイヌ民族関連
北海道新聞 03/07 01:14 更新

完成したイタオマチプ。へさきに波の文様などの飾りを施した
 【長沼】アイヌ民族が外洋の航海に使ったイタオマチプ(板綴舟(いたつづりぶね))の製作が空知管内長沼町内で進められ、6日完成した。アイヌ文化の保存に取り組むオホーツク管内美幌町のアイヌ文化学術研究会(花岡知之代表)がアイヌ伝統工芸家の成田得平さん(77)=札幌在住=ら4人に製作を依頼した。4月にも札幌で一般公開する。
 イタオマチプは、アイヌ民族がかつて漁や交易のために使った外洋用の舟で、帆や櫂(かい)で進む。今回製作した舟は全長12・3メートル、幅1・7メートル。北大雨竜研究林(上川管内幌加内町)が共同研究として協力し、研究林から樹齢約200年のアカエゾマツをきりだした。
 製作は長沼町内の農業用倉庫を借りて昨年10月下旬にスタート。丸太を手彫りするなどして土台部分の「舟敷(ふなしき)」をつくり、舟の上部は道南スギの板を縄でつないで仕上げた。
 成田さんは10隻以上のイタオマチプを製作してきた。今回の舟について「前部の曲線にこだわった。仲間たちにも技術を受け継げた」と話す。
 舟は今後、防水加工し、同会が札幌市北区に建設する倉庫に運ぶ。6月には近郊でチプサンケ(進水式)を計画する。(大谷佳奈)
◆「イタオマチプ」の「プ」は小さい字。「チプサンケ」の「プ」は小さい字。
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/518719

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アマゾンの熱帯雨林、フェイスブックで違法売買 BBCが独自調査

2021-03-07 | 先住民族関連
BBC 3/6(土) 12:51
南米アマゾンの熱帯雨林の土地が、フェイスブック上で売られている。
BBCブラジルの調査によって、先住民族の人々が自分たちの土地を守ろうと侵略者と闘う様子、そしてブラジル政府の対応などが明らかになった。
https://news.yahoo.co.jp/articles/762bc02c3525ced3faf868e207ddaae54d832659

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「女だから味わわされた屈辱や怒りや恐怖」を思い出させる文芸作品

