Dutch Life 備忘録

オランダのミュージアム、コンサート、レストランなどについて記録するノート。日常的な雑記も…。

オペラ:Lessons In Love And Violence@オランダ国立歌劇場(アムステルダム)

2018-07-01 19:02:51 | 演劇/ミュージカル
オペラ「Lessons In Love And Violence」を見にアムステルダムのオランダ国立歌劇場へ行ってきました。
ソプラノのBarbara Hanniganをこの前見て良かったので、このオペラを見えみようと思いました。
ジョージ・ベンジャミンの作品で、テキストはMartin Crimp、監督はKatie Mitchell、オーケストラは、Radio Filharmonisch Orkestでした。
英語作品で、英語とオランダ語の字幕がついていましたが、英語のほうは遠くだったので読めず、オランダ語のほうを読んでいましたが、目が疲れて、最後の方は読めませんでした。
1時間35分くらいの短めの作品で、7幕に分かれています。
Barbara Hanniganの歌声は独特の迫力があって、また美しい高い声で、魅了されます。
コンパクトな良い作品で、音楽もよかったと思います。
ただ、やはりわたしの目には光の加減とか、ちょっと辛かったです。
この日、アムステルダムは青空が広がり、夏のすばらしい一日で、オランダ国立歌劇場のあたりは運河に囲まれ、あたりを歩いているととても開放された楽しい気分になりました。

オペラ:Gurre-Lieder@オランダ国立歌劇場(アムステルダム)

2018-04-29 11:36:15 | 演劇/ミュージカル
評判が良いオペラ「Gurre-Lieder」を見にアムステルダムのオランダ国立歌劇場へ行ってきました。
Dutch National Operaの公演です。2014年に初演のものの再演でした。
Arnold Schönbergの初期を代表する大作「Gurre-Lieder(グレの歌)」をMarc Albrecht指揮のederlands Philharmonisch Orkestが演奏しました。
監督・演出は、Pierre Audi。
昼の部の公演だったので、始まったのは14時でした。その前に30分ほどの解説があったので、それも聞きました。これはオペラという別のホールでありました。
そして、本番は時間通りに始まりました。舞台を囲むように半円系に席が設置してあるので、どこからも舞台がよく見える良い会場でした。
王役の人は、広告ポスターの人とは違っていて、どっぷりとした体形でした。王の寵愛を受けたTove役の女優の人の歌がとても素敵でした。
舞台装置は、最初ベッドだったものが、部屋になり、それが二つ出てきて、くるりと回転する演出は、とても良かったです。
言語はドイツ語なので、わたしは理解できず、小さな画面表示の字(英語とオランダ語)を読むのですが、それと舞台の二つを同時に集中することはできず、ちょっとたいへんでした。
パンフレットを買ったので、あとでじっくり読むつもりです。
最後のほうは、シェーンベルクの独特な感じの曲想があり、楽しめます。
途中休憩はなく、終わったのは4時ごろでした。
楽しめましたが、字幕を読むのにかなり集中したせいか、目が疲れました。
100人を超えるコーラスの人たちもいて、華やかな舞台でした。

劇「Obsession」@王立カレー劇場(アムステルダム)

2017-06-18 10:30:46 | 演劇/ミュージカル
ジュード・ロウ主演、Ivo van Hove(イヴォ・ヴァン・ホーヴェ)監督なので、見たいと思い、ずいぶん前に予約した演劇作品「Obsession」を見に王立カレー劇場に行ってきました。
英語作品で、オランダの女優Halina Reijnが相手役をしています。他、Gijs Scholten van Aschat、Robert de Hoogもオランダで有名な俳優です。
すでにロンドンで上演されていて、かなり厳しい批評がでていました。
席は、正面のバルコニー席で、舞台が良く見えました。一応、オペラグラスを持参したので、細かい表情などはそれで見ました。
劇は、ビスコンティの映画「Obsession(郵便配達は二度ベルを鳴らす)」を題材にしています。私はこの映画を見ていません。
舞台の上のほうに、オランダ語の字幕が出ます。
ストーリーはよくある三角関係のような話で、出演俳優は合計6人です。舞台装置もシンプルでした。でもイヴォ・ヴァン・ホーヴェなので、彼独特の映像とのシンクロや、あっと驚く仕掛けがあって、楽しめる部分があります。
ジュード・ロウは、格好良くて、とても良かったです。役に最初から最後までなり切っている感じがありました。声量もあり、セリフもわかりやすかったです。反対にHalina Reijnは、セリフがときどきわかりにくかったです。彼女が出るお芝居は、過去に「The Fountainhead」を見ているのですが、このときも男を誘惑する役で、なんか同じだなあと思いました。
イヴォ・ヴァン・ホーヴェの作品を見るのはこれで三作目、以前の2作は、「The Fountainhead」「Kings of War」でした。
実は、この日すごく暑く(30度)、劇場まで歩いていくまでに汗だくになりました。劇場でアイスティーを飲んで少し落ち着き、劇を見ている最中、心地よい冷房と薄暗さで、眠気が襲ってきて、大変でした。眠りはしませんでしたが、劇のストーリーはだいたい知っていたこともあり、少し退屈がったことは否めません。
ジュード・ロウの舞台演技を見たいという目的がないならば、特に見に行くことはないかも。
1時間40分くらいの作品です。
ビスコンティの映画になじみがあれば、もっと深く楽しめたのかもしれません。
王立カレー劇場が19世紀末に作られた歴史のある劇場です。昔ながらの趣きを残しています。舞台は広く、すり鉢状になっていて、観客席はどこからでも舞台がよく見えるのではないかと思います。昔はサーカスとかやっていたそうです。この劇場に一度は行く価値はあります。


The Fountainhead@Stadsschouwburg(Amsterdam)

2017-01-08 09:42:09 | 演劇/ミュージカル
日曜日、アムステルダムのStadsschouwburg(市劇場)にToneelgroep Amsterdamの「The Fountainhead」という演劇を見に行きました。Toneelgroep Amsterdamというのはアムステルダムにある劇団で、世界的に有名なIvo Van Hove(イヴォ・ヴァン・ホーヴェ)が芸術監督をしています。
今回の「The Fountainhead」もイヴォ・ヴァン・ホーヴェの監督作品です。以前に彼の作品「Kings of War」を見たことがあります。「Kings of War」も長い作品ですが、今回も開始が午後4時で休憩をはさんで終わったのが午後8時15分という長いものでした。
また、イヴォ・ヴァン・ホーヴェ作品の特徴でもありますが、舞台の一部に液晶スクリーンがあってそこにライブ映像が映し出されます。今回は、建築家の設計スケッチや、役者の演技を上方から映した映像などが流れます。舞台は通常観客側からの視点しかないですが、そこに生のカメラ映像をスクリーンに映すことで複数の視点が得られます。
ストーリーは、Ayn Rand(アイン・ランド)というロシア系アメリカ人の小説家が1943年に出版したベストセラー小説『The Fountainhead(水源)』が原作です。自分の独創的な建築に固執して理想を曲げないために建築家として成功できない主人公のハワード・ロークと、商業主義におもねて言われるままに建築デザインを信念なく変え建築家として名声を得るピーター・キーティングを中心に、就職先の大手建築会社の経営者の娘ドミニクとの恋愛も絡んで、その人生の顛末が描かれます。
理想をつらぬく個人主義か、大衆の意見を聞き実際には二流のものを作り続ける成功者かという選択の問題がテーマです。
俳優は、主役のハワード役がRamsey Nasr、ドミニク役はHalina Reijnでした。この二人がヌード姿で現れるシーンがあり、ほんとうに真っ裸だったのでびっくりしました。
テーマは主人公に同意できるかちょっと疑問でしたが、演劇としては面白かったです。また音楽は舞台奥で演奏されていて、よい演出でした。
この劇が始まる前に、建物内の別の場所で、このアムステルダム市劇場のあるモザイク画「Gysbreght van Aemstel」に関する短編フィルムが上映されていたので見ました。



劇:ANNE@Theater Amsterdam

2015-12-30 10:26:13 | 演劇/ミュージカル
アムステルダムに独自の劇場を建設して始まった「アンネの日記」に基づいた劇「ANNE」がもう少しで公演終了ということなので、見に行ってきました。
ミュージカルだとなぜか勝手に思い込んでいたのですが、劇でした。
隠れ家を再現した大掛かりなセットが見ものです。
劇の中のアンネは、活発で元気いっぱいのおしゃべりな少女です。父親にすごく愛されていて、アンネ自身も甘えていて、少しわがままな感じもしました。
まあ、13、4歳のふつうの少女です。
このおしゃまな少女が約2年間の間、外界から遮断されて暮らすわけです。日記に名前をつけて、それを親友のようにして、話しかけるように日記を書いて。
小さな空間(と言ってもいくつも部屋があるのですが)に、二家族と一人の男性が暮らすのですから、いろいろと問題は起こります。
そして終戦が近づきつつあると知った直後に、隠れ家が見つかり、みんな拘束され、強制収容所に連行されてしまいます。
暗い話ですが、会話の端々にジョークなどもあり、ところどころで笑いはこぼれます。
しかし、劇として話を追うだけの平坦な感じはしました。これといって感動するような場面はありませんでした。
「アンネの日記」を読んだことがない人や子どもには、話を知って興味をもつ導入としてとてもいいと思います。
読んだことがある人も、隠れ家が立体的にどんなだったかがわかって、面白いと思います。
ただ、ところどころに心に沁みるような歌が挿入されていれば、もっと良かったのではと個人的には思います。
体調は良好です。