2021-03-07 | 先住民族関連
クイックジャパン 3/6(土) 9:01
東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長(現在は辞任)の発言「組織委員会に女性は7人くらいか。7人くらいおりますが、皆さん、わきまえておられて」が批判を浴びた。「わきまえる」ことを是とする感覚への不信、怒り。作家の藤野可織が『朝日新聞デジタル』に寄せたエッセイ「あの日、私はわきまえた女だった」に感銘を受けた書評家・豊崎由美は、さらに、小説『消失の惑星』に描かれた遠い異国の「女性の怒り」の本質が、現代ニッポンのそれに重なることに打たれる。
私はずっと怒っている
『朝日新聞デジタル』は有料サイトなので全文読めない人がいるかと思うんですが、ここに掲載された小説家・藤野可織さんのエッセイ「あの日、私はわきまえた女だった」が素晴らしいんです。
ある日、乗り込んだタクシーの運転手から言われたひと言。
〈しかし最近何かというたらすぐセクハラ、セクハラですなあ。〉
前職で一緒だった女の子たちからもそう言われるけど、そんなこといったら何も言えなくなるから、自分はこれまでどおり「言いたいことは全部言うてまっせ」と朗らかに語りかける運転手に、藤野さんは頭の中でたくさんの反論を思い浮かべたものの、結局何も言い返せなかったというのです。密室である車内で体格のいい男性とふたりきり。その状況から引き出されるネガティブな想像が自分を「わきまえた女」にしたと、藤野さんは回想します。
それはとてもささいな出来事かもしれないけれど、〈私はずっと怒っている。何も言えなかった自分に対して憤怒している。〉〈恐怖も忘れていない。(略)私は恐怖でかんたんに黙ってしまう人間だという事実が私を蝕(むしば)んでいる。〉と。
そして、エッセイをこのような至言で結んでいるんです。
〈わきまえるとはそういうことだ。恐怖による沈黙と、長く続く自傷めいた怒り。誰かに対しわきまえよと求めそのとおりになったとき、それはただただ恐怖の作用なのだ。〉
藤野さんのこの文章を読んで「わからない」という女性はひとりもおりますまい。同じような体験をしたことがないという女性はひとりもおりますまい。
というわけで、今回紹介したい小説はジュリア・フィリップスの『消失の惑星(ほし)』(早川書房)になります。ここに登場する大勢の女性もまた、藤野さんのエッセイと同じように、わたしの過去における「女だから味わわされた屈辱や怒りや恐怖」を思い出させてくれるからです。
「犯人は誰なのか」「動機はなんなのか」ではない
物語は、8月、カムチャツカ半島の海岸で遊んでいた11歳のアリョーナと8歳のソフィアが、黒いサーフに乗った男に騙されて連れ去られてしまうというシークエンスから始まります。でも、この大きな出来事は以降、物語の後景に退くんです。「犯人は誰なのか」「動機はなんなのか」といった謎にぐいぐい迫っていくミステリーのようには、物語は展開していきません。
父親のいない家で、母親が子供をほったらかしにしているからあんな事件が起きるのだと考え、白人ではない先住民やよそ者に冷ややかな気持ちしか抱けないワレンチナ。そんな彼女から娘との付き合いを禁じられてしまう、母子家庭に育つ13歳のオーリャの気持ちに寄り添った「九月」。
見た目はいいけれど、キャンプにテントを持ってくるのを忘れるような杜撰な性格のマックス。火山研究所で働いている同僚のオクサナからは「あんなダメ男と」と呆れられるけど、自分の年齢を考えると交際がやめられない30代のカーチャの葛藤を描く「十月」。
「九月」に登場し、徐々に大きくなる胸の水疱を深刻な病状と宣告されるワレンチナが、警察署の事務員として姉妹誘拐事件の犯人像にも差別的な意見を持っていることがわかる「十一月」。
7歳年上の白人の恋人ルースランによる過剰で過保護な干渉によって、自分の優秀さを見失いがちな先住民の大学生クシューシャ。同じ大学に入学した17歳の従妹に誘われて舞踏団に入り、そこで出身地のちがう先住民の男性チャンダーと友達に。やがて、粗野なルースランとは正反対の思慮深く知的なチャンダーに想いを告白され、ふたつの愛の間で切り裂かれることになるまでを描く「十二月」。
大晦日の夜、年越しのパーティに参加しているラダ。そこへ、名門大学に進学し、今はサンクトペテルブルクで外資系の仕事に就いているという、何年も音信不通だったかつての親友マーシャが帰郷のついでに顔を出す。白人に差別され、旧弊な価値観のまま変わろうとしない先住民の町から抜け出したマーシャと、そこに留まりつづけたラダ。同性愛であることを隠そうともしないマーシャの身を案じることしかできないラダの内面に分け入る「十二月三十一日」。
■愛犬が行方不明になって初めて
夫が仕事で留守がちな家で、海洋研究所で働きながらふたりの子供を育てているナターシャ。そこへ年末年始を共に過ごすため、北の町エッソから、先住民のための文化センターを運営している母親のアーラと、常軌を逸した情熱をUFOに傾けている弟のデニスが来て滞在している。ナターシャはどんな話題にもUFOを絡める弟が我慢ならず、母親との関係も良好とはいえない。彼らの関係に、3年前に書き置きもなく家を出ていってしまった次女リリヤの影が落ちていることがわかる「一月」。
17歳の時に出会い、運命の恋に落ちて結婚した相手と事故で死別し、その7年後に再婚した優しくて頼りがいのある夫をまたも事故で失った55歳のレヴミーラ。愛の喪失と、それでも生きていかなくてはならない無常を短い物語の中に描き切って見事な「二月」。
甲斐性なしのチェガ(「十二月」の主人公クシューシャの兄)との同居を解消して、幼い娘と実家に戻ったナージャ。どんな人間にもなれる未来が待っている娘への思いの中に、もう自分の人生のやり直しがきかないという諦観を織り込んだ「三月」。
警察官の夫を持ち、生まれたばかりの赤ん坊の世話をするためにキャリアを中断せざるを得なくなっているゾーヤが、どこかよその場所からやってきた移民の作業員への憧れと性的妄想を育てるさまを描く「四月」。
「十月」に出てきたマックスの不注意によっていなくなってしまった愛犬を必死で探す、姉妹誘拐事件の唯一の目撃者オクサナ。愛犬とはちがって、マックスや元夫をはじめとする自分がこれまで関わってきた男たちがいかにあてにならず身勝手だったかという憤りと、愛犬が行方不明になって初めて姉妹の母親の気持ちが理解できたというエゴが痛ましい「五月」。
いなくなってしまったふたりの娘の行方を諦めることなく追い求める母親マリーナ。友人夫妻に誘われて参加した文化的少数民族の伝統的祭典で出会ったアーラ(「一月」に登場)から「あなたの娘は白人だから捜索されるけれど、わたしの娘リリヤは先住民だから警察は相手にもしてくれない。コネがあるなら紹介してほしい」と頼まれ困惑する。祭典の場でも誘拐された姉妹の母親として記者から取材を受けるなどして憔悴するマリーナの前に現れたのがチェガ。彼がもたらした「エッソにはトヨタの黒いサーフに乗る変わり者がいる」という情報によって、行き詰まっていた誘拐事件の捜査が大きく動き出す「六月」。
■女性の「屈辱と怒りと恐怖」
事件が起きた8月から翌年の6月までの約1年をかけて作者が描いていくのは、なんらかのかたちで誘拐事件に関係していたり、関係はなくても心の片隅に事件が引き起こした感情が巣くっていることに意識的である女性たちのプロフィールです。
「わきまえた女性」という言葉にも違和感が表明でき、「#Me Too」運動も盛んな現代ニッポンとは違って男尊女卑の考えが根深いばかりか、白人と先住民と移民のパワーバランスが歪なカムチャツカ半島に生きる、年齢も出自もさまざまな女性の「屈辱と怒りと恐怖」「かなえられなかった、もしくは奪われてしまった夢や希望」が静かな筆致で浮かび上がってくる1年の物語。近くて遠い半島を舞台にしながらも、彼女たちの姿はわたしたちのそれと重なります。
でも、描かれているのはそうした女性が抱える問題だけではありません。ソ連時代を懐かしむ世代と若い世代の断絶、カムチャツカ半島の美しくも厳しい自然環境、先住民族の豊かな文化、その描写もまたこの小説の美点なのです。
いったんは後景に退いた姉妹誘拐事件が最終章「7月」でどう描かれるかも楽しみに、読み進めていってください。
豊崎由美
(とよざき・ゆみ) ライター、書評家。『週刊新潮』『中日(東京)新聞』『婦人公論』などで書評を多数掲載。主な著書に『勝てる読書』(河出書房新社)、『ニッポンの書評』(光文社新書)、『ガタスタ屋の矜持 場外乱闘篇』(本の雑誌社)、『文学賞メッタ斬り!』シリーズ&『村上春樹「騎士団長殺し」メッタ斬り!』(大森望との共著、河出書房新社)、『石原慎太郎を読んでみた 入門版』(栗原裕一郎との共著、中公文庫)、『まるでダメ男じゃん!「トホホ男子」で読む、百年ちょっとの名作23選』(筑摩書房)などがある。
文=豊崎由美
https://news.yahoo.co.jp/articles/49108025fdbdb88691fe8976796e186ed0064dbb



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