Kings of War@アムステルダム市立劇場

2015-12-18 10:30:14 | 演劇/ミュージカル
「Kings of War」という演劇をアムステルダム市立劇場で見てきました。アムステルダム市立劇場と言っても、Rabozaalという新館のほうの新しい劇場でした。
「Kings of War」は、シェイクスピアの『ヘンリー五世』『ヘンリー六世』『リチャード三世』の三作を合わせて、一つの劇にしたものです。Ivo van Hove(イヴォ・ヴァン・ホーヴェ)の演出で、出演者はスーツ姿、舞台は現代の作戦室のように作られています。
舞台の真ん中上方に、スクリーンがって、そこに映像が映し出されます。手持ちカメラで、演技している生の俳優の顔が別の角度からクローズアップされたり、舞台の袖から裏へつながっている迷路的通路の中で起こる出来事がカメラでこのスクリーンに映し出されたりして、とても重層的な演劇空間が実現されていました。
俳優も達者な人が多くて、リチャード三世役のHans Kesting、ヘンリー五世役のRamsey Nasr、サーフォーク役のRobert de Hoogが特に良かったです。
休憩も含めて4時間半の長い演劇ですが、退屈することなく楽しめました。
イヴォ・ヴァン・ホーヴェは、アントワープ出身で、2015年の「ローレンス・オリヴィエ賞」も受賞したとても有能な演出家です。
イヴォ・ヴァン・ホーヴェと言えば、最近、デイビット・ボウイをテーマにした音楽劇「Lazarus」がニューヨークで公開され、各紙が大絶賛していました。オランダにこの劇が来たら、是非見に行きたいと思っています。
体調は良好です。








De Odyssee@Westergasfabriek(アムステルダム)

2014-08-17 10:39:55 | 演劇/ミュージカル
音楽とダンスを合わせた劇「De Odyssee(オデュッセイア)」を見に行ってきました。アムステルダムでいつもこの時期に行われるGrachten Festivalの一環でした。
場所は、アムステルダムのWesterpark(西公園)にある旧ガス工場(写真)です。今は広いスペースを活用して、イベント会場やスタジオとして使用されています。公園なので、散歩もしたいなあと思っていたのですが、あいにくの雨でした。
デュッセウスの冒険譚をそれぞれモダンダンスで表現し、それに合わせた音楽が生で演奏されます。台詞は一切ありません。コーラスの人たちもいて、囁くような声で雰囲気を表現したりして、音楽においていろいろな工夫がされていました。
とても上品な舞踊劇で、ホメロスの「オデュッセイア」を読んで、物語をよく知っていればより楽しめるようですが、私はいくつかのエピソードを知っているだけでしたので、何を表現しているのかわからない部分も多かったです。
突然、上から何かが落ちてきたりというどっきりする仕掛けもありました。
私はこういう種類の芸術を見慣れてないので色んなダンスにもあまり感想がないのですが、観客受けはかなり良かった感じです。
全部で80分の長さでした。
場面がどんどん変わるので、退屈している暇はありませんでした。
たまにはいつもと違った芸術に触れるのもいいかなと思いました。
体調は良好です。ずいぶんと気温が低くなったので風邪をひかないように気をつけないと…。




Michael Jackson The Immortal World Tour (Ziggo Dome@アムステルダム)

2013-03-11 15:47:37 | 演劇/ミュージカル
金曜日の夜、シルク・ドゥ・ソレイユの公演「Michael Jackson The Immortal World Tour」に行ってきました。
以前に日本でやっていたものだと思いますすが、オランダでははじめてで3日間だけでした。
Ziggo Domeというアムステルダムのアレーナ近くにある新しめのホールでの公演です。Ziggo Domeに行くのも初めてでした。
入口でチケットを渡すと、係の人がスキャナーでチェックするのですが、なんと「ブー」と鳴って赤の×印が表示されました。係の人が何度かやりましたが、同じです。すると、ポケットからメモを出し、あ、「○○さんですね」と名前を確認され、別の係員に引き継がれました。結局、同じ席を二重売りしてしまったようで、別の席の新しいチケットと、お詫びのためにツアーパンフレットをもらいました。新しい席は、1階の後方真ん中で、そのブロックの第一列だったので、脚が伸ばせて良い席でした。こんなこともあるんですね。
ショーは、ダンス中心のアクロバティックな動きの多い、目をみはるものでした。
会場は満員で、マイケル・ジャクソンのファンの人が多いのか、マイケルの写真がスクリーンに映ったり、歌のサビの部分では、掛け声が沸き起こったり、かなり熱狂している雰囲気がありました。
とても濃密なステージで、体感時間にして30分くらいで、前半が終わって休憩時間になりました(実際には50分くらい)。
空中に5人くらいの人がつり下がって、全身黒いのですが、表面に小さな電飾が無数についていて、その電飾の色が音楽と連動して、変わるのが、背景の夜空と合って、とてもすばらしかったです。
ダンスが好きな人はもっと楽しめたと思うのですが、私はダンスはあまり得意な分野の芸術ではなくて、いまひとつ心が動かされません。
最後のほうに、白黒で子どもの頃のマイケルが歌うさまが映し出され、それにはちょっと感動しました。
このショーを見ていて、やはり核がないというか、空虚感が感じられ、それはマイケルという中心人物がいないことなんだなとつくづく思いました。
すばらしいショーだとは思いましたが、自分が見たいものなのかというと、もしかしたらそうでないかもなどと考えていました。
体調は良好です。

ハンス・クロックのマジックショー

2013-01-24 11:43:42 | 演劇/ミュージカル
風邪が悪化した金曜日(1月11日)、体調はいまひとつだったのですが、是非行きたかったショーとは、ハンス・クロック(Hans Klok)のマジックショーでした。ハンス・クロックはオランダを代表するマジシャンで、ラスベガスでもショーを行っており、かなりの実力派です。
場所は、デンハーグのWorld Forum Theater。とても大きなホールです。
ハンス・クロックを中心に、女性たちと、ポルトガル出身の軽業師たちがショーを繰り広げます。何度も何度も大きな箱に人が入り、消え、また別の人がその箱から現れます。双眼鏡持参でじっくり見たのですが、どう考えてもトリックがわかりません。
オランダ語でところどころトークも交え、自分の子ども時代の体験やラスベガスでの体験などをユーモラスに語り、音響もがんがん入って、飽きさせる場面がありません。
彼が子どもの頃見て影響を受けた伝説的マジシャンのフーディーニ(Houdini)へのオマージュ的なショーで、フーディーニが得意としていた脱出技(拘束衣を着て水槽の中に閉じ込められて脱出する)もやってくれました。もちろん、さらにひと工夫加えて。
本格的な奇術ショーを生で見るのは初めてで、とても楽しみました。
ただ休憩後の後半は、熱が上がってきたのか、少し気持ち悪くて集中できませんでした。でも次々とマジックが繰り広げられるので、なんとかそれを気晴らしに持ちこたえました。後半は45分間くらいかなと思っていたのですが、1時間15分くらいあり、長かったです。全体で3時間くらいあったと思います。すごく盛りだくさんなショーで、堪能しました。
体調はいまは随分良くなって普通の生活です。まだオランダは一日中氷点下の気温なので、外へ出るときは風邪をひかないように気をつけています。

シルク・ドゥ・ソレイユ「Corteo」@アムステルダム

2012-04-18 07:39:31 | 演劇/ミュージカル
10年以上も前、東京でシルク・ドゥ・ソレイユのサルティンバンコがとても話題になっていて、見てみたいなあと思いながら行けずじまいでした。
今年になって、アムステルダムでシルク・ドゥ・ソレイユの公演があると聞き、早速チケットを入手しました。
Corteo(コルテオ)はイタリア語で「行列」という意味で、主人公が亡くなって天国へ上って行くまでの葬列の空間を、道化師や天使など幻想的な登場人物がたくさん出てきて、祝祭的に楽しくおかしく表現しています。
日本ではもうすでにこの公演が2009年に行われているようですね。知りませんでした。
場所は、アムステルダムのアレーナ近くの特設テントです。サルティンバンコを見た人によると、今回のテントはかなり小さめだそうです。だからか、どの席からもステージがとてもよく見える距離だと思います。
テント内に入ると、ステージには幕(写真)が垂れているのですが、そこに映し出される光景が光の加減で時間とともに変化して美しく、独特の雰囲気があります。
古いヨーロッパを感じさせる衣装や道具類で、内容は、鉄棒やトランポリンを使った技や、綱渡りなどオーソドックスなものですが、音楽や照明などの舞台効果でとても素晴らしい芸術になっています。色遣いもファンタジックで、物語世界に吸い込まれる感じです。
コミカルな部分も多く、大声で笑っている人もいましたが、私はにやっとするぐらいでした。
夜7時半に開演して、途中30分の休憩があって、終了したのは10時すぎくらいでした。息をのむ演技で、とても集中して見ていて、時間を忘れて楽しむことができました。
客席はほぼ満員でしたが、2列くらい空いているところもありました。客層は老若男女さまざまで、英語やロシア語?なども聞こえ、アムステルダムの観光客も来ているのかなと思いました。
演者の言葉は、英語やイタリア語やオランダ語などを交えていました。言葉がわからなくても問題なく楽しめるという点で、誰でもが楽しめるエンターテインメントです。またこの種の芸術は生で見るしか良さがわからない類のものでしょう。
体調は良好です。